井上副会長
 国際的に見ましても、ある程度のルールが、最低限のルールが守られているということでございます。我々は、新業種があらわれるまでは、やはり夜の5時から朝の5時までは酒類の販売を停止しておったわけでございます。しかし、現在は夜中であろうが酒を販売していかなければ商売をやっていけません。しかし、アルコールというものに対しては、最低限のルールは作っていただきたいと思っております。
 それとともに市場の安定をしていただきたい。最近は、ディスカウント、そしてまた、おとり商品にされる方が増えてきております。もちろん商策としてはよろしいですよ。しかしそれならば、免許は何のために取るんだということでございます。アルコールを安く売って、それを宣伝してといった形で市場が非常に乱れております。
 そういう総合的な面で、先ほど申しましたように、組合の位置づけ、そして国際的な位置づけ、そしていわゆる市場の取引の安定化を私らは特に望むものでございますので、行政当局の方からも、やはりある程度の経済面での規制も必要ではないだろうかと、このように思って、今日は主張させていただくわけでございます。以上でございます。

奥村座長
 よろしゅうございますか。
 それでは、御質疑等ございましたらお願いいたします。
 国税庁の方から、お聞きになりたいことはございますか。

寺内酒税課長
 ここにいろいろパンフレットとかステッカーとかが入っていますので、御説明よろしいですか。どういうふうに作られているかというお話しをお願いできますか。

島田部長
 それでは、私島田と申します。事務局の方から資料の説明をさせていただきます。
 資料の中にパンフレットがあるかと思います。加入勧奨のパンフレットです。私どもの資料の一番目に書いてあります中央会の概略という形で書かれております。近年は、今日の議題にありますように、社会的要請に対して、我々としても消費者、それから酒販業者ともども、こういった面で社会的な環境整備の活動を行っております。また、それにあわせまして、いろいろな資料を用意してあります。1つには、諸外国の免許制度、これにつきましては第2回のときにも配付をさせていただきました。その結果、平成14年12月にこの懇談会の取りまとめがなされまして、その中の内容には、まず、社会的要請に対応する実施主体として、小売酒販組合の活性化及び役割の発揮、もう一つは免許目的の見直し、それから公正取引の観点から独禁法違反行為に対するペナルティ強化のあり方という形で取りまとめをしていただきました。これに沿いまして、私ども、やはり国際的整合性のある免許制度という形でこの目的も見直しの1つではないか今回も要望させていただいております。
 それから、ロビンソン・パットマン法、これは古い法律になります。今、マークアップ法とか、その他いろいろな流通に関する法律が出ております。ただし、やはり大が小に対抗するようなものにするためには、やはり平等な競争のルールというのが必要かと思います。そういった面で、このような法律を生かして、日本でも対応していただきたい。こういうことで資料を添付させていただきました。
 それから次の資料、これも第2回目のヒアリングのときに御提示しております。私どもはもう数十年前から、酒税保全のみならず、こういった社会的要請に対応するために、県議会、都議会に対して意見書を採択していただいております。それから、昨年、未成年者飲酒防止キャンペーンという形で、私ども組合としても全国的に、そういった消費者に対して啓発活動を行っております。その実施内容に関して、大阪、それから広島、兵庫の資料をつけております。
 それから、最後に、先ほどのステッカーの件ですが、これは私どもの青年部が作成したものであります。免許業者としても昨年人的要件の強化、それから表示の罰則強化、そういったものが行われております。あわせて私の方としては対面確認販売というのを励行しております。そういった面で、このステッカーで未成年者に売らないといったアピール、啓発活動を、青年部としても行っています。もちろん中央会としても行っておりますが、あわせてこれもやらせていただきます。さらに、大きなポスターですが、学生服を着た者がビールをあおっていると、こういったものでも「未成年者の飲酒はストップです。やめてください」というような形で、社会的要請に対して組合として活動をしているこの資料を添付させていただきました。以上です。

奥村座長
 ありがとうございました。

田中氏
 2点あります。まず、緊急調整区域の指定があったわけですけれども、その後それの効果、あるいは状況はどういうふうなものなのかということです。
 それからもう1点は、未成年者の飲酒問題というのは、どちらかというと地域ぐるみで取り組まなければいけない問題だと思うし、特に酒類販売業者の役割は大きいと思いますので、小売酒販組合に加盟する加盟しないは別として、他のフランチャイズなり、あるいはチェーンストア協会なりそれなりにまた努力している部分も見受けられるようですので、一体として、地域的な取り組みをやれる仕組みみたいなものは考えられないものでしょうか。

幸田会長
 緊急調整地域の地域指定が27.3%ということであります。これは逆特区等と言われ、当初はかなりマスコミにたたかれました。しかし現実には、そういう社会的規制についての2年間の時限立法であります。そういうものを構築していく。そして公正で公平な市場を作っていく。北海道から九州までの消費者が公平に物を安く買える。そういうシステムづくりを、この緊急措置の2年間でやるということになりました。しかし残念ながら、まだその効果があらわれておりません。と言いますのは、行政も一生懸命やっていただきましたけれども、これは規制緩和を円滑にするための措置でありますので、その中では酒ローン等もつくっていただきました。現実に4月から、去年は4月からそういうことが制度としてあります。そういうもので、その支援策がなかなかできないということでありますので、まだその効果的なものは出てきていない。また逆に言えば、これによって73%以上のところが、はっきり言って野放しになります。それによって学校の隣、あるいはアルコール依存症の更生病院の隣にお酒の販売場ができています。私たち中央会に非常に苦情が来ています。なぜあなたたちがやっていることと違うことをやっているんだ。しかし、私たちはそういうところには出店はしておりません。しかしそういうこともあるわけでありまして、むしろ緊急調整地域以外の73%が野放しになってしまったことへの対処が、組合としても大変厳しくなってきています。国税庁のお力によって、分離陳列、あるいは未成年者が買いに来られないような、酒類売り場に接近できないようなものについては2つの法律がありますから、効果が出てきていることは事実であります。先ほど御指摘のありましたフランチャイズ協会、あるいはチェーンストア協会等と、一緒に地域的なものでやるべきだということに関しては、まさにそのとおりだと思っています。
 問題なのは、このチェーンストア協会にもフランチャイズ協会にも中央会にも入っていない方たちなんです。と申しますのは、つい最近、フランチャイズ協会及び我々全国小売酒販組合中央会の会員であるコンビニエンスストアに、未成年者が酒類を買いに来ました。うちの店では未成年者には販売しないという説明をして帰ってもらいました。しかし2〜3軒隣のいわゆる組合にもチェーンストア協会にもフランチャイズ協会にも入っていない店では売っていたということです。そしてうちの店にはそのアルコールを持って、ジュースや弁当を買っていくということです。こういった店の人にも教育をしろと言われても、我々の加入者でない人たちの教育はなかなかできないということで、ぜひ先ほど言いましたように加入を義務づけしていただかないと、そういう教育ができません。国税庁等、行政がやってくれるというならば別ですけれども、やはり地域ぐるみで取り組まなければ、学校とかあるいは町内会だとか民生委員だとかそういう人たちも全部取り組まないとなかなか難しい。その対象は未成年者だけでありますけれども。
 あるいはまた、アルコール依存症の問題もあります。こういう不景気になってきますと、夜中、子供だけではなくて、大人まで夜中に大声を出してふらふらふらしているということもありますので、私たちとしては、自動販売機は撤去していく。深夜販売もやめていくという方向に行くべきだと思っております。

井上副会長
 ちょっと補足的でございますが、私は先ほど申しましたように、組合というものは、ある程度ボランティア的なこともやるべきだと思っております。最近は研修制度というものもありまして、大阪の場合はチェーンストア協会なりで受けられなかった方を、年に何回かこういうネットにもしまして、やっております。そういう場合に組合に入らない方も、またチェーンで受けられなかった方も、大阪組合で受けていただくということになります。それは、行政当局の指導にもあるわけでございますが、年間の計画案を出しておりますので、その日にちは案外多くございます。チェーンで受けてなくて、その日に受けに行かれなかった、そういう方に、我々としては手を差し伸べて、今後できるだけやはり組合をその上に立つ存在にしていきたい。それに関しては、先ほど申しましたように、その位置づけをいただきたいというのが我々の希望であり、もう少しやりやすくなる。それで私は青少年環境協議会に出ておりますが、例えば動員する場合、青少年の場合でもあろうとも、ほかの団体は来てくれません。しかし、お酒という業界はありがたいことに、すぐ来てくれます。だから街頭で青少年環境協議会の活動をやりましても、酒の組合の者をほとんど動員できますし、この組織の位置づけは非常に高いと思います。それを皆さん方に御理解いただきたい。

本間氏
 どうも年のせいで、昔はよかったという話にばかりなってしまいますけれども、小売酒販組合中央会、小売店の方々ががんばっていらした時代というのは、日本の酒が文化であるという点でも、非常にいい線を行っていたと思います。それで、先ほど省庁を一本化しろというお話が出てきましたけれども、酒類販売に関しても、全国小売酒販組合中央会があって、フランチャイズ協会があってと、業種ごとにばらばらになっており、一本化するということはできないのでしょうか。

奥村座長
 また、後日議論する課題にさせていただきたいと思います。

本間氏
 そしてそれについて伺いたいのは、メンバーの方々が、次々と脱会されている問題もあるし、免許をお取りになっても免許を辞退するというようなことで、今どれくらい組合員数が減っておられるのかということも改めてお教えいただきたい。

島田部長
 平成10年、私どもの組合員は、13万7,000おりました。今現在、平成16年4月1日調べでは11万1,000強というような数字になっております。

田中氏
 それと絡んで、大阪や東京のような大都市において、夜の販売や未成年者の販売を厳しくしていくことは大変重要なことだと思うのですが、組合自体が少なくなってくると、地方のお年寄りの方々、お酒を飲むのが楽しみな人たちもいると思うのですけれども、そういう地方都市や農村地帯等でお酒が買いにくくなってきている状況というのはございませんでしょうか。

幸田会長
 今先生が言われたとおり、この規制緩和で一番打撃を受けているのは地方なのです。大きな販売店がドンと出てしまうと、地方の商店街等は壊滅的な状況になってしまいます。そしてまた、大きなお店がやめられる場合もあります。そうすると、もうそこは酒販店だけではなく、お酒が全てなくなってしまっている状況で、お年寄りだけではなく、買い物が大変不便だという状況になっていることは事実でございます。これはお酒だけではありませんけれども、地方都市の方が規制緩和の影響で、地方を回ればシャッター通りという状況が出てきております。なるべく組合員には、曜日、あるいは日にちを決めて巡回し、そのお年寄りがどういう状況になっているのかということまで、昔はそういうことも全部把握していました。そのことは、免許業者として免じて許される、ほかの人たちができない仕事をさせていただいているという、やはり公のために奉仕するということも必要なんだということで、長い間の先輩たち、あるいは行政のお力添えを得ながら、そういう誇りと、そういう地域社会に貢献するという業種だということに対する認識はさらに徹底するようにしております。

奥村座長
 すみません。憎まれ役になってしまって本当に申しわけないのですが、時間になってまいりましたので、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 委員の先生方には、せっかく御足労いただいて、御出席いただいていたのに、私が途中で打ち切ったりして本当に申しわけございません。ただ、回数も非常に多いし、4件の報告を2時間以内で、かつ質疑を入れてとなって、舵取りに苦慮しております。次回もまた製造の4団体と聞いていますので、どこをポイントにしてやっていただくのかを、お話してくださいます方々でよく打ち合わせいただいて、効率的に進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 大変申しわけございませんが、一応時間だけは皆様のためにもきちっとお約束を守りたいと思いますので、3時半になってまいりましたので、本日はこれで終わりにさせていただきます。

若尾酒税企画官
 先ほど矢島先生からお話があった販売管理研修のモデルテキストを皆さんにお配りいたします。この中の4ページに販売管理者の役割というものが書いてありまして、これをもとにして、それぞれの販売に従事している人たちにアドバイスも含めて指導するんですよ、研修をやるんですよということを言っておりますので、そこでいろいろな工夫をするように言っております。

奥村座長
 次回の御案内はいいですか。

若尾酒税企画官
 結構です。

奥村座長
 それでは、今日はこれで終わりにします。

―― 了 ―― 

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