寺内酒税課長
御質疑の前に、お酒の自動販売機について、今の状況を私の方から御説明させていただきます。
平成8年3月に小売中央会が自販機の撤廃決議というものをいたしました。そのときの酒類の自動販売機の個数が18万6,000台でございました。先ほど御説明がありましたように、その後、従来型の自動販売機設置台数を減らしていくとともに、改良型に移行していき、年齢確認ができない従来型は撤廃していくということになりました。今、年齢確認ができない酒類の自動販売機は5万4,000台ございます。また、年齢確認できるいわゆる改良型の自動販売機が1万4,000台ございます。したがって5万4,000台と1万4,000台ですから、合計して6万8,000台ございますが、いわゆる年齢確認ができないものについては、平成8年には18万6,000台だったものが、平成15年4月には5万4,000台というふうに減ってきております。
そういう意味では、この自動販売機について、年齢確認ができないものについては減らしてきたという業界の取り組みを、私どもとしても引き続き支援していくということでございます。
須磨氏
まだ、年齢確認できる自動販売機を見たことがないのですが、それを始めてから何か新たな動き及びトラブルというのは起きているのでしょうか。
黒崎事務局長
動きといいますか、特にフィールドでは酒の自販機の方が先行しておりまして、やはり運転免許証つきのものがだんだんと増えてきております。
平成12年度には5,400台しかなかったのですけれども、先ほど御説明がありましたように平成15年には1万4,400台、大体年間3,000台弱ぐらいのペースで増えておりますので、これからも増えていくかと思います。
今の段階でのトラブルというのはございませんが、一部では運転免許証を持っていない人間はどうなるんだというようなお話はいただいております。ただし、運転免許証と、酒屋さんが発行するIDカードの併用方式というものをとっておりまして、余り大きなクレームはいただいておりません。
須磨氏
反応はいかがですか。
黒崎事務局長
やはりユーザーの方は1つクッションが多くなるわけですから、アクションが多くなってやりづらいということはありますけれども、やはり未成年者の飲酒を防止する上では仕方ないだろうというような反応です。酒販店さんも同じでございます。
田嶼氏
成人識別方式は幾つかあるということを御説明いただき、カードの貸し借りの問題についてはモラルの問題だというふうにおっしゃいましたけれども、最終的にはやはり、インターホンのカメラ方式、しかもセンター集中式にするというのが一番未成年の飲酒防止にはつながると思うのですが、これはかなりお金がかかることだと思います。具体的にそちらの方向にまとめていかれるとか、あるいはどのくらいのスパンで計画をしていらっしゃるとか、そういうことはありますでしょうか。
黒崎事務局長
どの方式にまとまっていくかというのは、我々で決められることではないと思います。やはり消費者の方の御意見で決まってくる話かと思います。
貸し借りの問題が一番問題になると思うのですが、IDカードのように人に貸しても何の痛みも覚えないようなカードというのは貸される可能性があると思います。しかし、例えば運転免許証を貸すとか、クレジット機能が入っているようなカードを貸すとかいったことは、一般的な常識からは考えられないと思うんです。ですから、そういった機能を付加したもの、例えばたばこの方ではICチップの中に電子マネーを埋め込んでいくと、お金が入っていることになりますので、やはり他人に貸すことはなくなると思います。そこにまたクレジット機能をつけていくことも可能ですし、インターホンカメラをつけるセンター集中管理型にするということも一つの方向かと思います。
ただこれは、私ども自販機メーカーが方向をつけるのではなくて、やはり酒販店さんと消費者の方の御意見で決まってくるものではないかなと思います。ですから、私どもは何通りか御提示をさせていただいた上で、決まっていくというふうに考えております。機械メーカーが誘導していくとベターではないような気がいたします。
小森課長補佐
センター集中方式は、コスト的には大体何台ぐらいでペイするものなのでしょうか。
黒崎事務局長
これはまだ始まったばかりですけれども、ある社が今、300台程度管理しております。それではまだぎりぎりですので、1,000台程度になれば十分ペイできるのではないかと思います。当然、これはお客様というか、酒販店様の方からランニングコストとして月々幾らという形でいただくことになります。
奥村座長
ほかの先生方いかがですか。よろしいですか。
それでは、黒崎様、どうもありがとうございました。
黒崎事務局長
ありがとうございました。失礼いたしました。
奥村座長
事務局の方、御連絡ありますか。
初谷課長補佐
次回の懇談会なんですが、6月8日の火曜日午後1時半から開催いたしますが、会場が財務省の3階の共用第一特別会議室になります。机上に案内図を置いてありますので、お間違いのないようにお願いいたします。
以上です。
奥村座長
いつも密度濃くやっていただいて、特にまた4名の方御報告をいただいて、申しわけない点ございましたが、本日はありがとうございました。
これで今日は終わらせていただきます。
―― 了 ――