村座長
 引き続きまして、財務省の理財局総務課のたばこ塩事業室、垣水室長からのお話を賜ります。最近のたばこを巡る規制について御報告をいただいて、また御議論をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

水室長
 ただいま御紹介いただきました垣水です。よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元に資料がありますので、それを参考に説明をさせていただきたいと思います。
 まず1枚おめくりいただきまして、たばこの規制に関する、略称はたばこ規制枠組条約という条約が書いてあります。今国会に提出されまして、ちょうど今日、参議院で採決されている予定でして、もう終わっているのではないかと思いますが、その結果として国会で承認を受けたということですので、あと事務的な手続が終わればもう締結をするということになります。恐らく6月中には日本もこのたばこ条約に加盟すると思っております。このたばこ枠組条約のみならず、昨年5月に施行された健康増進法、これは受動喫煙を防止するための分煙等の取り組みを規定している厚生労働省の法律ですとか、歩きたばこを禁止する千代田区をはじめとした自治体の条例等で、かなりたばこの規制が注目されております。最近も、外国におきましても、このたばこ枠組条約をはじめといたしまして、マルチや各国のレベルで、どんどん規制が厳しくなってきている状況にあります。また、規制ではありませんけれども増税も行われています。
 このたばこ枠組条約は、たばこの健康に対する悪影響を減らして、人々の健康を改善することを目指すということで、いろいろな広告規制やパッケージに注意文言、警告表示についての規定を定めています。背景は省略いたしますけれども、2000年から昨年、2003年まで政府間交渉をして、条約が採択されまして、2004年6月末を目途に、各国がそれぞれ国内の議会等の承認を得て締結していくという段取りになっております。
 資料の一番下の3.に未発効と書いてありますが、これは40カ国が締結してから90日後に発効するという規定になっておりますので、5月初めの状況では、締結まで至っているのが12カ国、ニュージーランド、ノルウェー、インド、ハンガリー、スロバキアといった国でして、まだ40カ国に足りず、発効には至っておりません。恐らく来年に入ってから発効するだろうと見込まれております。
 それではわが国はどうかと言いますと、先ほど御説明した形でして、締結するだろうということですが、その前に署名という手続がございます。政府が締結する意思を示すという行為ですけれども、これは3月の初めに行われました。またアメリカもつい最近署名いたしました。そういうことで、約110カ国が署名をしているということです。そのうちの12カ国が締結まで至っているという状況になっております。
 この条約のポイントが、真ん中の2の(1)から(6)にございます。(1)は、先ほど述べた健康増進法にあるような、受動喫煙を防止する措置を採りなさいということです。(2)は、資料の後の方にも出てまいりますが、パッケージに、たばこは健康に悪いですよというような注意表示を付けるということです。それから(3)が、今回お話ししようと思っているたばこの広告規制についてです。簡単に言ってしまうと、財務省のたばこ室にとってはこの(2)と(3)を確保する必要があるということで、昨年から今日に至るまではこの(2)と(3)の法制面の整備を進めて、その結果条約を承認していただくことができたという形になっています。
 この(2)と(3)についての御説明を次にいたします。その次3ページのイメージ図を御覧ください。たばこの20本入りの箱です。表と裏にそれぞれ、「喫煙はあなたにとって肺がんの原因となります」、「たばこの煙が周りの人の健康に悪影響を及ぼします」要するに受動喫煙に対する注意というようなことを書きます。このような文言が8種類ありまして、たばこ条約の規定に従って、順次その組み合わせを変えて表示していきます。
 実はこれ、先ほど御説明下さった林先生にも加わっていただいたワーキンググループでいろいろと考えていただいたことを、参考にして作った文言ですけれども、未成年者の喫煙は法律で禁止されていますと書くと、かえって反発が強くてということもあるので、説得的に書いたものです。それから、やはり先ほどのお話にもございましたが、妊婦の方に注意してもらうということが重要です。それから、疫学上のデータを説得的に挙げて、これほど吸っている本人の健康に悪影響がありますといったことを書いてあります。この8種類を大体年間で均等になるように、順次変えていって、たばこのパッケージに印刷してもらうということであります。
 その下にディスクレーマーと書いてありますが、これもたばこ条約の中に書かれております。誤解を与えるような表現を使ってはいけないということです。主に問題になったのはマイルドセブンのマイルドという言葉です。実はヨーロッパ諸国ではほとんど全部、マイルドという言葉を禁止しております。日本では、財産権の問題ですとか商標権の問題とかをいろいろと勘案いたしまして、こういう言葉を使う場合には、資料の3ページの下の方に載せたようなことを書きなさいという規定にしております。つまり、本パッケージに記載されている製品名の「mild」の表現は、本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありませんという内容です。ロータールについても同じです。要するに、特定の表現を使った場合は、必ずこういう注意を付けるということであります。「悪影響がより少ないんです、マイルドなんです」という誤解を与えてたばこを買わせることはいけないのではないかという発想で、必ずこういう表現を付けさせています。
 4ページは、たばこ条約の広告関連の条文です。これも説明していると時間がないので、簡単に申しますと第1条の用語のcとgというところに、たばこの広告及び販売促進活動と、先ほどのお話にもありましたスポンサーシップ、例えばレーシングカーの後ろにマールボーロとつけるようなものです。こういったものを全部、この規制の対象にするということが書いてあるわけです。
 具体的に何をするかというのは第13条にございます。第1項は認識ですので飛ばします。
 第2項は、これは要するに全部禁止しろ、こういう広告等を包括的に禁止しろというものです。この包括的禁止とは何かというと、若干あいまいなところがありますが、要するに対消費者向けの一切の広告をしてはいけないというものです。逆にいうと、業者間の取り引きで、例えば「この商品はこういう特性があるから仕入れてみてよ」というのは除かれるということです。それ以外はすべて禁止だという意味です。
 第3項は、そういうことができない、つまり自国の憲法または憲法上の原則のために包括的な禁止を行うことができない締約国は制限を課すると書いてあります。ですから、憲法上できる国は全面禁止してくれ、できない国は制限を課してくれということでございます。制限とは何かというと、実はあまり細かいものではないのですけれども、この第4項に今のことを敷衍してございまして、a、b、c、d、e、fと書いてあります。一番大事なところがeですのでそこを見ていただきたいのですが、ラジオ、テレビ、印刷媒体及び他の媒体におけるこういう広告等について、5年以内に包括的な禁止または制限をすることと書いてありますので、ここでこういう幅広い広告媒体に対して条約の発効から5年以内に制限しなさいということが書いてあるわけです。規制の濃淡は問わず、とにかくそういった広告全てを規制の網にかけて漏れがないようにしなさいという意味ですから、網羅的な制限を何かやってくださいということであります。
 それで5ページ目ですが、このようなことでたばこの規制について、たばこ事業等分科会で審議いたしました。5ページ目のその2のところに書いてあります。昨年の10月から「製造たばこに係る広告を行う際の指針」を改正する方向で審議が行われ、1月末の分科会で了承され、これを受けて、財務省告示の形で今年の4月1日から公布・施行されております。
 ここで、法律の仕組みを御説明いたしますと、たばこ事業法という法律がございまして、その第40条に製造たばこの広告を行う者は未成年者が喫煙をしないように、健康との関係に配慮するように、過度にわたることのないように努めなければならないという、3つの努力義務が書いてあります。
 第2項で、これに照らして必要あると認める場合には、この審議会の意見を聞いて、財務大臣は当該広告を行う際の指針を示すことができるということです。これに基づきまして、平成元年、指針を出したということであります。
 第3項では、この指針に従わずに広告を行った者に対しては勧告をすることができるとされております。
 第4項でございますが、正当な理由なく勧告に従わない場合は、その旨を公表することができるということです。ですから、結局この指針に従わないと、最終的には公表されますよというレピュテーションリスクといったペナルティーがあるということであります。
 それで、平成元年の指針を簡単に申しますと、テレビやラジオについては時間帯に配慮してくれということ、それから、テレビや雑誌については、「未成年者の喫煙は禁じられています」ということと、「あなたの健康を損なう恐れがあるので吸いすぎに注意しましょう」ということをはっきり表示するということです。
 それでは、実際はどういうふうに運用されていたのかについてですが、テレビの広告はもう大分前からやっていないではないかとお気づきになった方もいると思います。日本たばこ協会という社団法人がございまして、これは大手たばこメーカー4社、そのほか賛助会員が17社、賛助会員というのは葉巻の輸入等を行っている会社ですけれども、そこが広告についての自主基準を作って、それを随時改定してきました。昭和60年以降ずっとやっているのですが、その中で、テレビによる宣伝は、初めは夜間は禁止しようということになって、そのあとどんどん宣伝可能な時間帯が短くなっていって、アメリカで訴訟が起きたようなこともありまして、数年前にテレビでは一切広告をするのを止めました。テレビ、ラジオ、映画、インターネットなどでもたばこ広告は止めよう、未成年者向けの雑誌に広告を載せるのは止めよう、学校の周辺にも屋外広告は止めようといったことを決めていきました。それがこの3月末までの状況だったわけです。つまり、財務省の指針を受けて、業界がより細かいものを作るという形が続いていたわけです。
 今回、指針を大幅に変えたわけですが、その内容は5ページの3の下の方に書いてあります。(1)というのが全体的な考え方であり、未成年者の喫煙防止、健康と喫煙との関係についての適切な情報提供を行う、それから幅広く積極的に喫煙を勧めるようなことは止めましょうということです。この幅広く積極的に喫煙を勧められるべきではないというのは、未成年者だけではなく、ほかにも妊婦の方とか、たばこをまだ吸ったことのないような方、余り知識のないような方と、いろいろいらっしゃるので、そういういろいろな人に対して幅広くドーンと広告を出すのはどうかという趣旨の新しい考え方です。
 具体的に言いますと、(2)の下線部分ですが、印刷媒体については、未成年者向けはもちろんのことですが、日刊新聞紙についても制限を加えております。細かいところは、先ほど言った自主基準を改定しまして、年間の回数、要するに平均一紙当たり月1回、それもその一面とかテレビ面とか家庭面とかスポーツ面とか、そういうところには載せないようにという申し合わせでございます。
 それから(3)が、公共性の高い場所ではたばこ広告を行わないということです。先ほど申し上げました幅広く積極的に喫煙を勧めるということに対応しているわけですが、例えば車内広告とか駅の広告、それからよく銀座とかでもきれいな電照、光を照らしているような広告がビルに埋め込まれています。また、ビルの上にスポットライトを当てたたばこ広告がありますが、そういうものは全部だめですということです。ただ、たばこ屋と喫煙所における広告は除きます。
 それから(4)は、健康について留意しようということを受けまして、たばこのパッケージに付けた注意表示を広告にも付けましょうということです。ただ、ローテーションについてはかなり簡便にいたしました。この結果、今はまだ電車の中にたばこの広告がありますが、本年の10月1日から車内広告が一切なくなります。それから約1年後、要するに来年の4月1日から屋外の看板がなくなります。ただ、個々の契約関係がありますので、契約期間が長いといった事情により難しい場合には、あと半年延ばしていいというふうになっております。
 7ページに今申し上げたことが書いてあります。
 8ページ目は、以上のことを受けて、細かい業界が自主基準を作っているということであります。例えば12ページにスポンサーシップに関する基準がございます。これは先ほどのお話にありましたマールボーロのロゴをレーシングカーに付けるのはどうかということは全部ここにかかってくるということです。
 それから一番最後のページですが、外国での広告規制はどうなっているのかということについてまとめたものです。外国の例を調べてみますと、実はアメリカとドイツを除いてはかなり厳しい広告規制が採られています。イギリス、フランス、カナダ、韓国では、たばこ広告はほとんど禁止で、包括的な禁止に近い状況の国もあります。
 広告も表現・言論の自由の一部と言われております。こういう国の憲法を調べてみましたら、大ざっぱに言いますと、大体先進国の憲法ですので同じような規定ぶりになっております。言論の自由は保障されておりますが、ただし公共の福祉ですとか、これは国によって表現が若干違いますけれども、そういうことが優先されます。例えば健康もしくは道徳の保護が優先するとか、公衆道徳等とか、国によって違いますが、そういうようなことに抵触する場合は別ですよというような表現になっているわけです。実際は、カナダ等では過去に訴訟が起こっております。カナダは、スポンサーシップも含めますと、かなり厳しい規制になっておりますが、これはたばこ会社の訴訟を経て、現在の姿になっていったという形です。日本は現行のものから改正後に何が変わったかというのは、今お話ししたとおりです。公共交通機関の広告は△としてありますが、車内広告は×ということであり、屋外広告も事実上×ということです。それからテレビ、ラジオは明示的に業界の自主基準から法律のレベルで×にしたということです。この結果、ドイツよりはかなり厳しくなって、アメリカ並みの水準ではないかというふうに思っております。審議会の方も、言論の自由等の観点から規制を強化し過ぎるのは問題だという意見もありましたが、余りにも他の国と比べて日本の広告規制は甘いじゃないかということで、この程度が妥当かなということで意見の集約をみたと考えています。
 では、説明は以上にして、また御質問にお答えしたいと思います。

村座長
 ありがとうございました。それでは御質疑等、お願い申し上げます。
 先ほどのお話を伺った先生からもありました、ドラマの中で頻繁にたばこのシーンが出てくるという事柄に関しては、今回の改正では余り触れられないという理解でよろしいでしょうか。

水室長
 その点については、たばこ規制の先進国、イギリスでもかなり議論されていまして、映画でたばこシーンを使ってはいけないとか、欧州の一部の国でも何かそういう法律を作るという話を聞いております。日本では、そこまではやっておりません。ただ、そういう契約を、ある俳優さんなりある会社と明示的に結んでしまえば、これはスポンサーシップ契約になりますので、規制対象となる可能性があると思っております。

村座長
 いかがでしょうか。どうぞ。

岸氏
 たばこ業界の自主基準を4社でというお話がございましたけれども、その誕生の経緯とか、あるいはその後のプロセスみたいなものを若干御説明いただければと思います。

水室長
 昭和59年の日本専売公社の民営化を受けまして、昭和60年4月から日本専売公社は日本たばこ産業株式会社という株式会社になっています。そのときに社団法人日本たばこ協会というものを作りまして、そこの会員が自主的に守ろうということで取り決めを結んだのですが、実際は、その前の専売時代から輸入たばこは細々とありましたので、専売公社が音頭を取って、過度な広告競争にならないように自主基準を策定しようという動きがあったわけです。たばこには昭和62年4月から関税もかかっていないんですけれども、日米交渉等の中で、外国に差別してはいけないということで、輸入に対して非常にオープンにしたわけです。そうすると必然的に、新しい市場に外国たばこ会社が入ってきますので、大手でいうとフィリップモリスとかブリティッシュ・アメリカン・タバコとかいうところと日本たばこ産業株式会社とのものすごい競争になるわけです。それが懸念されたので、やはり過度に広告競争をすると社会からの批判も厳しいだろうし、我が国たばこ産業の健全な発展を阻害するおそれがあるということで、こういう指針を策定したというふうに理解しております。

沢氏
 1ついいですか。今、たばこ業界の規制の話をお聞きしましたけれども、外国ではお酒とたばこの規制を全く別々に考えているのか、あるいはかなり同じようなものとして考えているのか、その辺を聞かせてもらえますか。

水室長
 各国の酒の規制については不勉強ですが、フランスでは法律改正でここまで広告規制を厳しくしているのですが、たばことアルコールに対する戦いに関する法律の中で規制していますので、たばこと同じ規制かどうかは分かりませんが、共通の視点を持っているのかもしれません。あと、カナダについて申し上げますと、カナダではたばこについての規制の方がよりきついのではないかという印象がいたします。カナダで今議論になっているのは、マリファナを刑事罰から行政罰に移そうじゃないかという、規制緩和についてです。その根拠は、たばこは合法的に売られているが、たばこもマリファナも体に悪い点では同じようなものではないかという、何かかなり大胆な意見があるからだと聞いています。ですから、カナダ国民は意識としてはやはり、たばこは健康に悪い、たばこを吸って周りの人に迷惑をかけるのはよくないという意識が強まっているような感じがいたしますが、お酒はそこまで行っているとは聞いていません。

沢氏
 ありがとうございます。

嶼氏
 日本において、国際線の中で販売される、免税品扱いとしてのたばこについてはどういうふうな見解を持っていらっしゃるのでしょうか。

水室長
 日本から出国する方が買われるという意味でございますか。

嶼氏
 はい。あるいは帰ってくるときですね。

水室長
 広告については、外国から輸入されてきて日本国内で販売する場合は、もちろん全部広告規制がかかります。たばこ事業法というのは、我が国のたばこ市場の健全な発展を目的とした法律ですので、日本国内のたばこ市場に関する規定であるということで、販売目的で登録を受けて輸入する場合、全て日本の広告規制に従ってもらうことになりますし、たばこパッケージの注意表示についても日本語で、先ほど規定したものをつけていただきたいと思っております。しかし、個人的に外国で買って持ち込まれたたばこは、もちろん難しいです。また、例えばインターネットで外国が発信地で、日本の消費者にも広告するような場合も難しい。逆に日本国内から外国だけに向けて発信する広告というのも、これは難しい言葉でいいますと法律の域外適用の問題ですね。確かに日本の市場には影響がありますけれども、立法権の管轄はどこまで及ぶかという問題もあり、規制はできないだろうというふうに考えております。

宮氏
 1ついいですか。先ほどの、たばことお酒の規制の違いということですけれども、私は犯罪を専門にしておりまして、お酒の場合には直接的に犯罪に結びつきやすい。たばこは関係ないじゃないかと思われていますけれども、実は欧米ではそうではなくて、たばこのポイ捨て等がそのコミュニティの力を低下させるとか、あるいはそういった公共の場所での他人に対する配慮を欠くというその行為が巡り巡って犯罪を起こすということがありますので、単にその健康というアプローチだけではなくて、そのコミュニティの秩序とか、そういった面からもかなり規制が強化されていると思います。
 そして、私の質問ですけれども、先ほどの訴訟のことですが、どういうふうな状況になっているか、教えていただければと思います。

水室長
 アメリカでは、たばこ訴訟が本当に無数に起こっているわけでして、幸いなことに日本のたばこ会社は敗訴して何か問題になっているということは聞いていないんですけれども、訴訟というのはアメリカでは各州が起こせるんですね。

宮氏
 そうすると、先ほどの、たばこ会社が自主的に広告規制を行った理由というのは。

水室長
 そういう訴訟を受けまして、訴えられたたばこ会社は訴訟参加州と包括的和解というものを結んだわけです。その中で、たばこ会社は、例えばたばこ広告はこういうところではやりませんとかいったことを決めているわけです。アメリカは広告規制については、資料の一番最後についている表で示されているように、テレビ、ラジオ以外は全て自主基準ですとか、和解で決めた内容、こういう和解をする代りに訴訟はもうやめてくれという取りきめをしているんです。

岸氏
 そのたばこをめぐる規制の中で、それ以外のたばこに関しての規制、例えば販売免許であるとか、あるいは自動販売機が問題であるとか、そういったような問題というのは担当者の中ではどういうふうに話題になっているのでしょうか。

水室長
 これ以外の大きな規制としましては、今おっしゃったたばこ小売店に関するものがございます。販売についての距離基準の規制というのがいまだに残っておりまして、販売数量と、距離基準でたばこの小売店の許可がおりるという、昔の酒屋のような免許制度になっております。
 平成10年に大きな規制緩和をしておりますが、零細小売業者の保護のために、まだこういった規制が残っているということになっております。そして、たばこは定価制になっています。つまり、決められた値段を値引きして、たばこ屋とかコンビニが売ってはいけないという規制になっております。条約の方でも、たばこの不正取引を防止するためには場合によってはこういうことが必要であるという言い方をしていますので、この小売販売の許可制とか価格の定価制というもの自体をどうにかしろという議論は、今はできないというふうに審議会でも位置づけております。ただ、こういう細かい規制のあり方の是非については今後も検討していきたいと思っております。
 それから、同じたばこの販売規制をするにも未成年者喫煙防止の観点からはやらないのかという意見もあります。これについても、一部では、当然やっておりますが、たばこ条約にもそういうことをもっと推進すべきだという趣旨が読みとれますので、これについても、今後、警察庁をはじめとした関係省庁と相談していきたいと思っています。

村座長
 垣水さんありがとうございました。
 それでは、12時に近づいてまいりましたので、これでこのセッションを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは事務局から次回の案内などお願いできますか。

谷課長補佐
 事務局から案内です。3月24日に開催しました第12回懇談会の議事録、それから4月21日に開催いたしました第14回の懇談会の議事要旨を机上にお配りしております。既に国税庁のホームページにも掲載しております。お持ちいただければと思います。
 もう一点、次回の懇談会ですが5月31日の月曜日、午後3時から開催しますけれども、会場が財務省の隣、裏側になります。国道から見て裏側になりますが、の中央合同庁舎4号館の共用第3特別会議室になります。机上に案内図をお配りしておりますが、この建物の3階とつながっておりまして、案内通路を渡っていただいてすぐ左側に会議室がございますので、お間違えのないようにお願いいたします。
 以上です。

村座長
 それでは皆様ありがとうございました。
 本日はこれで終わりにしたいと思います。

―― 了 ――

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