奥村座長
 よろしいですか、ありがとうございました。
 本日は、2時45分で終了させていただきたいと思いますので、あと35分ばかりでご議論・ご検討いただきたいと思います。
 今回からご参加していらっしゃる神崎先生、水谷先生、山下先生にちょっと先にコメントいただいて、その後、皆さんでご自由にやっていただくという順番にさせてください。
 神崎先生からお願いできますか。

神崎氏
 前回、参加しておりませんので、的はずれの質問になりますが、一つ教えてください。
 今の説明資料の中の8ページでございますけれども、酒類の取引の概要、この中で、製造者、卸売業者、小売業者というラインがありますが、極端に言いますと、この卸売業者が外れた場合、つまり製造者、小売業者が直につながった場合に、酒税収入というのはどういう影響があるのでしょうか。酒販店、特にディスカウントショップの拡大をみる上で、参考までにうかがいたいのですが。 

酒税企画官
 メーカーが納税義務を負っているわけで、負担するのは消費者、最後にそれを買う人ということで担税者になっているわけですが、その間に流通の卸と小売というのが存在しています。メーカーは、卸を通して売る場合もあれば、小売を通して、もう直接、卸を抜いて小売業者に直接売る場合もあります。ですが、メーカーが売る価格にはすべて税金が含まれておりますので、仮に卸がいなくても、自分の商品をちゃんとさばいてくれる小売業者がいれば、税金としては確実にその販売価格として入ってくるということで、メーカーは自分で納税はできるというふうな形ということになります。

企画専門官
 それから、お酒の税金というのは、お酒の量に対して課されることになっております。量に対して課されますので、同じ量のものが製造者の方から卸に対して出ても、小売に対して出ても、税金の差はおきてきません。消費税は別ですけれども、酒税ということではおきてきません。

神崎氏
 はい、わかりました。ありがとうございました。

奥村座長
 また、ございましたら、お願いいたします。
 水谷先生の方から。

水谷氏
 いろいろなことを教えていただきまして、まずありがたかったんですが、規制の問題ですけれど、これはもう酒だけではないかもしれませんが、何か事件が発生すると、役所は何やっているかと、もっと厳しくやれ、という話になりますね。役所は役所で、「いや、私も責任がありますから」というので、厳しくなっていく。結果的に国民は不便になっていくという、こういう方式がずっと進みます。そして、ある段階でもっと撤廃してもいいのではないかということで、今大きく動いていると思うんですよ。これが、どうしても酒というものは悪だから取り締まらなければいけないという考え方がどこまで行くべきなのでしょうか。こんなのは自由に放っておけばいいじゃないか、それこそ自己責任だと思うのです。ホームで飲もうが、どこで飲もうが、それは勝手だと。ただし、人に迷惑をかけてはいけない。迷惑をかけた場合に厳罰に処すというのは、新しい交通違反対策、これの方がいいのではないかと私は思っているのですよ。と言いますのは、税収を確保しなければならないという面から、もうきちっと確保できるように、漏れのないようにということでできている流通規制が多いと思うのですけれども、それも一つの理由ではありましょうけれども、衛生とか、そういったようなこと、あるいは教育上の問題、だから制限を加えなければいけない。制限を加える以上は、監視しなければいけない。監視監督のためにまた人手がかかる。でも、果たしてそういうことをやっていていいのでしょうか。私は、日本人は余り酒を飲まないのだと思っていたら、酒のコストが非常に高いということを最後に知りまして、酒に合わない国民なのかなと、私を含めまして、というぐあいに思ったのです。こういうのは、教育上はやはり規制していかなければいけない、これは本間先生にお伺いすべきことなのかもしれませんが、という考えもありましょうけれども、もっと勝手にやらせておくというような方式で、規制というのは、やはり私は少ない方がいいのではないかと思います。
 それについても、役所の方が、何か言われたときに、そこまでは役所は監督しない方がいいのではないか、ご自由にさせておいた方がいいのではないかというような答弁というのはできないものかと思うのです。
 国会答弁になりますと、責任者はだれだと言われます。全部の役所がどこかで責任者になっておりまして、酒に関しては酒税課かどこかが責任を持つということになっておりますけれども、その責任というのは、細かく微に入り細にわたって責任を持つということばかりではないような気がするのですね。大まかなところだけ責任を持っているのであって、細かいことについては国民の責任でやってもらうのだと、こういう大原則を酒の場合でもはっきり言っていけるのではないか、言っていくべきなのではないかと思います。そうしませんと、結果的には国民が不便になると同時にコストがかかってしまうからです。本来からいけば、これだけ酒税を集めているのですから、相当コストをかけてもいいとお考えかもしれませんけれども、それは私は違うと思うのでありまして、いかにしてコストを削減して税収を上げるかという大きな問題からいきますと、そのコストのかかる大きなものは、厳密性を保つため、規制をするためのコストなのではないでしょうか。大らかにやればうんと違ってくるのではないか。こんな具合に考えるのですが、見当外れということでありましょうか。
 以上です。

奥村座長
 ありがとうございました。
 審議官の方は、今すぐお答えになられますか。それとも、また議論の中で随時お答えになりますか。

審議官
 元々当懇談会は、規制緩和を15年9月に向けて進めていく中で、今日的に以前よりは、社会的要請の高まりが出てきていて、今の仕組みですと、免許という枠組みがあるわけですけれども、それは人口基準とか需給調整要件のようなものと、人的規制で成り立っているものですから、社会的な要請の高まりに十分こたえられないのではないかということで、今後の免許制度をどういうふうに考えるかというのをお願いしております。いわゆる規制緩和の流れの中で、さらにそれを越えた新しい問題としてどういうふうに考えようかというのが、実はテーマでございます。何か事件があったのでここはひとつ厳しくしなければいけないという考えでは元々ございません。
 また、何でもかんでも自由で、何らそういった社会的な問題に目を向けなくていいのかという厳しいご指摘もありますので、それにはそれなりのお答えをしなければいけないということも、この場でもお願いしているところです。若干、今日の説明が、そういう意味では、社会的規制が他の、例えばガソリンとか薬剤師とか、そういうものと比較して説明しておりますので、やや方向的に規制をそこそこ必要とするものではないかというような説明をしていると思われたのなら、そうではありません。ただ、やはりお酒というものの特性を、酒類の特性というものを、財政物資ということだけではなくて、もっと社会的に、ある程度管理すべき面もあって、そういう面を踏まえてどのように考えていただけるかということを実はお願いしているところであります。

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