初谷課長補佐
外国の関係なのですけれども、やっぱり先ほど長官が申し上げたように、空輸等による製品管理というものをきちんとやっていくということが必要ですので、さらに徹底して商品管理というものをやって輸出していきましょうという話を、各業界への説明会と言いますか、輸出セミナーみたいなものを開いて説明していきたいと考えております。
岡本審議官
あと、もう一つは、また後ほども御説明をさせていただくと思っているのですけれども、本日はたまたま未成年の飲酒防止とこの地理的表示ともに表示ということがテーマなのですけれども、どちらも、結局のところ、消費者に対してこのお酒がどういうものかというものをなるべく分かりやすく説明して、消費者に判断してもらおうという趣旨でございます。それが今までは、先ほど金子委員がおっしゃったように、必ずしも表示を見ても、よく分からない部分も多かった。ないしは、技術的にプラスとかマイナスとか、何度とかというような、それから、米の研ぎぐあいがどのぐらいだとかというようなもので値段がついたりしていましたけれども、もっと単刀直入に、例えば甘辛とか、本当にお米だけのお酒なのか、場合によっては、どこでとれたお米なのかというようなことも消費者に判断してもらうと、結局は値段と中身とを消費者が判断して、だんだん良いものになっていくだろうと。表示をそういう意味で変えていき、消費者に対する発信をもう少し消費者向けにしていこうという一つの工夫だと考えていただければ、それによってだんだん品質も良くなっていくのではないかと期待しております。
金子委員
日本産の流通が悪かった日本酒を海外で飲んだことがあるのですが、まだ日本産以外の日本酒をいただいたことがないので、具体的にどこがどう違うのかということを教えていただけませんか。例えば流通が一緒で、ある程度きちんと管理されていて、それでも日本産以外の日本酒が悪いというのは、どういうところがポイントなのでしょうか。何かが混ざっている可能性があるなど・・・。つまり、表示を変えた場合に、その特徴が出せるのかがポイントになると思います。例えばシャンパーニュ地方でつくられたシャンパンと同じぐらいにブランド力を高めるのであれば現地の海外のものと日本産のものが同じレベルであった場合に、どこで違いを出すかということです。今の段階での日本産以外の日本酒の品質が見劣りする理由が知りたいのです。
濱田鑑定企画官
私も直接飲んでいないので、本当に推測で申しわけないのですけれども、技術の立場から申し上げます。
清酒の場合はお米の品質は製品に相当影響するのですけれども、現実に清酒の原料であるお米の価格には、大体5倍ぐらい、差がございます。悪い原料を使いますと、やはり清酒の品質に相当影響があります。日本以外のタイやカリフォルニアの米は日本国産の米に比べると、良い酒を造るのに技術がいるのではないかと思います。諸外国の酒がどこの米を使っているかによって違うとは思うのですけれども。
そして、日本の清酒製造技術というのは、酵母が発酵できるぎりぎりのところで調整しておりますので、原料と酵母の性質を上手にコントロールしないと、酸の多いお酒になったり、非常に雑味の多い酒になったりします。そういった技術は、日本のいわゆる杜氏などに継承されてきた伝統技術、国産の技術ではないと難しいかなと、我々自身自負しているところなのです。
金子委員
どこまで露出をするかというのは問題になるかもしれませんが、使用しているお米はどこの国のものか、またそれらが何%削られているのか、甘味や渋味などの味が国産の日本酒とどのように違うのかなど、具体的に文字にした方が、より消費者には分かりやすいのではないかと思いました。
濱田鑑定企画官
そうですね。そのあたりは調べていないので、検討していきたいと思います。
飯村委員
米をどのぐらい磨いてあるかというようなことにつきましては、これはなかなか難しい問題だと思いますけれども、流通の問題につきましては、少なくともメーカーの蔵を出た状態がベストな品質のコンディションだと思いますね。したがって、例えば、灘の生一本というものを外国に輸出する場合は、やはりメーカーもそこまで配慮して、船便で何日もかかって行くというような話ではなくて、国内でできたものをなるべくその状態で、仮に外国に輸出するのであれば、輸出先でその品質をきちんと確保するという配慮が、メーカー側には絶対に必要だと思います。先ほどおっしゃったような、米の差でというようなことはなかなか難しいと思いますけれども、流通の段階では、そういう配慮を是非メーカーにしていただく必要があるのではないかと思います。したがって、日本でお墨付きがあっても、生鮮品ですから、時々刻々と品質は変わっていくと思いますので、輸出先での品質保証をどういうふうに規定していくかということは分かりませんけれども、少なくともメーカーの方の努力が是非必要ではないかと思います。
小林分科会長
よろしいですか。いろいろ御意見が出ましたけれども、この改正案、いかがでしょうか。もし、特にここを変えてほしいというところがなければ、このまま了承したいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
小林分科会長
では、そういうことにさせていただきます。
これもパブリックコメントで意見をいろいろお聞きしますが、一応、パブリックコメントで重要な意見というか、あるいはこの案を変えざるを得ないというような意見が出なければ、そのまま報告させていただくことになりますが、その辺のことも私がまた御一任させていただくことになりますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
小林分科会長
ありがとうございます。それでは、酒類分科会としてこの案を了承して、パブリックコメント等の手続き後に、国税審議会会長へ報告させていただきます。
また、同様に、ここで了承したものについては、国税審議会の会長の御判断でこれを了承するということになりますと、今度は答申案として長官に御報告させていただくことになります。
では、そういうことにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、審議事項が終わりましたので、次は、「酒類の消費と健康との関係に関する表示の検討について」の御説明を事務局からお願いいたします。