寺内酒税課長
それでは、諮問事項の二つ目であります、「重要基準を定める件」について説明させていただきます。参考資料の10ページ、資料9、重要基準の制定についてというところを御覧ください。
 まず、「酒類の表示の基準」について説明させていただきまして、酒類の表示の基準につきましては、酒類業組合法第86条6の第1項、施行令第8条の4、先ほどちょっと御覧いただきましたが、財務大臣は酒類の取引の円滑な運行、消責者の利益に資するため、酒類の表示の適正化を図る必要があると認めるときは、酒類の製法、品質その他これらに類する事項、未成年者の飲酒防止に関する事項の表示について、酒類製造業者、販売業者が遵守すべき必要な基準を定めることができることとされております。
 なお、酒類の表示基準を遵守していない者に対しましては、86条の6第3項の規定によりまして、その基準を遵守すべき旨の指示をすることができると。さらに、指示に従わない者に対しては、4項の規定によりその旨を公表するということができることとされております。
 現在、この規定によりまして定めている酒類の表示の基準が、酒類の製法品質表示基準、下の方にございます。それから、今、御議論いただきました、酒類における有機等の表示基準、それから、未成年者の飲酒防止に関する表示基準、それから地理的表示に関する表示基準の四つでございます。これらの中身については、後ほど詳しく説明させていただきますが、次に「重要基準」の内容について御説明させていただきたいと思います。
 重要基準に係る法改正、今般の法改正は、いわば全体のパッケージの一つとして行なわれております。今年の5月1日に公布されまして、9月1日から施行されております、「酒税法及び酒類業組合法の一部改正する法律」の概要につきまして、まず説明させていただきますが、4ページの方の資料の3を御覧いただきたいと思います。
 まず、改正の趣旨ですが、酒類小売業免許の規制緩和の進展等に伴う酒類業を巡る環境の変化を見据えて、酒税の保全のほか、酒類の致酔性を踏まえて未成年者飲酒防止等といった社会的要請にこたえ、酒類の適正な販売管理を確保するために、所要の措置を講じたものでございます。
 法律の概要でございますが、(1)人的要件の整備でございます。今般の改正で、酒税法第10条の免許拒否要件として、未成年者飲酒禁止法、それから、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律等に違反し、罰金刑に処せられた者が追加されました。未飲法につきましては、近年、罰則の強化、あるいは年齢確認義務規定の創設等が行われております。そこで、免許申請者の遵法精神の有無を判断する際にほかの一般的な法令違反に比して、特に厳しく遵守を求めている酒税法等の並びの法律に含めることとしたものでございます。
 また、いわゆる暴力団関係者の進出による弊害というようなことも、この人口基準の廃止に伴いまして懸念されております。これらの状況を踏まえまして、「暴対法」等により罰金刑に処せられた者は拒否要件に追加しております。
 次に、(2)の「酒類の表示に関する命令規定の整備」についてでございます。これは、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」等の酒類の表示基準の遵守を確保するために、これに違反している者に対し、個別に遵守命令を発することを可能とするための規定の整備でございます。これは本日の審議事項に係わる点でございますので、後ほど、詳しく説明させていただきます。
 (注)の方でございますが、前回の当分科会におきまして、御審議、御了承いただきました、未成年者の飲酒防止に関する表示基準を定める件の一部改正、これ酒類の陳列場所、酒類の売場又は陳列場所である、未成年者の飲酒は禁止されているというような表示をするというものでございます。
 次に、「酒類を適正に販売管理できる者の選任等」ということでございますが、近年、未飲法の罰則強化、あるいは容器包装リサイクル法の全面施行等、独禁法を含めまして、酒類業者が遵守すべき法令というのが複雑かつ多岐にわたり、また、酒類小売業免許に係る規制緩和の進展に伴いまして、多店舗展開型の経営者の参入と、免許者の直接の管理下に置かれていない販売場も増えてきているということで、酒類の販売管理になじみの薄い者の増加も予想されるところでございます。
 そこで、今回の改正は、酒類小売業者の酒類の適正な販売管理に対する社会的な要請の高まりというものに対応するために、酒類小売販売場において、販売業務を管理する者の助言、また指導のもとに酒類の販売業務を行えるよう、酒類販売管理者を選任するものでございます。
 また、その資質を高めて販売場における酒類の適正な販売管理の確保について実効性を高めることを目的として「研修」が制度化されております。この点につきまして、後ほど説明事項で述べさせていただきます。
 そこで、先ほど若干触れました表示基準に係る法改正の内容ですが、「参考資料」の5ページの資料4というのがございます。横の図でございますが、上段が今年の9月1日施行となりました現行の規定で、下段が改正前の規定でございます。
 改正前の下の方を御覧いただきますと、以前は改正前の酒類業組合法第86条の7の規定によりまして、財務省令をもって表示の基準を遵守すべきことを、酒類業者全体に命令することができるとされていたわけでございます。この酒類業者全体への遵守命令につきましては、これに違反した場合に、直ちに罰則が適用され、直ちに免許の取消しにまで至ることとされていたことから、命令を発すること自体にむしろ慎重にならざるを得ないほど酒類業者にとって相当厳しい体系になっていたわけです。酒類業者全体への遵守命令と。

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