寺内酒税課長
 テクニカルな部分は後ほど鑑定企画官の方から御説明させていただきますが、先ほど御説明しましたように、私どもとしてはJAS規格で定められた農産物、それに関する有機の表示、例えば、おみそとかパン等にも有機というのがありますので、そこでJAS規格による食品添加物として認められたものというのをまず大枠として、前提として議論をいたします。その中で酒類に全くこれが使われそうもないなというものを、私どものこれは酒税課、鑑定企画官室の方で抽出しまして、それは除き、可能性のあるものだけをそのまま持ってきて、ポジで有機として表示するものとして、食品添加物として掲げているというのが手続面の内容でございます。
 したがいまして、その辺のところはこの恐らく有機の表示基準自体の議論を当時させていただくときに御説明させていただいたかと思いますが、唯一不十分な点があるかと言えば、いわゆる「リン酸一」と「二」というところが、そこの部分を英語名までさかのぼってチェックができなかったという点では、逆に言えば審議会というよりは、JAS規格も含め私どもの方のチェックミスだったということだと思います。

小川委員
 一つはお酒の中で有機またはオーガニックってどれぐらいあるんですか、そういう表示をしたお酒が。お酒を私がいちいち見入ったことがないものですから。

浜田鑑定企画官
 現在、業者数で14、そして商品数で33ほどございます。清酒とワインがほとんどでございます。

小川委員
 分量的にいったら、数量的には販売されているものの中で一体何%ぐらいあるものなんですか。
 つまりそれによって、消費者にとってはこれ非常に大きい関心があるかどうかでしょう。いや、厳密なんじゃなくて、数%なのか、そんなにあるものなのか、1%もないものかそういう感じです。

寺内酒税課長
 14者なんですね。

浜田鑑定企画官
 14者です。

寺内酒税課長
 清酒メーカーでいうと全部で1,900者のうちということですね。

浜田鑑定企画官
 ええ。私どもが製造場に行った限りでは、その製造場の中でも非常に割合が低いという印象があります。

小川委員
 つまり、大手の酒屋さんがつくっているのと、小さなところがつくっているのと全然違うでしょう。大きいところもやっているんですか、有機等表示をやってる……。

浜田鑑定企画官
 私の知っている限りでは余りないと思いますけれども。

小川委員
 では、極めてマイナーな問題だと考えていいんですね。

浜田鑑定企画官
 比較すればそういうふうに……、はい。

小川委員
 それが1点です。もう1点は今、北村さんの御意見に関係しているんですけれども、何で有機等というのは農業関係で規定されているのに、酒の方でもう一度スクリーンするんですか。つまり、酒の方でこういうスクリーンが、酒に使ったら具合が悪いよというものをはじくというのならわかるんですけれども、何でそういうものをはじくんですか。はじかなければ向こうのに載っていて、農業の方で変わればそれに自動的に載っているというだけですよね。

浜田鑑定企画官
 JAS規格は飲食品全般になるんですけれども、ただし酒類を除くというふうになっております。それは縦割行政事務と言われるかもしれませんが、所管が農水省は酒類以外の飲食品ということで、酒類については国税庁が責任を持って安全性とか、表示とかをやっておりますので、JAS規格では酒類については敷衍しておりません。

小川委員
 その点は意見ですけれども、今のわかりますけれども、国民から見たらそんなややこしいことをしないでくれよと。つまりJAS規格があれば、JAS規格で決めないのはわかりますと。そのかわり、こちらで決めるときに、JAS規格の何とかだというふうにすれば、それで足りるのではないかと。はじかなければいけないものがもしあるのなら、積極的に、それははじけばいいですけれども、そうではないのならそれで足りるのではないかと。

寺内酒税課長
 恐らく結果的には、小川委員が言われているような考え方に近いのではないかと思います。JAS規格に決められているもののうち、酒類では全く使われないものをはじいているという格好で残っているものでございます。ポジで限定列挙している理由はやはり有機という特別な、何というか、一般の商品よりも少し付加価値があると言ったら変ですが、そういうものについて品質が優れているということを認識させるということで限定列挙しておりますが、その選び方は選んでくるというよりは、酒類では全く使われる可能性がないというようなものを除くという方法で、手続でやっているということでございます。

浜田鑑定企画官
 農産物では使っていても酒類では使っていないものもございますし、逆に、農産物の表にはあってもお酒にしか使われないもの、例えば亜硫酸というもの、ワインに使うものがございます。それについては農水省のJAS規格にはございません。もちろんコーデックスの規格にはあるんですけれども、それをワイン独特なものだということで載っておりませんが、これは私どもには載せているということでございます。

小川委員
 わかりました。

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