第2章 石油石炭税の還付措置関係

(「特定揮発油等」の範囲)

1 輸入した関暫法別表第一第2710・12号の1の(1)のC又は第2710・20号の1の(1)のCに掲げる揮発油及び同表第2710・12号の1の(2)のBの(2)、第2710・19号の1の(1)のBの(2)又は第2710・20号の1の(2)のBの(2)に掲げる灯油並びに同表第一第2710・12号の1の(3)、第2710・19号の1の(2)又は第2710・20号の1の(3)に掲げる軽油は、課税済みの原油等を原料として国内において製造されたものには該当しないことから、石油石炭税が課されたものであっても、特定揮発油等には該当しないのであるから留意する。(平14課消3-8、平16課消3-13、平18課消3−36、平24課消3−35改正)

(「原料に供した特定揮発油等」の範囲)

2 租特法第90条の5第1項《石油化学製品の原料用特定揮発油等に係る石油石炭税の還付》に規定する「原料に供した特定揮発油等」の取扱いに当たっては、次の点に留意する。(平16課消3-13改正)

  1. (1) 特定揮発油等に改質等の操作を加えることにより得られた改質油等(リフォーメート、改質ガソリン、改質炭化水素油及び分解ガソリン等と称されるものをいう。以下同じ。)が同項に規定する石油化学製品の原料に供された場合には、この場合の改質油等も「原料に供した特定揮発油等」に該当する。
    (注) 輸入した改質油等は、特定揮発油等に含まれないのであるから留意する。
  2. (2) 当該石油化学製品の製造工程において、特定揮発油等を分解するための熱源として炉内において消費される特定揮発油等もこれに該当する。

(石油化学製品の範囲等)

3 租特令第49条第1項《石油化学製品の原料用特定揮発油等に係る石油石炭税の還付の申請等》に規定する石油化学製品には、次のものが該当する。(平16課消3-13改正)

  1. (1) 特定揮発油を原料に供する場合
    1. イ エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサン又は石油樹脂
    2. ロ 酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、こはく酸、アセトン、高級アルコール(1分子を構成する炭素の原子の数が7個から10個までのものに限る。)、ブチルアルコール、ノルマルブチルアルデヒド、シクロヘキサン又はカプロラクタム
    3. ハ アンモニア
    4. (注) これらの石油化学製品の範囲は、租特法第90条の4第1項第2号《引取りに係る石油製品等の免税》の石油石炭税が免税となる石油化学製品の原料用揮発油の当該石油化学製品の範囲と同一である。
  2. (2) 特定灯油又は特定軽油を原料に供する場合
    エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン又は石油樹脂
    (注) これらの石油化学製品の範囲は、租特法第90条の4第1項第3号《引取りに係る石油製品等の免税》の石油石炭税が免税となる石油化学製品の原料用灯油又は軽油の当該石油化学製品の範囲と同一である。

(製造済届出及び製造済確認書の提出)

4 租特法第90条の5第4項の届出(以下「製造済届出」という。)及び確認の手続に当たっては、次の点に留意する。(平16課消3-13改正)

  1. (1) 製造済届出は、製造承認に係る石油化学製品の製造完了後速やかに(おおむね1月以内に)行うことに留意する。
     なお、当該石油化学製品の製造が連続運転等によっている等、製造完了時の特定が困難な場合は、1月(暦月)単位での製造実績により届出することとして差し支えない。
    (注) なお書による場合には、当該期間中に製造された石油化学製品の原料用特定揮発油等が、当該期間中に消費されたものとして取り扱う。
  2. (2) (1)の届出により、所轄税務署長から製造済の確認書の交付を受けた場合には、当該確認書を特定揮発油等の製造者に提出する。

(石油化学製品の原料に供した特定揮発油等の数量)

  1. 5 (1) 特定揮発油を原料に供する場合

     製造承認に係る石油化学製品の原料に供した特定揮発油の数量は、次に掲げる製造設備の区分に応じ、当該区分に掲げる石油化学製品の原料用に投入した特定揮発油の数量とする。(平16課消3-13改正)

    1. イ オレフィン製造設備(エチレンの製造を主たる目的とするものに限る。)の分解炉
      エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン又は石油樹脂
    2. ロ 脂肪族カルボン酸製造設備(揮発油を空気により酸化し、主として酢酸、ぎ酸又はプロピオン酸を製造するものに限る。)の酸化反応器
       酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、こはく酸又はアセトン
    3. ハ 水素及び一酸化炭素を主成分とする混合ガスの製造設備
       2−エチルヘキシルアルコール(高級アルコール)、ブチルアルコール又はノルマルブチルアルデヒト
    4. ニ 水素製造設備の分解炉
       シクロヘキサン、カプロラクタム又はアンモニア
    5. ホ 芳香族炭化水素抽出設備、水素添加脱アルキル反応設備又はキシレン分留設備
       接触改質設備で改質された揮発油又は改質炭化水素油を原料に用いて製造されるベンゼン、トルエン、キシレン又はノルマルヘキサン
  2. (2) 特定灯油又は特定軽油を原料に供する場合

     製造承認に係る石油化学製品の原料に供した特定灯油又は特定軽油の数量は、オレフィン製造設備(エチレンの製造を主たる目的とするものに限る。)の分解炉において製造するエチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン又は石油樹脂の原料用に投入した特定灯油又は特定軽油の数量とする。(平16課消3-13追加)

  3. (3) 上記(1)又は(2)において製造されたベンゼン、トルエン又はキシレン(以下「BTX」という。)及び副産物であるラフィネート等(BTX留分を含む抽出残油をいう。)で、ガソリン基材として使用されるものがある場合には、次に掲げる区分に応じ、当該区分に掲げる方法により算出した数量を、製造承認に係る石油化学製品の原料に供した特定揮発油等の数量からそれぞれ控除する。(平16課消3-13改正)
    1. イ BTXをガソリン基材として使用する場合
      ガソリン素材として使用するBTXの数量×ガソリン素材として使用するBTXの比重/原料に供した改質油等の比重=控除額
    2. ロ ラフィネート等をガソリン基材として使用する場合
      ガソリン基財として使用するラフィネート等の数量×(BTXの混合割合-3.0%(BTXの抽出不能分)×ガソリン基材として使用するラフィネート等の比重/原料に供した改質油等の比重=控除数量

      (注)

      1. 1 数量については、いずれもリットル位未満の端数は切り捨てる。
      2. 2 ロにおけるBTXの混合割合の百分率は、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで算出する。



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