(1) 審査概況

東京国税局では、平成29年酒類鑑評会を開催し、出品された清酒、本格焼酎及びビール・発泡酒について、第1審を10月3日(火)及び4日(水)に、第2審については、本格焼酎部門は4日(水)、清酒吟醸部門、清酒純米吟醸部門、清酒燗酒部門及び清酒純米燗酒部門は、6日(金)に行いました。
 全体の出品状況は、清酒吟醸部門に30場53点、清酒純米吟醸部門に31場31点、清酒燗酒部門に23場23点、清酒純米燗酒部門に32場32点、本格焼酎部門に10場23点及びビール・発泡酒部門に20場44点の出品がありました。
 審査は部門別に、酒類の品質評価に十分な経験及び能力を有するとともに、製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を有する者10から13名の審査員により、採点法及び特性の指摘によって、味、香り及び香味の調和について、慎重かつ厳正に評価しました。
 その結果、清酒吟醸部門11場、清酒純米吟醸部門12場、清酒燗酒部門9場、清酒純米燗酒部門12場及び本格焼酎部門4場を、優等賞受賞製造場として選定し、11月8日(水)に東京国税局にて表彰式を行いました。
 また、同日、酒類製造技術及び酒質の向上に資するため、全出品酒を公開する製造技術研究会を開催しました。

(2) 出品酒の酒質

各部門の出品酒における品質の総評は、以下のとおりです。

イ 清酒各部門

例年と比べて、酒造期の気候が温暖で気温の変動も大きかったため、醪管理に苦労があったと聞いております。また、原料米は、溶けにくい傾向にありました。

  • (イ) 清酒吟醸部門

    フルーティーな吟醸香と軽快な味わいが調和した吟醸酒が数多く出品されていました。

  • (ロ) 清酒純米吟醸部門

    すっきりとした甘さが感じられるものと味が豊かでふくらみがあるものの大きく2つの酒質があり、また、吟醸香の質や量もバラエティに富んでいました。

  • (ハ) 清酒燗酒部門

    辛口で軽快なものから味わい深い熟成したものまで、様々なタイプのものがあり、酒質の多様化が図られ、料理にあわせて楽しむことができる燗酒となっていました。

  • (ニ) 清酒純米燗酒部門

    なめらかな口あたりと米に由来する旨味が感じられ、温めることにより甘味と酸味が調和し、燗上がりする酒質に仕上がっていました。

ロ 本格焼酎部門

米、麦、甘藷及び酒粕の原料特性が香味に反映され、各原料と蒸留方法による特徴香が生かされた個性豊かな本格焼酎となっていました。

ハ ビール・発泡酒部門

消費者の嗜好の多様化やクラフトビールブームの影響を反映し、様々なスタイルのビール・発泡酒が出品されていました。いずれの出品酒も商品コンセプトが明確に表れた良質で個性豊かなビール・発泡酒となっており、近年の品質向上がうかがえました。


平成29年酒類鑑評会の結果について

  1. 1 鑑評会の開催目的等
  2. 2 出品状況
  3. 3 優等賞受賞製造場一覧
  4. 4 審査概況と出品酒の酒質
  5. 5 審査員
  6. 6 Tokyo Regional Sake Awards 2017(in English)