1 甲は、その有する不動産の管理、運用及び処分を目的として、甲の唯一の相続人(養子)である乙(以下「乙」といいます。)が代表取締役を務めるX社との間で、甲を委託者兼受益者、X社を受託者とし、建物、宅地(以下、建物と併せて「本件不動産」といいます。)及び金銭を信託財産とする信託契約(以下「本件信託契約」といいます。)を締結しました(以下、本件信託契約に係る信託を「本件信託」といいます。)。
2 本件信託契約の概要は以下のとおりです。
3 ところで、このような契約関係を前提として、次のケースTないしVの事実関係の下、本件受益権を取得した乙が、本件信託契約が終了したことにより受ける本件不動産に係る所有権の移転登記については、いずれも登録免許税法第7条《信託財産の登記等の課税の特例》第2項の規定(以下「本件特例」といいます。)が適用され、相続による所有権の移転の登記とみなして登録免許税が課されると解してよいか、照会します。
1 登録免許税法第7条第2項は、「信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合」(以下「要件」といいます。)であって、「当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合」(以下「要件」といいます。)において、「当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(……)であるとき」(以下「要件」といいます。)と規定していることから、本件特例の適用に当たっては、これらの要件を満たす必要があると考えられます。
2 そして、今回照会したいずれのケースにおいても、本件信託の信託財産である本件不動産を受託者から受益者に移す場合を照会の対象としていることから、要件を満たすところ、次のとおり、乙が受ける本件不動産に係る所有権の移転登記については、要件及びをも満たすことから、本件特例が適用され、相続による所有権の移転登記とみなして登録免許税が課されると解されます。