別紙

1 事前照会の趣旨及び事前照会に係る取引等の事実関係

当連合会は、中小企業等協同組合法に基づき共済事業を行う協同組合連合会であり、当連合会及びその会員組合において数種類の共済(以下「本件共済」といいます。)を販売しています。
本件共済は、随時加入を募集しており、共済期間を1年とする原則掛捨ての共済であり、共済掛金は年払い(年1回払)又は月払い(毎月支払)のいずれかの方法により払い込まれます。また、本件共済は、いずれも複数の保障内容を有する主契約及び特約により構成されていることから、その保障内容ごとに掛金の額を算定し、その掛金の額についてそれぞれの保障内容に応じた保険区分(新生命保険契約等、介護保険契約等又はいずれにも該当しない契約の区分をいい、以下同じです。)に基づいて、所得税法第76条《生命保険料控除》の規定を適用しているところです。
また、共済事業に差益が生じた場合、本件共済のうち一定のものについては、共済契約者に剰余金(以下「本件剰余金」といいます。)を支払うこととしています。本件剰余金の計算は、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間(以下「本件対象期間」といいます。)を対象としており、本件対象期間中に支払われた本件共済に係る掛金を基に本件剰余金の額を計算し、おおむね6〜7月頃に支払っています。
ところで、本件共済の共済期間がX年に開始した場合において、

(@) 掛金の支払を年払い(X年に一括払い)とし、翌年(X+1年)の共済期間終了時に本件共済に係る契約(以下「本件共済契約」といいます。)を更新せずに本件共済契約が終了したとき(共済契約の種類を変更した場合を含み、以下同じです。)

(A) 掛金の支払を月払いとし、その年中(X年中)に本件共済契約を中途解約したとき(例えば、共済期間をX年3月1日から1年間とするものについてX年12月31日までに解約したもの)

には、共済契約者に本件剰余金の支払が行われる年(X+1年)において、本件共済契約に係る掛金の払込みはありません。
一方、本件剰余金の支払を受けた年(X+1年)に本件共済契約に係る掛金の払込みがない場合でも、他の共済契約や生命保険会社等と締結した生命保険契約があり、これらの契約に係る新生命保険料又は介護医療保険料の支払がある場合には、生命保険料控除額の計算上、それぞれの保険料の額から本件剰余金を含む剰余金等の額を控除しなければならないため(所基通76-6)、本件剰余金がいずれの保険区分に属するものか区分計算をする必要があります。
この剰余金等の区分計算については、その年中に支払った保険区分ごとの保険料等の金額に基づき計算することとされていますが(所法761一イ・2一、所令208の5)、本件共済契約のうち上記(@)及び(A)のようなケースにおいては、本件剰余金の支払を受ける年中に払い込む掛金がなく、これをどのように計算すべきか明らかではありません。
そこで、このように剰余金等の区分計算の基となる掛金の支払がない年においては、本件剰余金の額の計算期間である本件対象期間中に払い込んだ掛金の額を基に、所得税法施行令第208条の5の規定に準じて計算することとして差し支えないか照会します。

<イメージ図>
4月1日×年本件対象期間共済掛け金の払い込み3月31日6〜7月×+1年本件余剰金の支払い

2 事前照会者の求める見解となることの理由

生命保険料控除額の計算に当たり、剰余金の分配や割戻金の割戻しを受け、又はそれらをもって保険料等の払込みに充てた場合には、その年中に支払った保険料等の金額から控除すべき剰余金等の額について、所得税法施行令第208条の5に計算方法が規定されており、次のとおり計算することとされています。また、この計算方法は、介護医療保険料の金額から控除すべき剰余金等の額についても準用されています(所法761一イ・2一、所令208の5)。
なお、新生命保険料の金額からは新生命保険契約等に係る剰余金等の額を、介護医療保険料の金額からは介護医療保険契約等に係る剰余金等の額を控除することになります(所基通76-6(注))。

控除すべき剰余金等の額=(その年において新生命・介護医療保険料契約等に基づき分配を受けた剰余金等の額+新生命・介護医療保険料契約等に基づき分配を受けた剰余金等をもって新生命・介護医療保険料等の払込みに充てた合計金額)×新生命・介護医療保険料の金額÷年中に支払った新生命・介護医療保険料等の合計金額

上記計算方法のとおり、新生命保険料又は介護医療保険料の金額から控除すべき剰余金等の額は、剰余金等が生じた新生命保険契約等(又は介護医療保険契約等)ごとにその年中に支払った新生命保険契約等(又は介護医療保険契約等)に係る保険料等及び新生命保険料(又は介護医療保険料)の金額を基に計算することとされていますので、本件共済契約に基づき本件剰余金の支払を受ける場合において、その年(X+1年)に本件共済契約に係る掛金の払込みがない場合には、上記計算方法による計算ができないこととなります。
しかし、本件剰余金の支払を受けた年(X+1年)に本件共済契約に係る掛金の払込みがない場合でも、他の共済契約や生命保険会社等と締結した生命保険契約があり、これらの契約に係る新生命保険料又は介護医療保険料の支払がある場合には、それぞれの保険料の金額から本件剰余金を含む剰余金等の額を控除して生命保険料控除額を計算しなければならないことから(所基通76-6)、本件剰余金についても、本件共済契約の保障内容に応じた保険区分ごとの掛金の額に基づき、いずれの保険区分に属するものであるか区分計算をする必要があります。

本件共済掛け金新生命保険料介護保険料上記以外のもの控除対象外控除すべき金額(Xぷらす1年の新生命保険料の金額から控除)(Xぷらす1年の介護保険料の金額から控除)(生命保険料控除額の計算対象外)

そこで、本件共済契約に基づき本件剰余金の支払を受ける年(X+1年)において本件共済契約に係る掛金の払込みがない場合には、次のとおり、所得税法施行令第208条の5の規定に準じて、本件剰余金の額の計算期間である本件対象期間中に払い込んだ掛金の額を基にして、その掛金の額の合計額のうち新生命保険料の金額又は介護医療保険料の金額の占める割合に基づき計算した金額を、それぞれの保険料の金額から控除すべき剰余金等の額としても差し支えないものと考えます。

※ 本件剰余金は、掛金の払込みに充てられることはありません。

控除すべき余剰金額等の額イコールその年において本件共済契約に基づいた支払を受けた本件余剰金額の額分の本件対象期間中に払い込んだ本件共済契約に係る掛け金の額の合計額分の本件ん対象期間中に払い込んだ本件共済契約に係る掛け金の額の合計額のうち新生命保険料の金額(又は介護保険料の金額)

○ 国税庁文書回答税目別検索