別紙

1 照会の趣旨

 横浜市では、平成21年10月から「ヨコハマいきいきポイント(横浜市介護支援ボランティアポイント事業)」(以下「本件事業」といいます。)を実施しています。
本件事業は、65歳以上の横浜市民が、介護施設等においてボランティア活動を行った場合にポイントを付与され、そのポイントを換金又は寄附できる仕組みであり、介護保険制度の地域支援事業のうちの介護予防事業として、ボランティア活動を行う本人(以下「ボランティア対象者」といいます。)の健康増進、介護予防並びに社会参加及び地域貢献を通じた生きがいづくりを第一義的な目的として実施しているものです。
貯まったポイントは、ボランティア対象者からの申請を受けて換金又は換金額相当分をボランティア対象者の指定する団体へ寄附することとしています。
つきましては、ボランティア対象者に支払う金銭及びボランティア対象者が寄附を選択した場合の換金額相当分については、本件事業の趣旨及び換金上限額等からみて、所得税の課税の対象としない取扱いとしてよろしいか、お伺いします。

2 照会に係る取引等の事実関係

 ヨコハマいきいきポイントの概要
(横浜市介護支援ボランティアポイント事業(ヨコハマいきいきポイント)実施要綱)

(1) 趣旨・目的
本件事業は、介護保険法第115条の44第1項に規定する地域支援事業における介護予防事業として、高齢者自らの介護予防、生きがいづくり、社会参加活動を推進することを目的として実施するものです。

(2) 基本方針
 本件事業の対象となる事業及びボランティア活動は、次に掲げるものとします(注1)。

イ 横浜市長の指定を受けた受入機関(以下「受入機関」といいます。)で行う介護支援ボランティア活動
例)特別養護老人ホーム、老人保健施設、地域ケアプラザ等でのレクリエーションの指導・補助、入所者の話し相手等

ロ 高齢者を対象として定期的に行う配食・会食サービス
 例)地域ケアプラザ、自治会・町内会館等での高齢者を対象に定期的に行う食事の調理・提供

ハ 区役所が実施する介護予防事業
 例)区役所が実施する脳力向上プログラム等の補助

(3) 対象者
65歳以上の横浜市民(介護保険の第1号被保険者)であって、横浜市の実施する研修を受講した者

(4) ポイント及び換金
ポイントの付与基準は、30分以上のボランティア活動又は(3)の研修への参加1回につき200ポイントです(ボランティア対象者が報酬や謝礼を受け取っていない場合に限ります。)(注2)。ポイント付与の上限はありませんが、換金可能なポイント(以下「換金対象ポイント」といいます。)は、年間(暦年)8,000ポイントを上限とします(注3)。なお、ポイントを第3者へ譲渡することはできません。

(5) 換金方法
換金対象ポイントはボランティア対象者からの申請に基づき、横浜市でボランティア対象者に介護保険料の未納がないことを確認し(未納がある場合、換金されません。)、交付決定の通知をした上で、1ポイント1円で換金し、横浜市から現金を口座振込により支払います。申請の時期は横浜市介護支援ボランティアポイント事業(ヨコハマいきいきポイント)実施要綱上、特に定めていませんが、原則として年間の換金対象ポイントについて翌年以降に申請を受け、年度末に口座振込することとしています。それ以外の時期(転居による資格喪失など例外的な場合)に申請を受けた場合は、手続が済み次第口座振込することとしています。
なお、その年に換金しなかった換金対象ポイントは、翌年まで効力を有します(換金期限は翌年度末までとなります。)。年間の換金上限は8,000ポイントとし(注3)、前年からの繰越しにより換金対象ポイントが8,000ポイント以上ある場合は、古いポイントから換金したものとみなし、残った換金対象ポイントは翌年に繰り越します(換金対象ポイントの有効期限は変わりません。)。

(6) 寄附
換金対象ポイントは換金に代えて寄附を選択することができます。この場合も1ポイント1円となります。寄附を選択される際は、ボランティア対象者には、横浜市介護支援ボランティアポイント転換交付金交付申請書において、換金可能ポイントの全額又は一部の寄附を希望する旨及び寄附先を記載していただきます。寄附を選択された場合、横浜市から寄附先の施設にロ座振込し、換金対象ポイントの換金分の寄附である旨を寄附先の施設へ連絡します。
寄附が選択された場合でも、横浜市の会計処理は、換金対象ポイントの換金となります。

(注)

  • 1 平成22年9月までは、(2)イのみとなります。
  • 2 平成22年9月までは、2時間未満の活動につき100ポイント、2時間以上の活動又は市が指定する研修会への参加につき200ポイントとなります。
  • 3 平成21年度(平成21年10月〜22年3月)のみ換金対象ポイントの上限は年度で8,000ポイントとなり、換金上限も年度で計算します。

3 照会者の求める見解となることの理由

 ポイントは、報酬や謝礼を受け取っていない場合に限り付与され、換金は1日200ポイント(200円)、年間8,000ポイント(8,000円)を上限としていますので、この換金分については活動場所への交通費や活動に係る経費の一部に充てられているものと考えています。そして、本件事業の趣旨を踏まえれば、本件事業でボランティア対象者に支払われる金銭については、所得税の課税の対象としない取扱いとすることができるのではないかと考えています。
なお、ボランティア対象者がポイントの換金に代えて寄附を選択した場合は、横浜市がボランティア対象者に代わって換金額相当分を寄附したものと考えられますので、当該換金額相当分はボランティア対象者の収入と認識すべきものですが、上記と同様に所得税の課税の対象としない取扱いとすることができるのではないかと考えています。

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