別紙
  1. 1 照会の趣旨
     当社会福祉法人が塩釜市から委託を受けて行っている「塩竃市いきいきシルバー号運行業務」(以下「本件業務」という。)は、社会福祉事業には該当しないが、平成3年6月7日厚生省告示第129号通知に該当する事業と考えられ、費用の2分の1以上を塩釜市により負担されていることから、同市から収受する委託料は、社会福祉事業に類する事業として消費税法上非課税として取り扱ってよろしいか。
  2. 2 事前照会に係る取引等の事実関係
     本件業務は、厚生労働省から発出されている平成13年5月25日老発第213号「介護予防・生活支援事業実施要綱」に基づく「高齢者等の生活支援事業」の「外出支援サービス事業」である。
      同要綱の外出支援サービス事業の実施方法及び利用対象者は次のとおりであり、本件業務は、この実施方法・利用対象者にそって行われているものである。
    1. (1)実施方法
      1.  a 移送用車輌(リフト付車輌及びストレッチャー装着ワゴン車等)により利用者の居宅と在宅福祉サービスや介護予防・生きがい活動支援事業を提供する場所、医療機関等との間を送迎する。
      2.  b ショッピングセンター等での移動支援のための拠点を整備し、各種情報の提供や電動スクーター、車いすの貸出等を行う。
    2. (2)利用対象者
      1.  a おおむね65歳以上の高齢者であって、一般の交通機関を利用することが困難なもの。
      2.  b おおむね60歳以上の高齢者であって、下肢が不自由なもの。
  3.   なお、本件業務において利用者からの利用料等の負担はなく、運営費用の全てが塩釜市からの委託料によって賄われている。
  4. 3 税務上の取扱い
  5.    消費税法第6条は、「国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。」と規定し、同法別表第一第7号ロは、「社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業及び更生保護事業法第2条第1項に規定する更生保護事業として行われる資産の譲渡等」と、また、同号ハは、「ロに掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの」と規定している。
     そして、消費税法施行令第14条の3は、「法別表第一第7号ハに規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。」として、第5号で、「前各号に掲げるもののほか、・・・老人福祉法第5条の2第1項に規定する老人居宅生活支援事業、・・・その他これらに類する事業として行われる資産の譲渡等のうち、国又は地方公共団体の施策に基づきその要する費用が国又は地方公共団体により負担されるものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して指定するもの」と規定している。
     上記指定については、平成3年6月7日厚生省告示第129号により、「次に掲げる事業のうち、その要する費用の2分の1以上が国又は地方公共団体により負担される事業として行われる資産の譲渡等」と定められており、その第1号には、「・・・、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障のある65歳以上の者(65歳未満であって特に必要があると認められる者を含む。)若しくはその者を現に養護する者、・・・に対して行う次に掲げる事業」として、「イ 居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与する事業、ロ 施設に通わせ、入浴、食事の提供、機能訓練、介護方法の指導その他の便宜を供与する事業、ハ 居宅において介護を受けることが一時的に困難になった者を、施設に短期間入所させ、養護する事業」であると定めている。
     したがって、上記告示に定める事業は、消費税法別表第一第7号ロに規定する社会福祉事業等には該当しないものの、その要する費用の2分の1以上が国又は地方公共団体により負担される場合には、消費税法別表第一第7号ハの「社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に類するもの」に該当し、消費税は非課税とされることになる。
     ところで、本件業務は、厚生労働省から発出されている平成13年5月25日発老第213号「介護予防・生活支援事業の実施について」において定められている「介護予防・生活支援事業実施要綱」に基づく「高齢者等の生活支援事業」の「外出支援サービス事業」として、同要綱の実施方法に沿って運営され、費用の 2分の1以上が地方公共団体により負担されていることから、上記厚生省告示第129号の第1号に定める事業に該当すると考えられ、消費税は非課税と判断される。
      なお、高齢者等の生活支援事業の外出支援サービス事業について、「要綱にしたがった事業内容と対象者であれば非課税」とする出版物も存在する。