大阪市においては、「大阪市塾代助成事業」(以下「本件助成事業」という。)を平成24年9月から西成区において試行実施しており、平成25年12月から全市域において実施することとしている。
 本件助成事業は、大阪市塾代助成事業実施要綱に基づき、大阪市立中学校、大阪市立特別支援学校中学部又は大阪府立特別支援学校中学部に通学している生徒の保護者で、大阪市児童生徒就学援助制度又は生活保護法第13条による教育扶助の認定を受けている者に対し、事前に登録を受けた参画事業者が提供する学校外教育サービス(学習塾や文化・スポーツ教室)を利用した場合に、そのサービス対価の全部又は一部の支払に代えて利用することができるバウチャー(1か月当たり1万円を限度に使用できる利用券をいう。)を交付申請に基づき交付するものである。
 本件助成事業における学習塾や文化・スポーツ教室が提供する学校外教育サービスの対価として利用されるバウチャーについては、所得税法上、学資に充てるため給付される金品として非課税所得に該当するものとして取り扱ってよろしいか。

本件助成事業の実施内容は以下のとおりである。

(1) 本件助成事業は、大阪市塾代助成事業実施要綱に基づく交付申請により、大阪市が認定した生徒の保護者に対し、参画事業者が提供する学校外教育サービスを利用することができるバウチャーを交付するものである。

(2) バウチャーの交付申請は、申請書及び必要書類を大阪市に提出することにより行う。

(3) 大阪市が、申請書を審査の上適当と認めた者に対し、バウチャーを交付する。

(4) 利用生徒は、事前に登録を受けている参画事業者で学校外教育サービスを受け、そのサービス対価をバウチャーで支払う。

(5) 参画事業者は、生徒から受け取ったバウチャーの額の9割に相当する額について大阪市に請求を行う。

(6) 参画事業者からの請求に基づき、大阪市は、請求金額が適正であると認められる場合は、毎月1回、参画事業者に対して、その費用を支払う。

(7) バウチャーの1か月当たりの使用上限額は1万円で、当該月以外は使用不可(ただし、12月と1月は2か月間で2万円を限度として使用可能)

(8) バウチャーの交付を受けた保護者又は生徒が、偽りその他不正の行為によって学校外教育サービスを利用し、既に参画事業者がその費用の支払を受けていた場合、当該保護者はその費用を大阪市に返還しなければならない。

所得税法上、学資に充てるため給付される金品は、給与その他対価の性質を有するものを除いて非課税所得とされている(所法91十五)。
 「学資」とは、学術等を習得するための費用であると解されるところ、本件助成事業におけるバウチャーは、大阪市塾代助成事業実施要綱に規定する、次のいずれかに該当する学校外教育サービスの費用に充てるものであるため、バウチャーは、学資に充てるため給付される金品として非課税所得に該当する。

(1) 人を集めて学習指導等を行う形態により、補習又は進学指導を行う学習塾のプログラム

(2) けいこごとや練習の指導を行う文化・スポーツ教室のプログラムで、小学校・中学校の学習指導要領で取り扱われている種目・分野に関するもの及び、それに準じると市長が認めるもの(※)

※ 市長が認める文化・スポーツ教室の参画事業者については、大阪市が教育や指導内容を審査の上、小学校・中学校の学習指導要領で取り扱われているもの又は大阪市立中学校の文化部及び運動部活動の種目にあるものを登録する。