1. 別紙1−1
  2. 【事前照会の目的】
  3. 今回当社は、「投資一任契約」に係る業務の認可を受け、その業務を開始しました。
    つきましては当該業務に関連して発生する税務上の問題について、顧客からの税務 上の質疑が想定されますので、これらに対する正しい説明責任を果たし、併せて株式 等の譲渡等に関する申告納税制度の適正な実現に寄与するとともに、新システムに導 入することを目的とするものであります。
     本件における投資一任契約の概要は、別紙1−2の「事前照会に係る取引等の事実 関係」に記載のとおりであり、これに係る税務上の取扱い等に関する問題点及び見解 の内容は以下に述べるとおりであります。
     以上につきまして問題がないかご教示お願い申し上げます。
  4. 【想定される問題点】
  5. 投資一任口座における株取引の利益又は損失は、顧客である個人にとっては所得税 法上の所得金額であり、租税特別措置法に規定する株式等の譲渡所得等に該当するも のであります。
  6. 1 所得区分等について
    投資一任契約に係る成果である所得の種類は、株式等の譲渡等による所得であり、 租税特別措置法通達(譲渡所得・山林所得関係)(以下「措置法通達」という。)37の 10−2(株式等の譲渡に係る所得区分)の規定に照らし合わせその所得区分は事業 所得又は雑所得に該当すると考えます。
     また、その所得の総収入金額に計上すべき時期については、当該投資一任契約の 内容が、株式等の譲渡であることから、措置法通達37の10−1(株式等に係る譲渡 所得等の総収入金額の収入すべき時期)の規定により、株式等の引渡しがあった日 (選択により契約の効力発生の日)と考えます。
  7. 2 必要経費について
    投資一任契約に係る所得の計算に際し、収入金額及び取得費については、当社に おいて計算の上報告書を提供することにより確認できますが、そのほかに当該収入 金額を得るために直接要する費用として固定報酬及び成功報酬があります。
    これらについては収入金額を得るために直接必要な費用に該当するものと認めら れますので、所得税法第37条第1項の規定に照らし合わせ必要経費として控除でき るものと考えます。
  8. 3 固定報酬及び成功報酬の必要経費算入時期について
    投資一任契約の期間は1年間となっており、かつ、契約期間満了時までは原則と して契約資産の一部出金は不可となっておりますので、固定報酬及び成功報酬の必 要経費算入時期については、所得税基本通達37−2(必要経費に算入すべき費用の 債務確定の判定)の規定に照らし合わせ次の方法により対処します。
    なお、年をまたがった期間については、最初の年分は契約期間の初日から当該年 の最後の日である12月31日まで(以下「当年分」という。)とし、次年分は次年の1月 1日から契約満了の日まで(以下「次年分」という。)とします。
  9. (1)固定報酬
    契約当初に支払われる固定報酬額は、契約資産を基準として計算されるもので ありますが、契約解除の際は当該報酬額の残期間に相当する金額については返還 することとなっていますので、当該報酬額を期間按分して算出した金額のうち当 年の期間に対応する金額を当年分の経費とします。
  10. (2)成功報酬
    成功報酬額については、契約期間満了時に当該契約期間の成果である純利益に 対し一定の割合を乗じて計算した金額に相当する額であることから、当該期間の 満了時に当該金額が確定するものであり期間の中途である当年分の末日時点にお いては、1当該債務は発生していないこと、 2債務の金額を合理的に算定するこ とができないことから、当年分の必要経費に該当するものではなく、契約期間満 了時(次年分)の必要経費とします。
  1. 別紙1−2
  2. 【投資一任契約の概要】
  3.  当社は「証券取引法」第28条の規定に基づいて証券業の登録を受けて証券業を営むものであります。
    今回認可を受けた投資一任契約に係る業務とは「有価証券に係る投資顧問業の規制 等に関する法律」第2条第4項に規定する「投資一任契約」に基づく業務です。
    当該業務と証券業との関係は、全く別個の業務であり、所属部門及び所在地も別ビ ルに本拠を置くほか人員の交流も厳しく遮断することとしております。
    本件における投資一任契約の内容を項目別に掲げますと次のとおりです。
  4. 1 取引の名義 投資顧問業者は、顧客から投資資金の運用として有価証券の投資を一任されるとともに、当該顧客のため顧客の名義で投資を行うものである。
    株式に係る配当等の権利は当該顧客が有する。
    証券は証券保管振替機構に預託する。
    2 有価証券 現物取引のみである。
    株式は単元株単位で取得する。
    3 契約期間 1年間。
    初回契約時のみ1年応当日の属する月の末日までの契約。
    運用開始日は契約時に取り決める。
    4 契約解除 1ヶ月前までに所定の契約解除届を提出することにより契約解除ができる。
    5 出金 契約期間中は出金に応じない。
    6 運用方法 個別運用である。
    7 特定口座 特定口座は取り扱わない。
    8 運用報告 6ヶ月に1度以上運用報告書を発送する。
    9 固定報酬 契約当初において契約資産を基準として算出した金額を受け取る。
    中途で契約解除があった場合、解約以後の残期間(月期割)に相当する金額は返還する。
    (料率)
    投資資金の額料率
    1億円までの部分・・・ 2.10%(税抜2%)
    1億円を超え、5億円までの部分・・・ 1.05%(税抜1%)
    5億円を超える部分(10億円以上は、別途協議の上決定)・・・ 0.525%(税抜0.5%)
    10 成功報酬 契約満了時に次の算式によって計算した金額を受け取る。
    (算式)
    契約期間の純利益(契約満了(解約)時純資産額(固定報酬徴収後現金残高) - 契約資産額)× 21%(税込)
  5. 別紙1−3
  6. 【想定される問題点の見解の理由】
  7. 別紙1−1【想定される問題点】に記載のとおり。