令和6年10月31日
名古屋国税局
令和6年度名古屋国税局酒類鑑評会については、吟醸酒の部に46製造場(46点)、純米吟醸酒の部に60製造場(60点)、燗酒の部に58製造場(106点)の合計68製造場(212点)からの出品があり、下記のとおり、慎重かつ厳正な品質評価の結果、各部門で最も優秀な成績のものを「名古屋国税局長賞」として選出し、その他成績が良かった吟醸酒の部の17製造場(17点)、純米吟醸酒の部の18製造場(18点)及び燗酒の部の22製造場(28点)を「優等賞」に選出しました。
管内清酒の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促し、管内酒類の品質向上を図ることをもって酒類業の健全な発達に資することを目的としています。
吟醸酒、純米吟醸酒及び燗酒の3部門で実施しました。
令和5酒造年度に自己の製造場で製造した吟醸酒及び大吟醸酒を評価対象としました。
令和5酒造年度に自己の製造場で製造した純米吟醸酒及び純米大吟醸酒を評価対象としました。
自己の製造場で製造した清酒を評価対象としました。
令和6年 | 9月17日(火):吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部(予審) |
9月18日(水):燗酒の部(予審) | |
9月20日(金):吟醸酒の部、純米吟醸酒の部及び燗酒の部(決審) |
清酒のきき酒に精通した、当局管内4県の公設試験研究機関職員、独立行政法人酒類総合研究所職員、学識経験者、酒造・卸酒販・小売酒販の各組合から推薦を受けた者及び鑑定官室職員で品質評価を行いました。
評価員の構成等については、「令和6年名古屋国税局酒類鑑評会品質評価員名簿」(PDFファイル/169KB)のとおりです。
吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部については、近年、使用する酵母が多様化していることを踏まえ、伝統型酵母(注)を使用したものとその他の酵母を使用したものとに分けて、18〜20℃で品質評価を行いました。
燗酒の部については、45℃の温度帯で品質評価を行いました。
(注) | 伝統型酵母 |
現在では吟醸香を高生産する酵母が開発され、鑑評会で使用される酵母の主流となっていますが、それらの酵母が開発される以前から吟醸酒に使用されていた型の清酒醸造用優良酵母を表します。 現在主流の吟醸酒が、華やかなリンゴ様の香りを主体とした上品な味であるのに対し、伝統型酵母を用いた吟醸酒は、落ち着いたバナナ様の香りであり、後味の残らないまろやかな味になり、特徴が大きく違うことから分けて品質評価しています。 |
吟醸酒の部については、果物様のさわやかな香りと、軽快ですっきりとした味わいがあり、清涼感が感じられました。
純米吟醸酒の部については、心地のよい果実香と米由来の上品な甘味や旨味が感じられる、香味のバランスが絶妙な仕上がりでした。
燗酒の部については、お燗による味幅や飲みごたえを感じつつも、口当たりがよく、飲み飽きしない酒質のものが多く見られました。
昨年は8月から9月にかけて記録的な高温であったため、原料米の身がしまって硬くなり、溶けにくい傾向でした。
また、吟醸造りが盛んな1月から2月にかけての気候は、寒気の影響が弱く、温かい空気により気温が高めに推移したため、原料処理やもろみ管理には例年以上の調整が必要でした。そのような状況から、酒造には大変難しい年となりましたが、造り手の皆様が持てる技術を遺憾なく発揮され、非常に良質な出品酒が多くみられました。
岐阜県 | 静岡県 | 愛知県 | 三重県 | 合計 | |||
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吟醸酒の部 | 出品場数 (出品点数) |
12 | 10 | 18 | 6 | 46 | |
(内)伝統型酵母 | 0 | 7 | 2 | 0 | 9 | ||
受賞場数 | 5 | 5 | 5 | 3 | 18 | ||
純米吟醸酒の部 | 出品場数 (出品点数) |
15 | 15 | 22 | 8 | 60 | |
(内)伝統型酵母 | 2 | 10 | 3 | 2 | 17 | ||
受賞場数 | 2 | 5 | 6 | 6 | 19 | ||
燗酒の部 | 出品場数 | 16 | 14 | 20 | 8 | 58 | |
出品点数 | 29 | 26 | 37 | 14 | 106 | ||
受賞場数 | 7 | 8 | 4 | 4 | 23 | ||
計 | 出品場数 | 18 | 17 | 23 | 10 | 68 | |
出品点数 | 56 | 51 | 77 | 28 | 212 | ||
受賞場数 | 8 | 12 | 12 | 7 | 39 |
(注) 出品点数は、吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部については1場当たり1点まで、燗酒の部については1場当たり2点です。