令和4年11月8日
名古屋国税局

令和4年度名古屋国税局酒類鑑評会については、吟醸酒の部に47製造場(47点)、純米吟醸酒の部に63製造場(63点)、燗酒の部に66製造場(117点)の合計75製造場(227点)からの出品があり、下記のとおり、慎重かつ厳正な品質評価の結果、各部門で最も優秀な成績のものを「名古屋国税局長賞」として選出し、また、名古屋国税局長賞以外で成績が良かった吟醸酒の部の17製造場(17点)、純米吟醸酒の部の24製造場(24点)及び燗酒の部の23製造場(27点)を「優等賞」に選出しました。

1 酒類鑑評会の目的

管内清酒の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促し、管内酒類の品質向上を図ることをもって酒類業の健全な発達に資することを目的としています。

2 部門

吟醸酒、純米吟醸酒及び燗酒の3部門で実施しました。

(1) 吟醸酒の部

令和3酒造年度に自己の製造場で製造した吟醸酒及び大吟醸酒を評価対象としました。

(2) 純米吟醸酒の部

令和3酒造年度に自己の製造場で製造した純米吟醸酒及び純米大吟醸酒を評価対象としました。

(3) 燗酒の部

自己の製造場で製造した清酒を評価対象としました。

3 品質評価

(1) 品質評価日程

令和4年 9月26日(月)、9月27日(火):吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部
  9月28日(水)、9月30日(金):燗酒の部

(2) 品質評価員

清酒のきき酒に精通した、当局管内4県の公設試験研究機関職員、独立行政法人酒類総合研究所職員、学識経験者、酒造・卸酒販・小売酒販の各組合から推薦を受けた者及び鑑定官室職員で品質評価を行いました。

 なお、品質評価員の人数は、延べ40名でした。

(3) 評価方法

吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部については、近年、使用する酵母が多様化していることを踏まえ、伝統型酵母(注)を使用したものとその他の酵母を使用したものとに分けて、18〜20℃で品質評価を行いました。
 燗酒の部については、45℃の温度帯で品質評価を行いました。

(注)  伝統型酵母
 現在では吟醸香を高生産する酵母が開発され、鑑評会で使用される酵母の主流となっていますが、それらの酵母が開発される以前から吟醸酒に使用されていた型の清酒醸造用優良酵母を表します。
 現在主流の吟醸酒が、華やかなリンゴ様の香りを主体とした上品な味であるのに対し、伝統型酵母を用いた吟醸酒は、落ち着いたバナナ様の香りであり、後味の残らないまろやかな味になり、特徴が大きく違うことから分けて品質評価しています。

(4) 評価の概要

吟醸酒の部については、果実様の香りが高く、味わい豊かでキレも良く、香味のバランスの良い仕上がりとなっていました。
 純米吟醸酒の部については、上品な香りで、綺麗な味のものから、米の旨味が豊かに感じられるものまで、味わいの多様性が感じられました。
 燗酒の部については、お燗にすることで、米の旨味を感じつつも、キレがよく、飲み飽きすることのない酒質のものが多く見られました。
 昨年は登熟期のうち8月が平年よりやや冷涼であったため、原料米が軟らかく、醪で溶けて清酒の味がやや乗りやすい傾向でした。味が乗った清酒は熟成が進みやすい傾向にありますが、これまでに蓄積された技術により、適切な貯蔵管理が取られ、非常に良質な出品酒が多くみられました。

4 各県出品状況及び入賞状況

  岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 合計
吟醸酒の部 出品場数
(出品点数)
9 12 20 6 47
  (内)伝統型酵母 0 8 2 0 10
受賞場数 2 6 7 3 18
純米吟醸酒の部 出品場数
(出品点数)
18 16 20 9 63
  (内)伝統型酵母 3 13 1 3 20
受賞場数 7 6 7 5 25
燗酒の部 出品場数 16 18 21 11 66
出品点数 27 31 39 20 117
受賞場数 6 5 6 6 23
出品場数 20 18 24 13 75
受賞場数 12 11 12 8 43

(注) 出品点数は、吟醸酒の部及び純米吟醸酒の部については1場当たり1点まで、燗酒の部については1場当たり2点です。

5 名古屋国税局長賞及び優等賞受賞者

「令和4年度名古屋国税局酒類鑑評会優等賞受賞者名簿」(PDFファイル/178KB)のとおり