平成16年4月19日

名古屋国税局
 課税第一部
 審理官  殿

国際ロータリー第2760地区2005国際博委員会
委員長    内藤明人

別紙

時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 この度、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)が愛知県(瀬戸市、長久手町、豊田市)において「自然の叡智」をテーマに開催されます。国際ロータリー第2760地区国際博委員会(以下「2005国際博委員会」という。)は、このテーマが社会奉仕活動のうちの環境保全への協力を奨励しているロータリーの理念に合致するところから、ロータリー館(友愛の家)を出展し、国際博覧会に協賛することに致しました。また、この2005年はロータリー創立100周年の年にあたり、この出展はその記念事業のひとつでもあります。
 このロータリー館は、ロータリークラブ100年のこれまでの活動を紹介すると共に、各ロータリークラブの例会をはじめ、行催事の開催をとおして来訪のロータリアンとその家族、ゲストを歓迎し、国際親善を果たす施設として利用されます。また、ロータリークラブで使用しないときは、博覧会協会が国内外の経済、文化など民間のVIPに対してのレセプション機能を果たす施設として活用されます。
 このようなロータリー館の建設・運営の費用として、2005国際博委員会はロータリークラブが全国のロータリアンから特別の会費として収受した資金の提供を受けています。しかし、これとは別に、ロータリアン及び企業に対し、2005国際博委員会の出展参加に対する協賛を求めることにしました。ついては、ロータリアン及び企業がこの2005国際博委員会の出展参加に対する協賛金について、税務上次のように取り扱って差し支えないかお伺い致します。

(税務上の取扱い)
ロータリークラブ会員及び企業が2005国際博委員会に支出する協賛金は、2005国際博委員会がその支出をした場合に、平成15年7月7日付「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)にかかる費用の税務上の取扱いについて」(回答)の別紙2「2 出展参加費用(2)」の税務上の取扱いによって、次のいずれかによる。
  1. 1 その支出額を2005年日本国際博覧会(以下「博覧会」という。)の開会日(平成17年3月25日)又は博覧会の閉会日(平成17年9月25日)の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
  2. 2 その支出額を博覧会の開催期間(185日間)を基礎として期間配分する。

別紙1

1 ロータリーの概要(設立から現状)
ロータリークラブは、1905年2月にシカゴで誕生しました。当時のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に耐えかね、友人 3人と語らって、互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは、集会を各自 の事務所持ち回りで順番に開くことから名づけられたものです。それから志を同じくするクラブが次々と各地に生まれ、今では世界166カ国の地域に広がり、クラブ数31,603クラブ、会員数1,211,723人に達しています。そして これら世界中のロータリークラブの連合体を、国際ロータリーと称します。
 このように、ロータリーとは、職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりです。その組織で地球の隅々にまで拡大するにつれて、世界に眼を開いて幅広い奉仕活動を求められるようになり、多大なプログラムを組み実施しています。
 そのうち大きなものには、「ポリオの撲滅運動」(1985年〜2005年 約10億ドル)「奨学事業」「新世代支援」「環境保全活動」等があり、その奉仕活動全体は数・量共に膨大(年間予算 約9千万ドル)なもので、 ロータリーを一口で言えば、国際的な奉仕団体と言えます。
 ロータリーの規律集である“手続要覧”の中で83Pに、特に関心の高い社会奉仕活動として“環境保全”をあげています。
 また、161Pの人道的国際プロジェクト、163Pのロータリーボランティア、平和プログラムなどのロータリー活動が、“自然の叡智”に通ずるものと思っております。
 具体的に、530運動(ゴミ零)、ノー・カー運動(自家用車を使用しない)、資源再利用運動(ペットボトル、古紙)、などさまざまな運動を展開しています。
 日本での最初のロータリークラブは、1920(大正9)年10月に創立された東京ロータリークラブで、1921年4月に国際ロータリーに加盟が承認されました。
 ロータリーの組織をつくり、ポール・ハリスの片腕として海外拡大に取り組んだ、初代事務総長チェスリー・ペリーと福島喜三次の情熱的な取り組みが、米山梅吉の東京ロータリーの設立、日本のロータリーの始まりとなりました。
 その後日本のロータリーは第二次世界大戦の波に洗われ国際ロータリーから脱退しますが、1949年再び復帰加盟しました。その後の拡大発展は目覚しく、クラブ数は2,323、会員数は106,391人となっています。
2 2005国際博委員会の出展参加
ロータリークラブは、2005年に「自然の叡智」をテーマに開催される2005年日本国際博覧会(愛・地球博)がロータリークラブの活動に通じることから、これに協賛し、2005国際博委員会を別に組織して、同委員会が出展参加することにいたしました。
 4年前(2000年)の発足時は、日本全体のロータリアンで取り組む予定でしたが、賛同が得られない為に規模を縮小して、愛知県(2760地区)内の80クラブ5,000人のロータリアンが主体となってロータリー館を建設・運営をすることとしたものです。
 現在、ロータリー館の建設が進んでおり、全国ロータリアンの協力を得て、ロータリークラブから160,000千円の負担金の資金調達を予定しています。また、これとは別に、ロータリークラブ会員及び企業から広く参加を 求め、これに応じた者から120,000千円の協賛金の資金調達を予定しています。 そこで、ロータリークラブ会員及び企業からの協賛金に対する税務上の取扱いを明確にするために今回の照会に至ったものです。
3 協賛金の必要金額
120,000千円をロータリークラブ会員及び企業の協賛により資金計画の目標額の達成を見込んでおります。なお、資金の管理・運営については2005国際博委員会にて行うことと致します。
4 協賛金の受付期間
平成16年8月1日から平成17年3月25日までとする。
 ただし、必要金額120,000千円を達成した場合は、期間を繰り上げて協賛金の受付を停止します。
 なお、協賛金の受付停止後に、協賛金の支出があった者については、当該協賛金を当該協賛者に返金します。
5 協賛金の使途
協賛金120,000千円は、ロータリー館(友愛の家)の建設費178,040千円に全額充当します。

別紙2

1 ロータリー館(友愛の家)の活動計画
  1. (1) ロータリー館は、ロータリークラブ100年の歩みをパネル展示し、クラブの活動を広く紹介するとともに、各ロータリークラブの例会を開催するなどして、万博に協賛することとしています。
  2. (2) ロータリー館は、日本国際博覧会協会の迎賓館の隣に位置し、同迎賓館の補充的役割も果たすこととしています。
  3. (3) 特に、2005年6月30日をロータリー・デーとして、ロータリークラブのイベントを企画しています。
2 「ロータリー館(友愛の家)」建設費及び運営費の資金計画明細
収入
ロータリークラブからの負担金 160,000千円  
ロータリークラブ会員及び企業からの協賛金 120,000千円 ※支出明細の「A)建設費」に充てる
合計 280,000千円  
支出
(A) 建設費 計 178,040千円
  建設工事費 152,290千円
  設計管理費 15,750千円
  什器備品費 10,000千円
(B) 撤去費 5,000千円
(C) 企画催事費 計 20,000千円
  ロータリーデー(2005年6月30日予定)企画中 15,000千円
  ロータリークラブ百年史パネル展示、他 5,000千円
(D) 事務管理費 計 64,800千円
  光熱費ほか (270日×6万円) 16,200千円
  人件費 (270日×6名×3万円) 48,800千円
(E) 準備中諸経費 12,160千円
 
  合計 280,000千円
  1. ※1 ロータリー館(友愛の家)は博覧会終了後取り壊すことになっています。
  2. ※2 資金が不足した場合は各ロータリークラブの会費から充当することを予定しています。
  3. ※3 各ロータリークラブの例会をロータリー館で行う予定をしていますが、会食等の費用は各会員の負担とし、上記支出予定の費用には含まれません。
  4. ※4 今回の協賛金支出者の氏名等を館内に表示します。

別紙3

ロータリー館施設概要
ロータリー館の館内は、左の概ね半分が管理棟、右半分がホール(集会場)となっています。管理棟は、ロータリーインターナショナル100周年の記念展示、メイキャップ受付等で構成されています。
◆構造 鉄骨造平屋建
◆面積 敷地面積 2,100平方メートル
建築面積 約762平方メートル
ホール床面積 約400平方メートル
◆施設内容 エントランスホール、ホール(集会場)、展示室、会議室、応接室、事務室 他
◆ホール収容人数 会議形式 約180人
椅子式 約400人
◆メイキャップ メイキャップは博覧会開催中随時受付。
  1. ※ メイキャップとは、別のロータリークラブの例会か標準ロータリークラブ定款第7条に規定する他の会合に出席すれば、自己の会員身分を守り、出席のクレジットを受けることができることを指します。 別のロータリークラブでメイキャップした場合、訪問先のクラブ幹事から「訪問ロータリアン報告用紙」にメイキャップの旨を記入され、所属クラブに送付されます。
  2. ※ 内部図
  3. 図