熊本国税局では、管内(熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)で製造された清酒及び本格焼酎の品質評価等を行い、その結果に基づき特に優秀な酒類製造技術を有すると認められた酒類製造者及び杜氏等製造責任者を顕彰することにより、酒類製造技術基盤の強化及び酒類の品質向上を図り、もって酒類業の健全な発達に資することを目的として、毎年、酒類鑑評会を開催しています。
熊本国税局管内で製造された清酒及び本格焼酎を対象に、次の部門等で実施しました。
なお、酒造年度とは7月1日から翌年6月30日の期間をいいます。
出品区分 | 特定名称 | 製造時期 | 1場あたり出品可能点数 |
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熊本酵母吟醸酒の部 | 吟醸酒 | 令和元酒造年度 | 各区分5点以内かつ 両区分合わせて6点以内 |
その他の吟醸酒の部 | |||
燗酒の部 | 問いません | 問いません | 問いません |
出品区分 | 原料区分 | 製造時期 | 1場あたり出品可能点数 |
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一般酒の部 | 甘藷 | 令和元酒造年度 | 原則として、各原料区分につき2点以内かつ全原料区分合わせて7点以内 |
米 | 平成31年1月以降 | ||
麦 | |||
黒糖 | |||
そば・その他 | |||
貯蔵酒の部 | - | 平成30年12月以前 | 問いません |
品質評価は、次の日程により熊本国税局鑑定官室において実施しました。
部門 | 清酒 | 本格焼酎 |
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予審 | 4月9日(木) | 2月20日(木)、21日(金)、 25日(火)及び26日(水) |
決審 | 4月14日(火) | 3月23日(月)及び24日(火) |
国税局鑑定官室員のほか、管内酒造技術指導機関職員、独立行政法人酒類総合研究所職員、学識経験者及び酒造組合から推薦を受けた者等に依頼して品質評価を行いました。
清酒部門は、予審14名、決審14名の品質評価員により実施しました。
本格焼酎部門の予審はA班(甘藷、黒糖)15名、B班(米、麦、そば・その他)15名の品質評価員で実施し、決審はA班11名、B班12名の品質評価員で実施しました。品質評価開催日における緊急事態宣言対象地域の方は含まれておりません。
品質評価は各区分及び本格焼酎部門においては、蒸留方法等ごとにランダムに並べ、品質評価員が評価する出品酒の製造者名等が分からない状態で、感染症拡大防止に配意した形で行いました。
予審は、原料及び発酵・蒸留・貯蔵工程に由来すると考えられる特徴を念頭に置いて評価しました。決審は、香・味・調和の優劣を評価しました。
品質評価の結果、成績が上位であった出品酒を優等賞としました。出品及び優等賞の状況は以下のとおりです。
部門 | 区分 | 出品 | 優等賞 | ||
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場数 | 点数 | 場数 | 点数 | ||
清酒 | 熊本酵母吟醸酒の部 | 17 | 70 | 6 | 8 |
その他の吟醸酒の部 | 12 | 37 | 4 | 10 | |
燗酒の部 | 7 | 9 | - | - | |
本格焼酎 | 甘藷 | 103 | 250 | 42 | 55 |
米 | 31 | 64 | 12 | 19 | |
麦 | 57 | 124 | 22 | 34 | |
黒糖 | 17 | 31 | 6 | 9 | |
そば・その他 | 8 | 11 | 3 | 3 | |
貯蔵酒の部 | 6 | 8 | - | - |
甘藷 | 米 | 麦 | 黒糖 | そば・その他 | 合 計 | ||
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熊本 | 出品場数 | 5 | 19 | 5 | - | 1 | 30 |
優等賞場数 | 2 | 8 | 1 | - | - | 11 | |
大分 | 出品場数 | 2 | 3 | 19 | - | 1 | 25 |
優等賞場数 | - | - | 11 | - | 1 | 12 | |
宮崎 | 出品場数 | 24 | 2 | 12 | - | 6 | 44 |
優等賞場数 | 10 | 1 | 4 | - | 2 | 17 | |
鹿児島 | 出品場数 | 72 | 7 | 21 | 17 | - | 117 |
優等賞場数 | 30 | 3 | 6 | 6 | - | 45 | |
全管 | 出品場数 | 103 | 31 | 57 | 17 | 8 | 216 |
優等賞場数 | 42 | 12 | 22 | 6 | 3 | 85 |
清酒については、本年度は暖冬に加え、原料米の登熟期の気温が概ね高めで米質が硬いなど、原料米の処理やもろみ管理等が困難な酒造期となりましたが、これまで積み重ねてきた経験と優れた技術力が遺憾なく発揮された結果、香味が調和した高い品格の品質に仕上げられていました。
熊本酵母の吟醸酒は、上品でさわやかな芳香が感じられ、きれいできれが良い味わいのものが、その他の酵母の吟醸酒は、華やかな香りとなめらかで甘味が特徴的なものが多くみられました。
本格焼酎については、本格焼酎の主産地で長く受け継がれてきた高度な技術力が遺憾なく発揮された結果、原料や製造方法の特徴を生かした素晴らしい品質に仕上がっていました。
甘藷焼酎は、甘藷特有の芳醇な甘い香りで味にふくらみがあるものから、穏やかな香りで味のすっきりとしたものまで、幅広い品質のものが出品されていました。特に、甘藷の品種による香味の特徴が上手く引き出されており、製造技術が着実に向上していると思われました。
米焼酎及び麦焼酎は、原料由来の特徴を持ちつつ、華やかな香りと上品な甘味が調和したすっきりとしたもの、穏やかな香りできれいな味わいのもの、香ばしい香りと豊かな旨味がある濃醇な香味のものまで、多様な酒質となっていました。
黒糖焼酎は、黒糖由来の甘く濃厚な香りと軽やかな甘味があるものが多く、黒糖の特徴を生かしたバランスの良い酒質のものが出品されていました。
そば及びその他の焼酎は、原料特性が強く表れるとともに、香味がバランスよく整っていました。