令和5年12月
熊本国税局

T 調査等の状況

1 所得税の調査等の状況

高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を優先して調査したことにより、実地調査(特別・一般)の1件当たりの申告漏れ所得金額及び追徴税額は過去10年間で最高

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

実地調査の件数は、特別調査・一般調査が203件(前事務年度171件)、着眼調査が61件(同25件)であり、簡易な接触の件数は3,135件(同2,932件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は3,399件(同3,128件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は1,927件(同1,629件)となっています。

(2) 申告漏れ所得(調査等の対象となった全ての年分の合計)金額の状況

実地調査による申告漏れ所得金額は、21億9千万円(同16億2百万円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは21億4千万円(同15億8千4百万円)、着眼調査によるものは5千万円(同1千8百万円)となっています。
 1件当たりの申告漏れ所得金額は、特別調査・一般調査によるものは1,054万円(同926万円)、着眼調査によるものは83万円(同72万円)となっています。
 また、簡易な接触による申告漏れ所得金額は11億7千2百万円(同6億2千7百万円)となっており、調査等合計では33億6千2百万円(同22億2千9百万円)となっています。

(3) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

実地調査による追徴税額は、4億1百万円(同3億8百万円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは3億9千5百万円(同3億4百万円)、着眼調査によるものは600万円(同500万円)となっています。
 1件当たりの追徴税額は、特別調査・一般調査によるものは195万円(同178万円)、着眼調査によるものは10万円(同19万円)となっています。
 また、簡易な接触による追徴税額は9千2百万円(同5千4百万円)となっており、調査等合計では4億9千3百万円(同3億6千2百万円)となっています。

(参考)

  • 1 実地調査(特別調査・一般調査)とは、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行うもので、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる個人を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものです。
  • 2 実地調査(着眼調査)とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で行う調査です。
  • 3 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものです。

〇 所得税の調査等の状況

区分 実地調査 簡易な接触   調査等合計  
        特別・一般   着眼        
項目 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比
調査等件数 171   25   196   2,932   3,128  
203 118.7% 61 244.0% 264 134.7% 3,135 106.9% 3,399 108.7%
申告漏れ等の 147   13   160   1,469   1,629  
非違件数 180 122.4% 15 115.4% 195 121.9% 1,732 117.9% 1,927 118.3%
申告漏れ 万円 158,400   1,809   160,209   62,740   222,949  
所得金額 213,976 135.1% 5,044 278.8% 219,020 136.7% 117,212 186.8% 336,232 150.8%
追徴税額 本税 万円 25,551   466   26,017   5,345   31,362  
32,451 127.0% 532 114.2% 32,983 126.8% 8,993 168.3% 41,976 133.8%
加算税 万円 4,810   2   4,812   43   4,854  
7,065 146.9% 79 3950.0% 7,144 148.5% 160 372.1% 7,304 150.5%
万円 30,361   468   30,828   5,387   36,216  
39,516 130.2% 611 130.6% 40,127 130.2% 9,153 169.9% 49,280 136.1%
一件当たり 申告漏れ 万円 926   72   817   21   71  
所得金額 1,054 113.8% 83 115.3% 830 101.6% 37 176.2% 99 139.4%
追徴税額 本税 万円 149   19   133   2   10  
160 107.4% 9 47.4% 125 94.0% 3 150.0% 12 120.0%
加算税 万円 28   0.1   25   0.1   2  
35 125.0% 1 1000.0% 27 108.0% 0.1 100.0% 2 100.0%
万円 178   19   157   2   12  
195 109.6% 10 52.6% 152 96.8% 3 150.0% 15 125.0%

(注)

  1. 1 令和4年7月から令和5年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である。
  3. 3 「簡易な接触」の件数には、更正の請求等に基づく減額更正や添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  4. 4 追徴税額(本税)には、復興特別所得税額を含む。
  5. 5 実地調査の件数は、所得税と消費税の実地調査件数である。

(参考) 譲渡所得の調査等の状況

所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数が、50件(前事務年度55件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数が、45件(同42件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、3億8千5百万円(同3億2千9百万円)となっています。

〇 譲渡所得の調査等の状況

事務年度等 3事務年度 4事務年度 対前年比
 項目
1        
調査等件数 55 50 90.9
  土地建物等 50 48 96.0
  株式等 5 2 40.0
2        
申告漏れ等の
非違件数
42 45 107.1
  土地建物等 37 44 118.9
  株式等 5 1 20.0
3         ポイント
非違割合
21
76.4 90.0 13.6
  土地建物等 74.0 91.7 17.7
  株式等 100.0 50.0 ▲50.0
4     万円   万円  
申告漏れ所得金額 32,907 38,453 116.9
  土地建物等 19,458 38,267 196.7
  株式等 13,450 186 1.4
5     万円   万円  
1件当たり申告
漏れ所得金額
41
598 769 128.5
  土地建物等 389 797 204.9
  株式等 2,690 93 3.5

(注)

  1. 1 土地建物等は、土地建物(分離譲渡所得)及び金地金等(総合譲渡所得)である。
  2. 2 土地建物等は、課税年分ごとに1件としている。
  3. 3 計表内の計算は四捨五入前の計数を使用している。

2 消費税(個人事業者)の調査等の状況

無申告の調査を重点的に実施したことにより、実地調査(特別・一般)の1件当たりの追徴税額は115万円で過去10年間で最高

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

実地調査の件数は、特別調査・一般調査が145件(前事務年度130件)、着眼調査が48件(同19件)であり、簡易な接触の件数は748件(同642件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は941件(同791件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は608件(同523件)となっています。

(2) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

実地調査による追徴税額は、1億7千8百万円(同1億5千4百万円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは1億6千6百万円(同1億4千9百万円)、着眼調査によるものは1,200万円(同500万円)となっています。
 1件当たりの追徴税額は、特別調査・一般調査によるものは115万円(同115万円)、着眼調査によるものは25万円(同25万円)となっています。
 また、簡易な接触による追徴税額は9,100万円(同1億5百万円)となっており、調査等合計では2億6千9百万円(同2億5千9百万円)となっています。

〇 消費税(個人事業者)の調査等の状況

区分 実地調査 簡易な接触   調査等合計  
  特別・一般   着眼        
項目 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比
調査等件数 130   19   149   642   791  
145 111.5% 48 252.6% 193 129.5% 748 116.5% 941 119.0%
申告漏れ等の 103   15   118   405   523  
非違件数 127 123.3% 35 233.3% 162 137.3% 446 110.1% 608 116.3%
追徴税額 本税 万円 12,532   381   12,912   10,247   23,159  
13,426 107.1% 898 235.7% 14,324 110.9% 8,797 85.8% 23,121 99.8%
加算税 万円 2,405   96   2,501   265   2,766  
3,194 132.8% 291 303.1% 3,484 139.3% 332 125.3% 3,817 138.0%
万円 14,937   477   15,413   10,512   25,925  
16,620 111.3% 1,189 249.3% 17,809 115.5% 9,129 86.8% 26,937 103.9%
一件当たり 追徴税額 本税 万円 96   20   87   16   29  
93 96.9% 19 95.0% 74 85.1% 12 75.0% 25 86.2%
加算税 万円 19   5   17   0.4   3  
22 115.8% 6 120.0% 18 105.9% 0.4 100.0% 4 133.3%
万円 115   25   103   16   33  
115 100.0% 25 100.0% 92 89.3% 12 75.0% 29 87.9%

(注)

  1. 1 令和4年7月から令和5年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である。
  3. 3 「簡易な接触」の件数には、更正の請求等に基づく減額更正や添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  4. 4 消費税の追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。