平成30年11月
熊本国税局

所得税及び個人事業者の消費税について、平成29事務年度(平成29年7月から平成30年6月までの間)に実施した調査等の状況は、次のとおりです。

1 所得税

所得税の調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています(以下、実地により行う調査を総称して「実地調査」といいます。)。
 このほか、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接により、申告漏れ、計算誤り又は所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)を実施しています。
 このように、事案に応じた的確な調査等(「実地調査」及び「簡易な接触」をいいます。以下同じです。)を実施し、適正・公平な課税に努めています。

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

実地調査の件数については、特別調査・一般調査が400件(前事務年度14件)、着眼調査が78件(前事務年度8件)であり、簡易な接触の件数については6,701件(前事務年度6,176件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は7,179件(前事務年度6,198件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、3,615件(前事務年度3,012件)となっています。

(2) 申告漏れ所得金額の状況

実地調査により把握された申告漏れ所得金額(実地調査の対象となった全ての年分の合計)は、全体で31億7,438万円(前事務年度5億4,057万円)であり、このうち特別調査・一般調査によるものは30億7,767万円(前事務年度5億2,836万円)、着眼調査によるものは9,671万円(前事務年度1,221万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは31億7,982万円(前事務年度27億9,550万円)となっており、調査等合計では63億5,420万円(前事務年度33億3,606万円)となっています。

(3) 追徴税額の状況

実地調査による追徴税額(実地調査の対象となった全ての年分の合計で加算税を含みます。)は、6億1,392万円(前事務年度1億5,116万円)であり、このうち特別調査・一般調査によるものは6億1,760万円(前事務年度1億5,039万円)、着眼調査によるものは▲369万円(前事務年度77万円)となっています。
 また、簡易な接触による追徴税額は2億3,218万円(前事務年度4億2,630万円)となっており、調査等合計では8億4,610万円(前事務年度5億7,746万円)となっています。

1 所得税

(熊本県計)
区分
項目
実地調査 簡易な接触 調査等合計
特別・一般 着眼
1 調査等件数 14 8 22 6,176 6,198
400 78 478 6,701 7,179
2 申告漏れ等の非違件数 9 3 12 3,000 3,012
353 58 411 3,204 3,615
3 申告漏れ所得金額 千円 528,363 12,205 540,568 2,795,496 3,336,064
3,077,666 96,711 3,174,377 3,179,821 6,354,198
4 追徴税額 本税 千円 118,325 684 119,009 424,740 543,749
514,421 ▲4,340 510,081 230,013 740,094
5 加算税 千円 32,066 81 32,147 1,564 33,711
103,183 654 103,837 2,167 106,004
6 千円 150,391 765 151,156 426,304 577,460
617,604 ▲3,686 613,918 232,180 846,098
7 一件当たり 申告漏れ所得金額 千円 37,740 1,526 24,571 453 538
7,694 1,240 6,641 475 885
8 追徴税額 本税 千円 8,452 86 5,410 69 88
1,286 ▲56 1,067 34 103
9 加算税 千円 2,290 10 1,461 0.3 5
258 8 217 0.3 15
10 千円 10,742 96 6,871 69 93
1,544 ▲47 1,284 35 118

(注)

  1. 1 平成29年7月から平成30年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である(上段・下段どちらも、資産課税部門職員の行った調査等の計数を含む。)。
  3. 3 「簡易な接触」の件数には、添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  4. 4 追徴税額(本税)には、復興特別所得税額を含む。

(4) 譲渡所得

所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数は、442件(前事務年度190件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、208件(前事務年度169件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、13億5,719万円(前事務年度12億157万円)となっています。

平成29事務年度 譲渡所得の調査等事績

【熊本県】
事務年度等 28事務年度 29事務年度 対前年比
項目
1
調査等件数 190 442 232.6
  土地建物等 143 424 296.5
株式等 47 18 38.3
2
申告漏れ等の非違件数 169 208 123.1
  土地建物等 123 194 157.7
株式等 46 14 30.4
3 ポイント
申告漏れ割合
21
88.9 47.1 ▲41.8
  土地建物等 86.0 45.8 ▲40.2
株式等 97.9 77.8 ▲20.1
4 千円 千円
申告漏れ所得金額 1,201,568 1,357,186 113.0
  土地建物等 718,770 1,287,495 179.1
株式等 482,798 69,691 14.4
5 千円 千円
1件当たり申告漏れ所得金額
41
6,324 3,071 48.6
  土地建物等 5,026 3,037 60.4
株式等 10,272 3,872 37.7

(注)

  1. 1 土地建物等は、土地建物(分離課税所得)、金地金等(総合譲渡所得)である。
  2. 2 土地建物等は、課税年分ごとに1件としている。

2 消費税(個人事業者)

消費税(個人事業者)の調査等については、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象に、原則として所得税等の調査等と同時に実施することとしておりますが、消費税のみが無申告である納税者に対しても調査を実施し、適正・公平な課税に努めています。

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

実地調査の件数は、特別調査・一般調査が280件(前事務年度3件)、着眼調査が81件(前事務年度7件)であり、簡易な接触の件数は839件(前事務年度747件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は1,200件(前事務年度757件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、869件(前事務年度472件)となっています。

(2) 追徴税額の状況

実地調査による追徴税額(実地調査の対象となった全ての年分の合計で加算税を含みます。)は、全体で2億272万円(前事務年度384万円)であり、このうち特別調査・一般調査によるものは1億7,531万円(前事務年度44万円)、着眼調査によるものは2,497万円(前事務年度340万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは9,496万円(前事務年度8,648万円)となっており、調査等合計では、2億9,523万円(前事務年度9,032万円)となっています。

(熊本県計)
区分
項目
実地調査 簡易な接触 調査等合計
特別・一般 着眼
1 調査等件数 3 7 10 747 757
280 81 361 839 1,200
2 申告漏れ等の非違件数 1 7 8 464 472
232 77 309 560 869
3 追徴税額 本税 百万円 402 2,929 3,331 84,691 88,022
147,546 21,130 168,676 90,801 259,477
4 加算税 百万円 40 468 508 1,790 2,298
27,759 3,837 31,596 4,158 35,754
5 百万円 442 3,397 3,839 86,481 90,320
175,305 24,967 200,272 94,959 295,231
6 一件当たり 追徴税額 本税 千円 134 418 333 113 116
527 261 467 108 216
7 加算税 千円 13 67 51 2 3
99 47 88 5 30
8 千円 147 485 384 116 119
626 308 555 113 246

(注)

  1. 1 平成29年7月から平成30年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である。
  3. 3 消費税の追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。
  • 【参考1】 特別調査・一般調査とは、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を行うものであり、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる者等を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものである。
  • 【参考2】 着眼調査とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる者を対象に実地に臨場して短期間で行う調査である。
  • 【参考3】 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものである。