民法第34条の規定により設立された公益法人である照会者は、債務超過の状態であり県からの借入金の未払利息約41億円を平成25年までに債務免除(以下「本件債務免除」といいます。)してもらう予定ですが、本件債務免除は、照会者が非収益事業を行うために使用した資金の借入金に対する利息であることから、本件債務免除に係る利益は、法人税法上、収益事業に該当しないと解することで差し支えないでしょうか。
また、本件債務免除は、消費税法上の対価を得て行う資産の譲渡等に該当しないと解することで差し支えないでしょうか。
照会者は、民法第34条の規定に基づき設立された社団法人であり、法人税法上の公益法人等に該当します(法人税法第2条第6号、別表第二)。
法人税法において、普通法人は、各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入すべき金額は、資産の販売による収益の額、
有償による資産の譲渡又は役務の提供による収益の額、
無償による資産の譲渡又は役務の提供による収益の額であり(法人税法第22条第2項)、また、公益法人等については、収益事業を営む場合に限り法人税を納める義務がある旨規定しています(法人税法第4条第1項)。
したがって、公益法人等は、収益事業とは関係のない無償による資産の譲渡又は役務の提供による収益の額は、課税されないこととなります。
そして、収益事業について、法人税法は「販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう。」(法人税法第2条第13号)と規定しているところ、照会者が、県から受ける本件債務免除に係る借入金は、収益事業の対象とならない分収林事業を目的として、同事業の経費に充当されたものであることから、本件債務免除に係る収益は、課税対象とならないと解されます。
なお、消費税等については消費税法第2条、第4条により対価を得て行う資産の譲渡等に該当しないため、課税関係は生じません。