はじめに

国税庁と全国納税貯蓄組合連合会では、全国の中学生の皆さんから「税についての作文」の募集を行いました。
 これは、将来を担う中学生の皆さんが、身近に感じた税に関すること、学校で学んだ税に関すること、テレビや新聞などで知った税の話などを題材とした作文を書くことで、税についての関心を持ち、正しい理解を深めていただくという趣旨で実施しているものです。
 福山税務署管内においては、15校から999編の作文が寄せられました。この中から次の優秀作品を選考いたしましたので紹介します。

中国納税貯蓄組合連合会会長賞

「私から君へ恩送り」

福山市立城東中学校 3年 前本 彩友

今ある私たちの生活は、一人一人が納めている税金により成り立っています。しかし、私は、税のしくみや税金の使われ方が分からないまま日々、自分にとって一番身近な消費税を納めていました。
 私は小学校5年生の時に父を病気で亡くしました。母子家庭と言う普通とは違った環境で育ってきた私が周りの子と同じように何不自由なく学校に通えていたり、毎日当たり前のように食事ができたり、楽しく学校生活を送れているのは、「児童扶養手当」のおかげなのだと知りました。児童扶養手当とは、母子父子家庭が18歳に達する日以降の最初の3月31日まで給付され、税金で賄われている社会保障制度のことです。正直に言うと私は今まで税について関心がありませんでしたし、この作文がなければ、「児童扶養手当」について知ることはできませんでした。しかし、私が自由に生活を送れているのは、多くの人が払っている税金あっての暮らしだなと思いました。
 社会保障制度について調べてみると、私たちの生活は、ほとんどがこの社会保障制度によって支えられているということが分かりました。私が通っている中学校の授業料の無償化や奨学金制度・医療費を助成する制度など他にもたくさんの制度があり、その制度があるからこそ、安心して勉強ができています。ただでさえ母子家庭で日々苦労している母親や他の家庭の親御さんたちも、社会保障制度があるおかげで待機児童などの問題はありますが、安心して子育てができているのだと感じます。そう考えてみると、税金という物は、とても大切でこの世の中にかかせないものの一つであると思いました。また、一人一人が当たり前のように払っている消費税などその他の税金にも感謝の気持ちを込めて、生活していかないといけないと気付かされました。
 今回この作文を書くために税のことについて調べてみて、今まで何も考えずに、納めていた消費税は、間接的ではありますが自分のためだけではなく国民全員の暮らしを向上させることができると思います。私たち中学生は、税は、納めるというよりかは、今はその税金を使わせてもらっているという方が正しいと思います。その税金があるおかげで私たちは、学校に行くことができたり、学校で一人一台タブレット端末をもたせてもらえたりなど、めぐまれた環境で進路実現に向けて頑張ることができています。だから今は、この環境にしっかり感謝を忘れず、日々勉強にはげんでいきたいと思いました。将来は自分の進路を実現させて社会にでて暮らすようになったとき、しっかりと税金を納めたいと思います。その行動で税を払ってくれた一人一人に恩返しするのは難しいですが、誰かの支えになるようにもらった恩を次の人に送る恩送りをしていきたいと思います。

「当たり前の生活のヒーロー」

福山市立城東中学校 3年 景山 紗帆

税は、一言でまとめると「私達の生活を支えてくれているヒーロー的存在」だと思います。私は税に対して、「税はなんであるんだろ」「税を払ってなにか得があるのだろうか」などのたくさんの疑問を持っていました。
 しかし、税の作文を作成することになり、税について詳しく調べてみました。すると、税に対する印象が180度変わりました。
 今、私達は義務教育を受けながら、中学校生活を楽しむことができています。そして当たり前のように毎年教科書が配布され、何も考えずに、「教科書ってなんで重たいんじゃろ」「なんで教科書毎年配られるんじゃろ」とか文句ばっかり言ってきました。でも、教科書が無償で配られていることによって、勉強できる環境が整っていたり、学校で教科書を活用して学びが深められたり、実験が出来たり、税は私達が学ぶ環境で必要不可欠な、大切なものだなと感じました。税によって教科書が配られていることを知らずに使用している学生もたくさんいるので自分が伝えていきたいなと思いました。教科書の重さには税金を支払ってくれているたくさんの人達の期待を背負っていると感じました。教科書の重さは、税金を支払ってくれているたくさんの人達の期待が込められていてその期待を背負って勉強をすることがこれからの主役の私達には必要だ感じました。なので、教科書が無償に配られていること、税金を支払ってくれている人達に対して感謝の気持ちを持って勉強をしていきたいと思います。
 さらに、2019年から新型コロナウイルスによって世界だけでなく、日本でも大きな混乱が起き、現在でも増加・減少を繰り返している地域が多くあります。医療の面では、救急車・医療費などで税が使用されていて、税がなければすべてが自己負担になり、生活をしていく上で、大きな負担になります。場合によってはお金が支払えないから、病院に行けない、危険な状況なのに救急車が呼べないなどのことが起こり、たくさんの命を失うことになります。しかし、税があることによって、お金の面での不安が軽減され、適切な医療・治療を受けることができ、税は健康も守ってくれています。
 もし、勉強できる環境がなかったら。もし、医療環境が整っていなかったら。もし、安全に暮らせる環境がなかったら。たくさんの「もし、」を考えてみると、税のありがたみや税金を払うことの大切さを感じる事ができました。税金を払うことは未来の私達の生活に投資をしているのだと考えてみるといいかもしれません。
 税によって当たり前に勉強をしたり、緊急車両を呼べることに感謝しつつ、自分も払うことは大切なことです。税を払うことで、自分だけでなく多くの人の幸せと笑顔を守っていけれるので、税金はヒーローでありながら大きな価値を持つ大切なものだと思います。


その他の入賞者一覧

賞名 学校名 学年 氏名
福山税務署長賞 福山市立城東中学校 小畠 百寧
小島 空
堀越 桐吾
清水 真菜美
福山地方納税貯蓄組合連合会会長賞 特賞 福山市立城東中学校 小島 璃々
福山市長賞 福山市立培遠中学校 安武 知優
福山商工会議所会頭賞 福山市立加茂中学校 児玉 歩美
中国税理士会福山支部長賞 福山市立一ツ橋中学校 柿木 希空
福山地区青色申告会連合会会長賞 福山市立誠之中学校 岩本 七海
公益社団法人福山法人会会長賞 福山市立鷹取中学校 岡本 詩乃
福山地方納税貯蓄組合連合会会長賞 金賞 福山市立加茂中学校 河相 志保
福山市立培遠中学校 児玉 澪南
福山市立城東中学校 福山 未浬有
福山地方納税貯蓄組合連合会会長賞 銀賞 福山市立城東中学校 枝廣 吏音
福山市立大門中学校 田中 颯人
福山市立培遠中学校 布田 未來
福山市立神辺西中学校 松葉 丈
福山地方納税貯蓄組合連合会会長賞 銅賞 福山市立東朋中学校 渡邉 透真
笹木 航介
近畿大学付属広島中学校福山校 桑田 結衣
河内 桃子
福山市立鳳中学校 矢野 文音
福山市立城西中学校 野田 優人
福山市立松永中学校 猪原 夏香