1 事前照会の趣旨

広島県、愛媛県、関係市町、関係民間団体等で構成する瀬戸内しま博覧会「瀬戸内しまのわ2014」実行委員会(以下「実行委員会」といいます。)は、平成26年3月21日から10月26日までの間、広島県・愛媛県の島しょ部及び臨海部において、瀬戸内しま博覧会「瀬戸内しまのわ2014」(以下「瀬戸内しまのわ」といいます。)を開催いたします。
 瀬戸内海は、穏やかな気候、美しい景観、豊かな自然、おいしい海の幸や歴史が積み重なるアートや文化、伝統など、多くの観光資源に恵まれています。
 瀬戸内しまのわでは、この世界に誇れる瀬戸内海の魅力を日本中の人々、世界中の人々に知ってもらうため、また、豊かな自然を未来へと引き継いでいくため、瀬戸内海国立公園指定80周年を迎える年に戦略的なプロモーションを行い、広島県及び愛媛県の島しょ部を中心とした瀬戸内海の観光ブランドの認知度向上と国内外からの観光客や交流人口の拡大を図ります。そして、瀬戸内しまのわの開催に当たって、県域・市町域を越えた海でつながった広域のネットワークを構築し、地域住民が主体的に行う豊かな地域づくりを目指します。
 さて、実行委員会では、瀬戸内しまのわの成功に向けて、社会や地域に貢献したいと考える企業・団体(以下「企業等」といいます。)の皆様に対して下記2(1)の協賛の方法により広く協賛を募ることとしています。
 つきましては、広告宣伝を主な目的として協賛に応じる企業等(以下「協賛企業」という。)が支出する協賛金等について、税務上次のように取り扱って差し支えないか照会いたします。

2 事前照会に係る取引等の事実関係

(1) 協賛の方法
 協賛企業は、次のイないしハの方法により、瀬戸内しまのわに協賛します。

イ 金銭による協賛
 金銭による協賛企業は、瀬戸内しまのわの実施運営等に要する費用に充てるための金銭を実行委員会に提供します。

ロ 物品による協賛
 物品による協賛企業は、瀬戸内しまのわの運営等に必要な物品を実行委員会に無償で貸与又は提供します。

ハ 役務提供による協賛
 役務提供による協賛企業は、瀬戸内しまのわの運営等に係る役務提供(物品の運搬、施設等への広告掲出など)を実行委員会に無償で提供します。

(2) 協賛に対する特典
 上記(1)の協賛企業は、次表に掲げる広告宣伝等の特典を受けることができ、その特典は、協賛金額に応じて7つの区分にランク分けされ、そのランクごとに受けることのできる特典の種類並びに協賛企業名掲載の表示の大きさやチケットの数などに差が設けられています。
 この場合の協賛金額とは、イの場合は金銭の額、ロのうち物品の提供の場合は提供される物品の価額、物品の貸与の場合は貸与される物品の賃貸料相当額、ハの場合は役務の提供をするために要する費用相当額とし、イないしハの協賛をいずれも行う場合はその合計額とします。

特典番号 広告宣伝内容 広告宣伝期間
1




ステージでの協賛企業名の表示 オープニングイベント
(平成26年3月21日〜22日)
2 会場内の案内板での協賛企業名の表示 各イベントの開催期間(注1)中
3 協賛ボードでの協賛企業名の表示 各イベントの開催期間中
4 コンサート入場券の提供 -
5 パンフレットでの協賛企業名の表示 クロージングイベント
(平成26年10月25日〜26日)
6







ポスターでの協賛企業名の表示 協賛申込日(注2)から会期末(平成26年10月26日)まで
7 リーフレットでの協賛企業名の表示 協賛申込日から会期末(平成26年10月26日)まで
8 ガイドブックでの協賛企業名の表示 協賛申込日から会期末(平成26年10月26日)まで
9 ノベルティグッズ(うちわ)での協賛企業名の表示 協賛申込日から会期末(平成26年10月26日)まで
10 新聞広告での協賛企業名の表示 協賛申込日から会期末(平成26年10月26日)までの間で最大2回
11 大会ホームページでの協賛企業のバナー広告、協賛企業のホームページへのリンク 協賛申込日から平成27年1月31日まで
12 大会ホームページでの協賛企業名の表示 協賛申込日から平成27年1月31日まで

(注)

  • 1 オープニングイベント、クロージングイベント及び会期中(平成26年3月21日から平成26年10月26日まで)に広島県・愛媛県の13市町において随時開催される100プログラム以上のイベントが実施される各開催期間となります。
  • 2 協賛企業は、協賛を行うに当たり、実行委員会に対して協賛申込書を提出することとされており、当該協賛申込書を実行委員会に提出した日が協賛申込日となります。

3 2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由

(1) 金銭による協賛

イ 協賛金額のうちコンサートのチケット購入費相当額
 上記2(1)の協賛企業は、上記2(2)の表の4のとおり、コンサートのチケットの提供を受けますが、このチケットは、瀬戸内しまのわへの協賛にかかわらず一般の人にも販売されるものであり、協賛企業にとっては、金銭や物品の提供という形はとっているものの実質的にはチケットを購入したのと何ら変わるところはありません。したがって、協賛金額のうちチケットの配付枚数に応じた金額(以下「チケット購入費相当額」といいます。)については、例えば、協賛企業が従業員(その家族を含みます。)の福利厚生目的でレクリエーションの一環としてコンサートを見学させる場合には、福利厚生費として従業員にチケットを交付した日の属する事業年度の損金の額に算入するなど、そのチケットの使途に応じた取扱いになると考えます。

 ロ イ以外の協賛金額
 上記2(2)の表に掲げるとおり、広告宣伝期間は特典によって様々であり、協賛企業は、それらの期間中、複数の広告宣伝特典を受けることとなります。
 他方、協賛企業は、一括して金銭の提供を行うこととしており、また、個々の広告宣伝の対価の額も定められていないことから、個々の広告宣伝特典の対価の見積りを協賛企業において行うことは実務上困難であると考えられます。
 したがって、協賛金額のうち上記イのチケット購入費相当額を除いた金額は、全ての協賛企業の広告宣伝が実施され、かつ、広告宣伝期間が最も長い期間である上記2(2)の表の1112の広告宣伝期間(協賛申込日から平成27年1月31日まで)を基礎として期間配分し、広告宣伝費として協賛企業の損金の額に算入することになると考えます。

(2) 物品による協賛

イ 物品の提供
 上記(1)と同様、物品を提供するために支出する費用のうち上記(1)イのチケット購入費相当額を除いた金額を、協賛申込日から平成27年1月31日までの期間(広告宣伝期間)を基礎として期間配分した上で、それぞれの期間の属する事業年度の損金の額に算入することになると考えます。

ロ 物品の貸与

(イ) 貸与する物品は、貸与期間中も事業の用に供する資産として減価償却を行う等一般の例により処理することになると考えます。

(ロ) 貸与する物品の搬入及び据付費用については、上記3(2)イに準ずることになると考えます。

(ハ) 貸与する物品の撤去費用については、実際に撤去を行った日の属する事業年度の損金の額に算入することになると考えます。

(3) 役務提供による協賛
 役務の提供をするために支出する費用を、協賛申込日(協賛申込日以降に役務が提供されるときは、提供した日)から平成27年1月31日までの期間(広告宣伝期間)を基礎として期間配分した上で、それぞれの期間の属する事業年度の損金の額に算入することになると考えます。

(4) 消費税法上の取扱い

イ 金銭による協賛に係る支出については、課税仕入れに係る対価の額に該当することになると考えます。

ロ 物品による協賛及び役務提供による協賛に係る支出については、給与等を対価とする役務の提供に該当するもの又は消費税が非課税若しくは免税となる資産の譲渡等に係るものを除き、課税仕入れに係る対価の額に該当することになると考えます。

ハ 控除対象仕入税額の計算については、消費税法の規定によることになると考えます。