1 事前照会の趣旨

「エコツーリズム国際大会2013 in 鳥取」(以下「鳥取大会」といいます。)は、平成25年10月19日から21日までの3日間、鳥取県西部圏域を中心に開催される国内最大規模のエコツーリズム(注1)の大会であり、官民で構成する「エコツーリズム国際大会2013 in 鳥取 実行委員会」(以下「実行委員会」といいます。)がNPO法人日本エコツーリズム協会との共催で開催するものです。エコツーリズム国際大会の開催は、2001年の福島県、2002年の沖縄県に続き、11年ぶり3回目の開催となります。
 鳥取大会では、「森・里・海、水の連環と人々の営み」をテーマに、エコツーリズムの先駆者等による基調講演やトークセッション、参加者が様々なツアーコースを体験するエクスカーション(注2)などを行い、これを契機として、鳥取県の豊かな自然、自然と共に暮らす人々の営み、また、それらを体験により学べる先端的なエコツアーメニュー(住まうように旅する滞在型エコツアーメニュー)を世界に発信することとしています。
 さて、実行委員会では、鳥取大会の成功に向けて、エコツーリズムの推進、豊かな自然環境の保全に理解がある企業、団体の皆様から協賛をお願いしたいと考えています。
 つきましては、広告宣伝を主な目的として協賛に応じる企業、団体(以下「協賛企業等」といいます。)が支出する協賛金等の税務上の取扱いについて、次のとおり解してよいか照会いたします。

(注)

  • 1 地域ぐるみで自然や歴史、文化などの地元の魅力を発掘し、持続的な観光資源として活用・保全することを目指す新しい観光のあり方。もともと、途上国において、観光客に森林を見せて経済振興を図ることによって、森林伐採などの自然開発から自然を保護しようとする産業転換を促す考え方として注目され、その後、先進国でも、持続的な観光振興を目指す概念として論じられるようになった。
  • 2 観光小旅行、遠足

2 事前照会に係る取引等の事実関係

(1) 協賛の方法
 協賛企業等は、次のイ、ロのいずれかの方法若しくはその組合せにより鳥取大会に協賛します。

イ 金銭協賛
 金銭による協賛を行う協賛企業等は、鳥取大会の実施運営等に要する費用に充てるための金銭を実行委員会に提供します。

ロ 物品協賛
 物品による協賛を行う協賛企業等は、鳥取大会の実施運営等に要する物品を製作又は調達し、実行委員会に無償で提供します。

(2) 協賛に対する特典
 協賛企業等は、次表に掲げる広告宣伝等の特典を受けることができますが、協賛金額に応じて5つの区分にランク分けされ、そのランクごとに協賛企業等名掲載の表示の大きさや招待券・タンブラーの数などに差が設けられています。
 この場合の協賛金額とは、上記(1)イの金銭協賛の場合は金銭の額、上記(1)ロの物品協賛の場合は物品の提供に要する費用相当額とし、イとロの組合せによる協賛の場合は、その合計額とします。

番号 特典内容 広告宣伝期間
1 大会ホームページへの協賛企業等名の掲載及び協賛企業等ホームページへのリンクの設定 協賛申込日(※1)から平成26年3月31日まで
2 大会記録誌への協賛企業等名の掲載 大会記録誌完成時(平成25年12月末頃)
3 大会プログラムへの協賛企業等名の掲載 大会(※2)開催中
4 協賛企業等一覧ボードへの協賛企業等名の掲載(協賛企業等一覧ボードは大会主会場に設置) 大会開催中
5 大会主会場スクリーンへの協賛企業等名の映像投影 大会初日
休憩時の計30分
6 大会招待券の贈呈(大会招待券は大会初日のもの) -
7 大会オリジナルタンブラーの贈呈 -
  • ※1 協賛企業等が、実行委員会に協賛申込書を提出した日
  • ※2 鳥取大会は、平成25年10月19日から平成25年10月21日まで開催される。

(注) 上記(1)ロの物品協賛が、協賛企業等名の表示された協賛物品による場合には、鳥取大会の開催期間中に大会参加者へ配布されることを通じた広告宣伝が行われることとなります。

3 2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由

(1) 大会招待券、大会オリジナルタンブラー購入費相当額
 協賛企業等は、上記2(2)の表に掲げるとおり、大会招待券や大会オリジナルタンブラーの贈呈を受けますが、これらは、一般の人にも販売されるものであり、協賛企業等にとっては、金銭や物品の提供という形をとっているものの、実質的には大会招待券や大会オリジナルタンブラーを購入したのと何ら変わるところはありません。
 したがって、協賛金額のうち大会招待券の配付枚数に応じた金額(購入費相当額)については、例えば、協賛企業等が従業員の福利厚生目的でレクリエーションの一環として鳥取大会を見学させる場合には、福利厚生費として従業員に大会招待券を交付した日の属する事業年度の損金の額に算入するなど大会招待券の使途に応じた取扱いになると考えます。
 また、協賛金額のうち大会オリジナルタンブラーの配付数に応じた金額(購入費相当額)についても、例えば、協賛企業等が大会オリジナルタンブラーを消耗品として使用する場合には、消耗品費として協賛申込日の属する事業年度の損金の額に算入するなど大会オリジナルタンブラーの使途に応じた取扱いになると考えます。

(2) (1)以外の協賛金額
 上記2(2)の表のとおり、広告宣伝期間は特典によって様々であり、協賛企業等はそれらの期間中複数の広告宣伝特典を受けることとなります。
 他方、協賛企業等は一括して金銭、物品の提供を行うこととされており、また、個々の広告宣伝の対価の額も定められていないことから、個々の広告宣伝特典の対価の見積りを協賛企業等において行うことは実務上困難であると考えられます。
 したがって、協賛金額のうち上記(1)の各購入費相当額を除いた協賛金額は、全ての協賛企業等の広告宣伝が実施され、かつ、広告宣伝期間が最も長い期間である上記2(2)の表の1の広告宣伝期間(協賛申込日から平成26年3月31日まで)を基礎として期間配分し、広告宣伝費として協賛企業等の損金の額に算入して差し支えないと考えます。