* 利用上の注意
  この章は、平成12年中に相続又は遺贈により財産を取得した者について、平成13年10月31日までの申告又は処理による課税事績を示したものである。
  相続税とは、相続又は遺贈によって財産を取得した場合に、その取得した者に課税されるものである。

1 用語の説明

 この章における用語の意義は、次のとおりである。

  1. (1)加算贈与財産価額  相続又は遺贈により財産を取得した者に相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産がある場合、相続税の課税価格に加算されるその贈与された財産の価額をいう。
  2. (2)2割加算額・・・  相続又は遺贈により財産を取得した者の中に被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者がいる場合、それらの者の相続税額に加算されるその相続税額の20%に相当する金額をいう。
  3. (3)納税猶予・・・  相続人が農地等を相続して継続して農業を営む場合には、相続税額から農業投資価格に基づき計算された相続税額を差し引いた残額が、20年間納付を猶予される。

2 相続税の率(平成12年分)

法定相続分に応ずる取得金額

800万円以下

1,600万円以下

3,000万円以下

5,000万円以下

1億円以下

2億円以下

4億円以下

20億円以下

20億円超

%
10
%
15
%
20
%
25
%
30
%
40
%
50
%
60
%
70

控除額

万円
万円
40
万円
120
万円
270
万円
520
万円
1,520
万円
3,520
万円
7,520
万円
27,520

(使用方法) 法定相続分に応ずる取得金額×率−控除額=相続税の総額の基となる税額

3 相続税の主な諸控除

(1)税額控除

相続税額から控除される金額で次の種類がある。

  1. イ 贈与税額控除・・・・・  加算贈与財産価額がある場合、その贈与を受けた財産に対し課税された贈与税の金額が相続税額から控除される。
  2. ロ 配偶者の税額軽減・・・・・  配偶者の租税負担を軽減するためのもので、課税価格の合計額の配偶者の法定相続分相当額(その金額より1億6,000万円の方が大きい場合は1億6,000万円)と配偶者の課税価格(実際取得額)とのうち、いずれか少ない金額に対応する税額が、配偶者の相続税額から控除される。ただし、この軽減の対象となる財産には、相続税の納税義務者により隠ぺい又は仮装されていた財産は含まれない。
  3. ハ 未成年者控除・・・・・  未成年者の租税負担を軽減するためのもので、相続又は遺贈により財産を取得した者が満20歳未満の法定相続人である場合に、その相続人が満20歳になるまでの年数1年につき6万円の割で計算した金額が相続税額から控除される。
  4. ニ 障害者控除・・・・・  障害者の租税負担を軽減するためのもので、相続又は遺贈により財産を取得した者が障害者でかつ法定相続人である場合に、その障害者が70歳になるまでの年数1年につき6万円(特別障害者の場合には12万円)の割で計算した金額が、相続税額から控除される。
  5. ホ 相次相続控除・・・・・  被相続人が、今回の相続開始前10年以内に開始した相続により相続税を納付している場合に、前回算出された相続税額に一定の割合を乗じて算出された金額が、相続税額から控除される。

(2) 遺産に係る基礎控除

5,000万円と1,000万円に法定相続人数を乗じて算出した金額との合計額が控除される。