1 概要

当局では、北部九州三県(福岡県、佐賀県及び長崎県)で製造された清酒及び本格焼酎の品質評価を通じて酒造技術の進歩と管内酒類の品質向上を図り、酒類業の発達に資することを目的として、毎年酒類鑑評会を開催しています。
 本年の酒類鑑評会では、吟醸酒の部に44製造場から92点、純米酒の部に40製造場から71点、本格焼酎の部に31製造場から96点の出品があり、令和7年9月5日に本格焼酎、9月9日に純米酒、9月16日及び9月18日に吟醸酒の品質評価を行いました。

2 方法

品質評価に当たっては、次の点にポイントをおいています。

部門 品質評価のポイント
吟醸酒 吟醸酒にふさわしい上品又は華やかな香りで、吟醸香と味の調和がとれているか。
純米酒 それぞれの評価温度において、純米酒として香味の調和が優れているか。
本格焼酎 麦、米等の原料の違い及び蒸留等の製造方法の違いによる品質特性を考慮し、個性と香りや味とのバランスがとれているか。

3 出品状況

(1) 吟醸酒の部
( ) 内は前年実績 以下同じ
区分
県名
吟醸酒 純米吟醸酒 合計
場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 12(12) 17(16) 15(14) 24(23) 19(20) 41(39)
佐賀 7(10) 9(13) 14(14) 23(26) 16(16) 32(39)
長崎 5(6) 8(10) 7(5) 11(8) 9(7) 19(18)
24(28) 34(39) 36(33) 58(57) 44(43) 92(96)
(2) 純米酒の部
区分
県名
燗酒 常温 合計
場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 10(11) 11(12) 19(17) 23(23) 20(20) 34(35)
佐賀 6(7) 6(8) 14(16) 21(21) 14(17) 27(29)
長崎 3(3) 4(3) 4(5) 6(7) 6(5) 10(10)
19(21) 21(23) 37(38) 50(51) 40(42) 71(74)
(3) 本格焼酎の部
原料等
県名
麦製 米製 その他製 長期貯蔵酒 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 10 17 10 15 13 17 53
佐賀
長崎 10 18 12 13 37
21 37 10 16 24 16 25 31 96

4 結果

  1. (1) 吟醸酒の部
     さまざまな果実を思わせる特徴的で華やかな香りとともに、米の旨味や味のふくらみが感じられるもの、淡麗ですっきりとした味わいが感じられるものなど、優れた酒質のものが揃っていました。
  2. (2) 純米酒の部
     いずれも原料米に由来する旨味を有しており、甘味と酸味のバランスが取れた、なめらかな味を特徴とするもの、上品で落ち着いた香りと軽快で切れの良い味を特徴とするものなど、香味の調和が取れた多様な酒質のものが見られました。
  3. (3) 本格焼酎の部
     出品酒は多様性に富んでいましたが、華やかな香りとすっきりした後味のものや豊かな香りと濃醇でなめらかな味わいをもつもの、また長期間の貯蔵により、熟成した香りや味のまるさが感じられるものなど、原料特性や製造方法の特徴が上手く表現されたものが多く見られました。