令和６年酒類鑑評会について
1 概要
当局では、北部九州三県（福岡県、佐賀県及び長崎県）で製造された清酒及び本格焼酎の品質評価を通じて酒造技術の進歩と管内酒類の品質向上を図り、酒類業の発達に資することを目的として、毎年酒類鑑評会を開催しています。
本年の酒類鑑評会では、吟醸酒の部に43製造場から96点、純米酒の部に42製造場から74点、本格焼酎の部に33製造場から98点の出品があり、令和６年９月11日に本格焼酎、９月13日に純米酒、９月18日及び９月20日に吟醸酒の品質評価を行いました。
2 方法
品質評価に当たっては、次の点にポイントをおいています。
| 部門 | 品質評価のポイント |
|---|---|
| 吟醸酒 | 吟醸酒にふさわしい上品又は華やかな香りで、吟醸香と味の調和がとれているか。 |
| 純米酒 | それぞれの評価温度において、純米酒として香味の調和が優れているか。 |
| 本格焼酎 | 麦、米等の原料の違い及び蒸留等の製造方法の違いによる品質特性を考慮し、個性と香りや味とのバランスがとれているか。 |
3 出品状況
区分
県名 |
吟醸酒 | 純米吟醸酒 | 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 場数 | 点数 | 場数 | 点数 | 実場数 | 点数 | |
| 福岡 | 12 (10) | 16 (14) | 14 (15) | 23 (22) | 20 (18) | 39 (36) |
| 佐賀 | 10 (９) | 13 (11) | 14 (14) | 26 (22) | 16 (17) | 39 (33) |
| 長崎 | ６ (５) | 10 (７) | ５ (６) | ８ (９) | ７ (７) | 18 (16) |
| 計 | 28 (24) | 39 (32) | 33 (35) | 57 (53) | 43 (42) | 96 (85) |
区分
県名 |
燗酒 | 常温 | 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 場数 | 点数 | 場数 | 点数 | 実場数 | 点数 | |
| 福岡 | 11 (10) | 12 (11) | 17 (19) | 23 (25) | 20（21） | 35（36） |
| 佐賀 | ７ (10) | ８ (12) | 16 (11) | 21 (16) | 17（15） | 29（28） |
| 長崎 | ３ (３) | ３ (４) | ５ (４) | ７ (５) | ５（５） | 10（９） |
| 計 | 21 (23) | 23 (27) | 38 (34) | 51 (46) | 42（41） | 74（73） |
原料等
県名 |
麦製 | 米製 | その他製※１ | 長期貯蔵酒※２ | 合計 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 場数 | 点数 | 場数 | 点数 | 場数 | 点数 | 場数 | 点数 | 実場数 | 点数 | |
| 福岡 | ９ | 17 | ３ | ５ | 13 | 22 | ８ | 14 | 18 | 58 |
| 佐賀 | １ | ２ | １ | ２ | ０ | ０ | ０ | ０ | １ | ４ |
| 長崎 | 11 | 16 | ０ | ０ | ５ | ８ | ８ | 12 | 14 | 36 |
| 計 | 21 | 35 | ４ | ７ | 18 | 30 | 16 | 26 | 33 | 98 |
※1 その他製焼酎の原料別内訳（場数／点数）
酒粕（６/10）、甘藷（６/９）、雑穀（１/２）、胡麻（１/２）、茶葉（１/２)、そば（１/１）、馬鈴薯（１/１）、しそ（１/１）、かぼちゃ（１/１）、人参（１/１）
※2 長期貯蔵酒の原料別内訳（場数/点数）
麦製（13/22（内樽貯蔵（５/７））、甘藷(２/３) 、米製（１/１）
4 結果
- (1) 吟醸酒の部
さまざまな果実を思わせる華やかな香りとともに、ふくらみのある甘味や米の旨味が感じられる優れた酒質のものが揃っていました。 - (2) 純米酒の部
いずれも原料米に由来する旨味を有しており、燗もしくは常温において香味のバランスが取れたものが多く見られました。おだやかな香りのものから熟成を感じさせる香りのもの、また、切れの良い酸味のあるものからまろやかな甘味が感じられるものまで、多様な酒質のものが見られました。 - (3) 本格焼酎の部
出品酒は多様性に富んでいましたが、華やかな香りとすっきりした酸味のものや豊かな香りと濃淳でなめらかな味わいをもつものなど、原料特性や製造方法の特徴が上手く表現されたものが多く見られました。
