1 概要

当局では、北部九州三県(福岡県、佐賀県及び長崎県)で製造された清酒及び本格焼酎の品質評価を通じて酒造技術の進歩と管内酒類の品質向上を図り、酒類業の発達に資することを目的として、毎年酒類鑑評会を開催しています。
 本年の酒類鑑評会では、吟醸酒の部に42製造場から85点、純米酒の部に41製造場から73点、本格焼酎の部に35製造場から100点の出品があり、令和5年9月13日に本格焼酎、9月15日に純米酒、9月20日及び9月22日に吟醸酒の品質評価を行いました。

2 方法

品質評価に当たっては、次の点にポイントをおいています。

部門 品質評価のポイント
吟醸酒 吟醸酒にふさわしい上品又は華やかな香りで、吟醸香と味の調和がとれているか。
純米酒 それぞれの評価温度において、純米酒として香味の調和が優れているか。
本格焼酎 麦、米等の原料の違い及び蒸留等の製造方法の違いによる品質特性を考慮し、個性と香りや味とのバランスがとれているか。

3 出品状況

(1) 吟醸酒の部
( ) 内は前年実績 以下、同じ
区分
県名
吟醸酒 純米吟醸酒 合計
場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 10 (12) 14 (18) 15 (16) 22 (24) 18 (19) 36 (42)
佐賀 9 (7) 11 (8) 14 (13) 22 (20) 17 (15) 33 (28)
長崎 5 (6) 7 (9) 6 (9) 9 (11) 7 (10) 16 (20)
24 (25) 32 (35) 35 (38) 53 (55) 42 (44) 85 (90)
(2) 純米酒の部
区分
県名
燗酒 常温 合計
場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 10 (12) 11 (13) 19 (16) 25 (23) 21 (18) 36 (36)
佐賀 10 (6) 12 (7) 11 (16) 16 (20) 15 (18) 28 (27)
長崎 3 (4) 4 (4) 4 (5) 5 (6) 5 (5) 9 (10)
23 (22) 27 (24) 34 (38) 46 (49) 41 (41) 73 (73)
(3) 本格焼酎の部
原料等
県名
麦製 米製 その他製※1 長期貯蔵酒※2 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 13 24 6 9 12 17 10 16 20 66
佐賀 1 2 1 2 1 2 0 0 1 6
長崎 9 12 0 0 4 6 8 10 14 28
23 38 7 11 17 25 18 26 35 100

※1 その他製焼酎の原料別内訳(場数/点数)
  酒粕(6/9)、甘藷(7/8)、茶葉(3/4)、胡麻(1/1)、雑穀(1/1)、しそ(1/1)、かぼちゃ(1/1)

※2 長期貯蔵酒の原料別内訳(場数/点数)
  麦製(15/22(内樽貯蔵(4/5))、酒粕(1/1(内樽貯蔵(1/1))、甘藷(1/1)、馬鈴薯(1/1)、胡麻(1/1)

4 結果

入賞製造場名簿のとおりです。

  1. (1) 吟醸酒の部
     まろやかで軽やかな甘さがあり、華やかな風格を伴う香りのものが多く、特に豊かで様々な果実香を感じさせる香りのバラエティーがありました。
  2. (2) 純米酒の部
     いずれも原料米の持つ旨味を有しており、燗や常温での温度を考慮した酒質で、はつらつとした若々しい酒質のものから熟成した香味があり厚みのある味わいを有するものまで多様性が見られました。
  3. (3) 本格焼酎の部
     それぞれの原料特性や製造方法による個性がうまく表現されていました。華やかな香りと軽快な味を持ったすっと飲める酒質のものから、香ばしい香りと甘く濃醇な味わいをもつじっくりと飲ませる酒質のものまであり、主原料の特徴を生かした酒質の多様性が見られました。