1 無申告事案に対する調査状況

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、実地調査や簡易な接触を活用することで的確な課税処理に努めています。
 令和元事務年度においては無申告事案に対する実地調査を32件(平成30事務年度49件)実施しました。このうち、申告漏れの非違があったものは25件(平成30事務年度43件)、追徴税額の総額は1億8千5百万円(平成30事務年度3億7千3百万円)となっています。

〇無申告事案に対する実地調査の状況

事務年度等 平成30事務年度 令和元事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
49 32 65.3
2 申告漏れの非違件数
43 25 58.1
3 非違割合
21
ポイント
87.8 78.1 ▲9.7
4 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
3,723 2,236 60.1
5 追徴税額 本税 百万円 百万円
307 148 48.4
6 加算税 百万円 百万円
66 37 55.7
7 合計 百万円 百万円
373 185 49.7
8 実地調査
1件当たり
申告漏れ課税価格
41
万円 万円
7,599 6,988 92.0
9 追徴税額
71
万円 万円
761 578 76.0

〇無申告事案に係る調査事績の推移

2 海外資産関連事案に対する調査状況

納税者の資産運用の国際化に対応し、相続税の適正な課税を実現するため、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを効果的に活用し、海外取引や海外資産の保有状況の把握に努めています。
 令和元事務年度においては海外資産関連事案に対する実地調査を15件(平成30事務年度21件)実施しました。このうち、海外資産に係る申告漏れ等の非違があったものは3件(平成30事務年度4件)、海外資産に係る申告漏れ課税価格は8千9百万円(平成30事務年度5千5百万円)となっています。

〇海外資産関連事案に対する実地調査の状況

事務年度等 平成30事務年度 令和元事務年度    
項目 対前事務年度比
@ 海外資産関連事案に係る
実地調査件数
     
21 15   71.4
A 海外資産に係る
申告漏れ等の非違件数
19 12 63.2
4 3   75.0
B 海外資産に係る
申告漏れ課税価格
486 百万円 1,338 百万円 275.0
55 89 163.0
C 非違1件当たりの
申告漏れ課税価格(B/A)
2,560 万円 11,148 万円 435.5
1,366 2,969 217.4

(注)

  1. 1 海外資産関連事案とは、@相続又は遺贈により取得した財産のうちに海外資産が存するもの、A相続人、受遺者又は被相続人が日本国外の居住者であるもの、B海外資産等に関する資料情報があるもの、C外資系の金融機関との取引があるもの等のいずれかに該当する事案をいう。
  2. 2 左肩数は、国内資産に係る非違も含めた計数を示す。

3 贈与税に対する調査状況

相続税の補完税である贈与税についても、積極的に資料情報を収集するとともに、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努め、無申告事案を中心に贈与税の調査を的確に実施しています。
 令和元事務年度においては、贈与税事案に対する実地調査を123件(平成30事務年度158件)実施しました。このうち、申告漏れ等の非違があった件数は123件(平成30事務年度155件)、追徴税額の総額は1億1千4百万円(平成30事務年度は2億4千2百万円)となっています。

〇贈与税事案に対する実地調査の状況

事務年度等 平成30事務年度 令和元事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
158 123 77.8
2 申告漏れ等の非違件数
155 123 79.4
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
819 528 64.6
4 追徴税額 百万円 百万円
242 114 47.2
5 実地調査
1件当たり
申告漏れ課税価格
31
万円 万円
518 430 82.9
6 追徴税額
41
万円 万円
153 93 60.6