1 申告漏れ所得金額は14億6千9百万円・追徴税額は4億5千6百万円
 【富裕層に対する調査状況】

  • 有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人など、「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に積極的に調査を実施しています。
  • 令和元事務年度においては、192件(前事務年度291件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、765万円(前事務年度843万円)となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は14億6千9百万円(前事務年度24億5千3百万円)に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は237万円(前事務年度231万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の150万円(前事務年度152万円)に比べ1.6倍となっています。また、追徴税額の総額は4億5千6百万円(前事務年度6億7千1百万円)に上ります。
  • 特に、海外投資等を行っている「富裕層」に対しては、1件当たりの追徴税額は512万円(前事務年度552万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の150万円に比べ3.4倍と高額となっています。

〇 富裕層に対する調査の状況

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 291 192 66.0%   2,386
申告漏れ等の非違件数 237 156 65.8%   2,035
申告漏れ所得金額 百万円 2,453 1,469 59.9%   20,358
追徴税額 百万円 671 456 68.0%   3,582
一件当たり 申告漏れ
所得金額
万円 843 765 90.7%   853
追徴税額 万円 231 237 102.6%   150

〇 海外投資等をした「富裕層」に対する調査の状況

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 10 15 150.0%   2,386
申告漏れ等の非違件数 8 12 150.0%   2,035
申告漏れ所得金額 百万円 190 167 87.9%   20,358
追徴税額 百万円 55 77 140.0%   3,582
一件当たり 申告漏れ
所得金額
万円 1,895 1,113 58.7%   853
追徴税額 万円 552 512 92.8%   150

2 1件当たりの追徴税額は所得税実地調査全体の1.7倍
 【海外投資等を行っている個人に対する調査状況】

  • 経済社会の国際化に適切に対応していくため、有効な資料情報の収集に努めるとともに、海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを効果的に活用し、積極的に調査を実施しています。
  • 令和元事務年度においては、165件(前事務年度176件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,081万円(前事務年度1,288万円)となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は17億8千3百万円(前事務年度22億6千6百万円)に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は256万円(前事務年度256万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の150万円(前事務年度152万円)と比べ1.7倍となっています。また、追徴税額の総額は4億2千2百万円(前事務年度4億5千1百万円)に上ります。

〇 海外投資等を行っている個人に対する調査状況

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 176 165 93.8%   2,386
申告漏れ等の非違件数 149 140 94.0%   2,035
申告漏れ所得金額 百万円 2,266 1,783 78.7%   20,358
追徴税額 百万円 451 422 93.6%   3,582
一件当たり 申告漏れ
所得金額
万円 1,288 1,081 83.9%   853
追徴税額 万円 256 256 100.0%   150

〇 取引区分別の調査状況

円グラフ|調査状況
(注) ( )内の数値は構成比

【1件当たりの申告漏れ所得金額】

棒グラフ|調査状況

(参考)

  1. 1 「輸 出 入」:事業に係る売上及び原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引をいう。
  2. 2 「役務提供」:工事請負、プログラム設計など海外において行う、労力、技術等の第三者に対するサービスの提供をいう。
  3. 3 「海外投資」:海外の不動産、証券などに対する投資(預貯金等の海外での蓄財を含む。)をいう。
  4. 4 「そ の 他」:海外で支払を受ける給与など、1〜3に該当しない取引等をいう。

3 1件当たりの追徴税額は所得税実地調査全体の約1.9倍
 【インターネット取引を行っている個人に対する調査状況】

  • シェアリングエコノミー等の新たな分野の経済活動をはじめ、インターネット取引を行っている個人に対しては、資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査を実施しています。
  • 令和元事務年度においては、120件(前事務年度119件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,163万円(前事務年度1,205万円)となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は13億9千6百万円(前事務年度14億3千4百万円)に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は286万円(前事務年度292万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の150万円(前事務年度152万円)に比べ1.9倍となっています。また追徴税額の総額は3億4千3百万円(前事務年度3億4千8百万円)に上ります。

〇 インターネット取引を行っている個人に対する調査状況

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 119 120 100.8%   2,386
申告漏れ等の非違件数 94 105 111.7%   2,035
申告漏れ所得金額 百万円 1,434 1,396 97.4%   20,358
追徴税額 百万円 348 343 98.6%   3,582
一件当たり 申告漏れ
所得金額
万円 1,205 1,163 96.5%   853
追徴税額 万円 292 286 97.9%   150

4 所得税・消費税無申告者に対して16億5千3百万円の追徴税額
 【無申告者に対する調査状況】

  • 無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、的確かつ厳格に対応していく必要があります。こうした無申告者に対しては、更なる資料情報の収集及び活用を図るなどして、実地調査のみならず、簡易な接触も活用し積極的に調査を実施しています。

<所得税無申告者に対する調査状況>

  • 令和元事務年度においては、247件(前事務年度299件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,889万円(前事務年度1,955万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の853万円(前事務年度840万円)に比べ2.2倍となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は46億6千5百万円(前事務年度58億4千5百万円)に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は275万円(前事務年度272万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の150万円の1.8倍となっています。また、追徴税額の総額は6億7千9百万円(前事務年度8億1千3百万円)に上ります。

<消費税無申告者に対する調査状況>

  • 令和元事務年度においては、489件(前事務年度505件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの追徴税額は199万円(前事務年度190万円)で、消費税の実地調査(特別・一般)全体の102万円(前事務年度87万円)の2.0倍となっています。また、追徴税額の総額は9億7千4百万円(前事務年度9億6千万円)に上ります。

〇無申告者に対する調査状況〈所得税〉

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 299 247 82.6%   2,386
申告漏れ所得金額 百万円 5,845 4,665 79.8%   20,358
追徴税額 百万円 813 679 83.5%   3,582
一件当たり 申告漏れ
所得金額
万円 1,955 1,889 96.6%   853
追徴税額 万円 272 275 101.1%   150

〇無申告者に対する調査状況〈消費税〉

(参考)
事務年度等 30事務年度 元事務年度     元事務年度 実地調査
項目 対前年比   (特別・一般)全体
調査件数 505 489 96.8%   1,671
追徴税額 百万円 960 974 101.5%   1,705
1件当たり追徴税額 万円 190 199 104.7%   102