開催日及び場所 | 平成29年9月14日(木) 福岡合同庁舎5階 共用第2会議室 | |||||||||||||||||
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委員 |
委員 青野 弘(青野公認会計士事務所 公認会計士) 委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 堺 祥子(井口・堺法律事務所 弁護士) |
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審議対象期間 | 平成29年4月1日(土)から平成29年6月30日(金) | |||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | |||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | ||||||||||||||||
競争入札(公共工事) | 1件 |
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随意契約(公共工事) | -件 | - | ||||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 3件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | - | ||||||||||||||||
うち応札(応募)業者数 1者関連 |
2件 |
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委員からの意見・質問 それに対する回答等 |
次ページ以降のとおり | |||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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高額の調達で、一者応札、高落札率となっている。 同一業務で別に2事案あるが、いづれも一者応札である。この業務が1者となる理由を確認したい。 また、なぜ総合評価落札方式を採用しているのか、どのように実施しているのか説明していただきたい。 福岡県・佐賀県地域と佐世保地域は、契約業者が同一であり、また、落札率も同じである。予定価格の積算方法について、佐世保地域の積算方法と併せて説明していただきたい。 | ||||||||||||||||
入札に参加することができる業者の数は何社か。 | A等級が1,245社、B等級が808社、C等級が3,127社、D等級が2,626社となっており、合計で7,806社が競争参加資格を有している。 | |||||||||||||||
説明会に参加し、入札には参加しなかった業者がいるが、この業者は、長崎地域の業務を請け負った業者と同じか。 また、入札に参加しなかった理由について確認したか。 | 長崎地区の業務を請け負った業者とは別の業者である。 入札に参加しなかった理由については確認していない。 | |||||||||||||||
競争参加資格等級はどのような考え方により付与されているのか。 | 競争参加資格等級は、事業者の生産高、自己資本額及び営業年数等に基づき決定し付与している。 | |||||||||||||||
本業務は、D等級の業者でも履行可能ということか。 | 履行は可能である。 なお、過去にD等級の業者が落札したことがあるが、業務はきちんと履行されている。 | |||||||||||||||
本業務については、平成20年度と平成23年度にも審議案件として抽出しているが、その際には、地区の仕分け方が適切なものとなっているかを検討した方がよいのではないかとの意見が出されており、これを踏まえ、地域の統合を行ったところであるが、必ずしも事業を統合したことより応札者数は増えなかったとみてよろしいか。 また、平成20年度以降、継続して株式会社アールエムケイオフィスが落札しているのかという点についても確認したい。 | かつては、事務所出張所単位で業務地域を決定していたが、市場化テストにおける議論の中で、地域を統合させて予定数量を多くすることにより業者の利益も増えるのではないかとのご指摘があったことを踏まえ、平成26年度の調達時から、福岡地域、北九州地域及び佐賀地域を統合させたところである。 なお、株式会社アールエムケイオフィスが落札したのは今回が初めてである。 | |||||||||||||||
前年度の契約業者は、地域統合をきっかけに入札に参加しなくなったのか。 | 前年度契約業者は、会社としての利益が少ないため今回は入札に参加しなかったと聞いている。 なお、今回落札した業者は、前年度の契約業者において本業務を担当していた者が独立して起業した会社だと聞いている。 | |||||||||||||||
本業務は、不動産鑑定業務が中心ということで良いか。 | 本業務は、国有の不動産の売買、賃貸借とそれに付随する諸々の業務であるため、宅地建物取引業が主となっている。 | |||||||||||||||
従前、宅地建物取引業者と不動産鑑定士に対して個別に発注していた業務を一括化して1つの業者に発注することにしたということか。 | 国の職員が直接業務に従事していた時は、通達に定められた手法に則って財産の評価等を行っていたところである。 本件は、様々な業務を一括してアウトソーシングするという形を導入しているものである。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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高額の調達で、一者応札であるため、競争の状況、予定価格の積算方法について確認したい。 また、平成26年度第1回の抽出事案と同一物品の調達であるが、その時は複数応札であったことから今回一者応札となった経緯について説明していただきたい。 なお、平成26年度は借入であったが、今回は購入なのか、借入なのかを確認したい。 | ||||||||||||||||
今回の借入対象は本体のみで、メンテナンス、保守については別ということか。 | 今回の契約は本体のみの借入であり、保守等は含まれていない。 | |||||||||||||||
本体を借入れる際に、借入期間に係る保守も合わせて契約することは難しいのか。 | 監視カメラの使用状況から、不意の故障を考えれば保守を入れた方が良いという考えもあるが、新品当初から保守が必要かということに関しては、費用対効果の面からも検討が必要である。 | |||||||||||||||
更新であるカメラも、当時は借入で調達したのか。 今回、購入ではなく借入で調達した理由は何か。 | 更新対象のカメラを調達した平成17年当時は、購入で調達した。 監視カメラシステムは高額なものであり、購入となるか借入となるかについては、調達時の予算事情による。 | |||||||||||||||
平成26年度に調達を行ったものは、非常に落札率が低く契約額も約5千万円であった。それが今回は9千9百万円程度となっており価格差がある。 レーザー方式から赤外線方式に変わったとのことであるが、方式の変更によってこのような金額差が生じるものか。 | レーザー方式と赤外線方式とでは、求められる技術やノウハウが異なることから、金額による単純な比較は難しい。 | |||||||||||||||
予定価格の算定に当たり、落札業者から見積書を取得している。落札業者が予定価格を予測できた可能性はないか。 | 取得した見積書について、当方がどの程度参考として使用しているか業者には分からないことから、予定価格を予測することは難しいと考えている。 | |||||||||||||||
落札業者以外から取得した見積書は、どのように使用したのか。 | 1者のみの見積書では価格の適正性が確認できないことから、競争相手となり得る者からも見積書を取得し、両者を比較することで、最も安価な機器構成となるようにしている。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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長崎港、八代港、名瀬港はそれぞれ2者応札であるが、鹿児島港のみ4者が応札しているにもかかわらず、高落札率である。予定価格の積算方法、競争の状況について確認したい。 鹿児島は地理的に便利な地域と思われるが、他の港に比べて契約単価が高い理由について、過去5年間の入札状況の経緯とともに説明していただきたい。 また、長崎港、八代港の入札状況調書を資料として添付していただき、入札状況を確認したい。 | ||||||||||||||||
入札状況調書を年度を遡って見ると、どの年度も4者が一定の順番で落札しているように思われる。その理由について検討したことはあるか。 | 予定価格については、デジタル物価版を基に公平に作成しているところであり、理由については不明である。 | |||||||||||||||
自社でバージ船を持っているのはH社なのか。 | H社は、長崎港においてバージ船を所有しており、鹿児島港においては所有していない。 | |||||||||||||||
鹿児島港では各社がバージ船を使って給油していると思うが、バージ船の利用料金の情報収集はできないのか。 | 業者に対し、バージ船の利用料金を聞いてしまうと、その金額を予定価格の基礎として使っているのではないかと思われ、予定価格を推測されてしまう可能性がある。 | |||||||||||||||
福岡よりも鹿児島の方が需給関係は逼迫しているのか。 | それについては、不明である。 | |||||||||||||||
鹿児島港で利用できるバージ船がどれくらいあるのかわからないのか。 | 業者からは、バージ船を持っているのはT社のみであると聞いている。したがって、それを各社が利用しているものと思われる。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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応札者が多いが同種工事の甘木税務署トイレ改修工事に比べ落札率が高い 両事案とも地元ではない遠方の業者が落札しているため、応札者の地理的状況、予定価格の算定方法等について確認したい | ||||||||||||||||
応札した6社に山口県下関市や広島県広島市の業者がいるが、受注後に自社施工は可能なのか。 | それぞれ粕屋郡久山町、福岡市東区に福岡営業所があり、落札後の施工は可能と判断している。 | |||||||||||||||
両案件とも地元の業者が受注できていないが、例えば同時期に同種の工事が多いなど、受注できない理由はあるのか。 | 特に同種の工事が多いなどの事情は聞いていない。 | |||||||||||||||
調査基準価格を下回る応札の方が多いが、予定価格の算定が適切でないのではないか。 | 予定価格は、市場価格等勘案した上で適切に算出している。調査基準価格は運用方針で予定価格の90%と決められており、予定価格との差はあまりない。今回の落札業者は近隣で別途施工中であったため、安価で応札が可能であったと聞いているが、このような特殊事情まで予定価格には反映しないので、調査基準価格を下回る応札があっても仕方がないと考えている。 | |||||||||||||||
落札者以外にも調査基準価格以下の応札者が複数いるので、調査基準価格が高すぎるということはないか。 | 調査基準価格の基礎となる予定価格は市販の物価本や市場価格に、過去の入札状況に応じた調整率を用いて算定している。例えば、応札する業者の機材が自社所有かリースかなどの個々の違いがあり、その部分まで予定価格に反映することは困難であるため、予定価格が高く設定されているとは言えないと考えている。 | |||||||||||||||
応札者が多数いたにも関わらず、辞退も多い。応札した業者が多数いるという情報が、入札説明会等を通じて参加業者に情報が漏れていることはないか。 | 入札説明会は実施しておらず、申込者に対する説明は個別に実施しているので、参加者数が分かることはない。 | |||||||||||||||
辞退者に対し、辞退理由のヒアリングはしたか。 | すべての辞退者から理由を聴取しており、今回の辞退理由は「他の工事を落札したため」または「他の工事を受注したため」と聞いている。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回抽出した4件の事案については、適正・的確に法に沿った調達手続きが尽くされていることを確認した。 全体の契約状況については、等級の拡大の努力などによって、各部局ともに、一者応札・随意契約の減少に努めており、一者応札・随意契約の残ったものの多くは、競争性の確保が困難な調達となっている状況であった。 一方、少数ながら競争が成立することが期待される案件も見受けられるため、競争性の確保のために、一層の一者応札の解消に取組んでいただきたい。 | |
(第1事案について) 一者応札改善のため、福岡・佐賀の2地区を統合し業務対象地域を拡大することで競争性の確保を目指したところだが、結果的に一者応札の解消に至っていない。 次回調達時には、業務対象地域の設定に関して、縮小も含め検討いただきたい。 また、土地建物取引業者に対して、事業者団体等を通じ、業務内容や調達手続きに関する情報提供をより積極的に行っていただきたい。 | |
(第2事案について) 一者応札が続いている状況であることから、同種調達がある長崎税関と、総合的、経年的に入札状況の検討を行うことで、競争参加者を増やし一者応札の解消に努めていただきたい。更に、両税関以外の税関においても同種の調達があることから、同様に情報交換し、検討していただきたい。 また、本件のような調達では、その後の保守又は修理の調達において一者応札となることが多いことから、当初の調達時に保守等を含めて競争を行えばこれらの費用の縮小が可能になると思われるので、契約形態の見直しについて検討していただきたい。 | |
(第3事案について) 今後も落札率が高率で推移していくか、応札状況を注視していく必要がある。 | |
(第4事案について) 応札業者13者のうち、辞退、不参加が7者と多いため、今後は辞退等が減少するような方策を検討する必要がある。 また、地元業者の参加が少ないようであるが、このような公共工事における地元業者の応札の活発化を図ることで競争性も高まると思われるため、地元の事業者団体に対して、国税局HPに入札情報が掲載されていることを広報するなど、積極的な情宣活動も大事ではないかと考える。 |