開催日及び場所 | 平成27年12月18日(金) 福岡合同庁舎5階 共用第2会議室 | ||||||||||||||||
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委員 |
委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 林 桂一郎(西日本綜合法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(立命館アジア太平洋大学 国際経営学部長) |
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審議対象期間 | 平成27年7月1日(水) 〜 平成27年9月30日(水) | ||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | ||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | |||||||||||||||
競争入札(公共工事) | -件 | - | |||||||||||||||
随意契約(公共工事) | -件 | - | |||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 4件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | - | |||||||||||||||
応札(応募)業者数1者関連 | -件 |
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委員からの意見・質問、それに対する回答等 | 別紙のとおり | ||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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公務員宿舎の維持管理業務については、本契約を含め当期中に5件の案件があるが、うち4件を同一の業者が受注しており、全体的な応札状況及び契約がこの業者に集中した理由などを確認したい。 また、これらの契約の中には1者応札があり、1者応札となった理由、辞退者がいる場合は辞退の理由、5件の落札率に高低差が生じた理由等について確認したい。 |
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長崎地区の入札において2者のうち1者が辞退しているが、維持管理を行う管理人に要求される業務の水準が高く適応者を見つけられないことが辞退することとなった主な理由となるのか。また、長崎地区は当該業務を行う業者が少ないのか。さらに入札の際の要求レベルを下げることは可能か。 | ご指摘のとおり適応者がいないことが主な理由であり、長崎地区に関しては、当該業務を実施できる業者も少ないのではないかと考える。 公務員宿舎の管理人業務は、居住者の入退去の際の手続きや、退去の際の原状回復の点検・指示・完了確認、宿舎の巡回等、宿舎を管理する上で必要な業務であり要求レベルを見直すことは困難と考えている。 |
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長崎地区の落札率は他の4件と比較して高率となっているが、1者応札の場合、他に競争者がいないという情報があれば高い金額になると考えられる。他に競争者がいるのかという情報は重要であり、そのような情報を得られなければ実質的に競争が働くものと考えるが長崎の入札状況はどうであったか。 | 今回5件の入札は、全て電子入札システムにより実施しており、応札者には他の競争者の有無は分からない状況となっており、競争が働いているものと考えている。 | |||||||||||||||
過去に実施した住宅維持管理業務の入札では、5者あるいは10者などと多数参加していないのか。また、管理人は当該住宅に常駐しているのか。 | 本件は5年に一度の入札であるが、前回23年度に実施した入札においても1者または2者の参加数で少ない状況であった。また、管理人は宿舎に常駐しており、週5日勤務となっている。 | |||||||||||||||
民間には住宅を管理する会社が多数存在すると思われ、その点では本件の応札業者は極端に少ないと考えるが、管理人の業務に特殊性があるからなのか。また、公務員宿舎は何十年も前からあるが、今回の落札業者が過去から連続して落札しているのか。 | 居住者が退去する際は壁・畳等を原状に回復する義務があり、その際の判断や指示・確認等は管理人の業務である。また、軽微な修繕が発生した場合の費用を国が負担するのか居住者が負担するのかの判断等も管理人の業務であり、これらは国特有の業務であり特殊性があるものと考えている。 落札業者について、過去の入札状況を詳細に把握していないが、本件業務の民間委託は十数年ほど前に始めたと記憶している。 |
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当該業者が5件の入札のうち佐世保地区のみ参加していない理由を確認したい。また、唐津地区の入札のおいて、落札金額と2位、3位の応札金額にかなり大きな格差が生じているがその原因は何か。 | 入札に参加していない具体的な理由は承知していないが、佐世保地区の業務は規模が小さいため利益が少ないと判断し参加しなかったものと考える。また、唐津地区の2位、3位の業者は、今回の入札へ新規に入札参加したもので、公務員宿舎の管理人業務のノウハウがなく、コスト的に高く見積もったのではないかと考える。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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競争入札が成立しており、落札率も比較的低率な案件であるが、過去には1者応札も多くあった案件と記憶しているが、今回の応札状況及び予定価格の算定状況について説明いただきたい。 | ||||||||||||||||
複数の応札があり競争が成立し、その結果、落札率も比較的低率となっているが、その点について具体的に説明願いたい。 これまではこの種の契約は予定価格に近い金額での契約となっていた印象を持っている。 |
昨年も同時期に維持上架と5年に1回受検する定期検査を合わせて発注しているが、昨年の落札率も比較的低率である。 また、近年の落札率についても、大きく変化があったという認識は持っていない。 |
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予定価格の積算方法について、積算資料を用いての積算方法を再度説明願う。 | 清掃作業を例にすると、
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ドックまでの回航費用は発注者が負担しているのか。 | 発注者負担としている。 | |||||||||||||||
入札参加資格の等級について、競争性を高めるため1等級上位に拡大したという説明だったが、等級を拡大した効果は具体的に表れたのか。 | 今回参加した2者はどちらも「C」等級の資格を有する業者であり、原則等級の「D」等級のみで調達を進めた場合、「応札者無し」の結果となっていた。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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1者応札であり、落札率も高率となっている。また、平成24年度第4回にも同一案件の抽出を行っているが、その際には複数者の応札があり、今回1者応札となった理由について説明願いたい。 なお、長崎税関の他の監視艇では過去に抽出した案件は、すべて複数者の応札があっており、本件のみの特殊な事情があるのかも確認したい。 |
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八代港が母港であるが近隣に上架整備可能な業者があまり存在しないというのは、大変だと思う。 また、監視艇の上架整備は、毎年実施されているが、頻度を2年に1回等フレキシブルに対応することにより、実施時期を各監視艇でずらすような形にすれば、応札者は増えることとなるのか。 |
今回の入札については、今まで参加していたB社は、他の監視艇入札案件と時期が重なり、参加条件が厳しいと思わせる部分もあったため、各監視艇の上架整備実施時期は更に検討を行っていきたい。 | |||||||||||||||
請負業者が参加可能な地域を拡大させるという話は前から行っているが、鹿児島の串木野港へ回航する場合、燃料代は何十万もかかるものか。 | 八代港から「ありあけ」で航行した場合、鹿児島県串木野港まで、約2時間、長崎県長崎港までは、2時間半程度かかる。「ありあけ」の燃料消費量は、時間あたり約500Lであるため、往復の航行に必要な燃料額は、10万円を超える程度の金額となる。 | |||||||||||||||
今回の上架整備は、定期検査の為の上架整備なのか。 | 法定検査ではなく、毎年行っている船体維持のための上架整備となる。 | |||||||||||||||
参考資料で、過去の入札実績をまとめているが、今回の契約金額は過去の案件に比べかなり高額となっているが、何か理由はあるのか。 | 過去の入札案件では、船体塗装を海水面より下の船底部分に限定しているが、今回は上甲板部等の船体上部についても塗装を行っており、過去の案件に比べ高額となっている。 | |||||||||||||||
「ありあけ」と同時期に「なんせい」も上架整備を実施しており、予定価格は「ありあけ」同程度の金額となっているが、やはり、「ありあけ」と同様に船体上部への塗装を行っているのか。 | 「ありあけ」が全長20mの船であるのに対し、「なんせい」は35m艇となっている。今回の上架整備工事で「なんせい」の塗装箇所は船底部分を中心としているが、船が大型であることから値段もかかっている。その他、機関部等の故障箇所の修繕もあり、積み重なるとこの金額となったものである。 | |||||||||||||||
「なんせい」は競争入札が成立し、「ありあけ」の入札へも従来参加していたB社が落札しているが、もう1者はどのような業者であるのか。 | 「なんせい」は鹿児島港に造船所を持つC社が入札に参加している。過去の入札案件では、C社との契約実績が多い状況である。 | |||||||||||||||
「ありあけ」を鹿児島港まで回航すると更に時間はかかってしまうのか。 | 串木野港から更に先となるので時間が大分かかってしまう。また、長崎税関では回航に要する燃料費用は請負業者が持つこととなるため、遠方の業者は不利となる。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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Aブロックは、1者応札となった案件である。また、Bブロックは不落随契でAブロックと同じ業者が受注している。予定価格の算定方法と入札状況について確認させていただきたい。 また、契約単価が異なっているが、これは業務内容が異なるからなのか、あるいは、もっと違う理由があるのか教えていただきたい。 更に、この案件は昨年度も抽出案件とさせていただいたが、1者応札となってしまう理由は何なのか、解消する可能性はないのか説明していただきたい。 |
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予定価格については、インターネットで公表されている数社の単価の平均を採用しており、入札参加者に推測されにくいよい方法だと評価できるが、インターネット上の価格は企業として競争を意識したかなり安価な金額を掲載していると認識している。地方の業者が受け入れることができるのか少し懸念されるが、最終的に平均値に何%か上乗せしているのか。 | 作業費については、インターネットに掲載されている金額の平均をそのまま使用しているが、作業費とは別に諸経費を上乗せしている。 | |||||||||||||||
今回の契約業者は、岡山の業者だが実際の作業はどこで行っているのか。全国的に封入業務を請け負っている会社なのか。 | 岡山の工場で作業を行っている。また、全国的に請け負っていると聞いている。 | |||||||||||||||
封入ミスが生じないよう機械を利用して作業を行う業者と聞いたが、同じように機械を利用して封入を行うことができる業者が全国でどのくらいあるか把握しているか。 | 全国にどのくらいあるかは把握していない。当局のように複雑な内容での封入を請け負ってくれる業者は限られているが、少なくとも複数あると認識している。 | |||||||||||||||
当局の認識している複数の業者は、参加資格の等級にすべて入っているのか。 | 入っている。 | |||||||||||||||
同じような作業が全国の国税局から一斉に発注されると思うが、どのようにしているのか他の国税局と情報交換はしているのか。 | すべての国税局と情報交換しているわけではないが、ほとんどの国税局が手作業により封入作業を行っている。封入ミスをなくすため、機械封入を検討し、対応可能な業者を探している国税局もあると聞いている。 | |||||||||||||||
送付方法は、郵便(日本郵便)でないといけないのか、宅配業者でもよいのか。 | 発送物が信書に該当するため、実質日本郵便しか取り扱えない。当局では発送に関しては、発送代行業務として別に入札を実施しているが、発送代行業者が取りまとめ、郵便局に持ち込み、最終的に配達は日本郵便が行っている。 | |||||||||||||||
受注できる業者があれば、全国規模で例えば北海道にある業者でもよいのか。送ること自体のコストに大きな差はないのか。 | 作業場までの封入物の配送費用や封入作業後の成果物の指定郵便局までの配送費用が高額となるため、できるだけ当局に近い方がよい。 | |||||||||||||||
手作業で実施している国税局もあるとのことだが、手作業と機械封入では単価はかなり違うのか。 | 他の国税局とは作業内容が違うため単純に比較できないが、当局でも前年は手作業であったため、当局の前年と比較すると単価は上がっている。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回抽出した4つの事案については、いずれも適法、適正な調達手続きが取られていることを確認した。 調達案件について全体的な意見を申し上げると、公共工事について高落札率の案件、不落で再入札の案件が見受けられる。予定価格との関係も加味しながら、高落札率の案件が今後増加していくのかどうか注視していただきたい。 随意契約案件は、競争性の確保が困難な案件がほとんどであることを確認した。また、1者応札案件についても、かなり業務の性格上限定的な案件に限られてきており、参加資格等級の拡大などの効果が1者応札の解消に役立っているという面が評価できる。 各部局とも競争性の確保に向け努力していることが評価できる。ただし、いくつか競争入札が成立する可能性があると思われる調達案件も見受けられるので、入札時期や公告期間を再検討するなど、一層の競争性の向上のために1者応札解消を図ることが重要である。 また、競争入札が成立した案件の中にも、競争参加者が2者のものは競争が十分働くよう、より競争者数の増加に向けた取組みに尽力いただきたい。 |
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(第1事案について) 全5件の応札状況を見ると1者に業務が集中している状況であり、また、応札業者の数や応札価格において少し不自然ではないかと思われることから、今後競争業者の参入促進の検討を進めていただくことが重要であり、このような入札状況が続かないかどうか注視していただきたい。 |
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(第2事案について) 現在の入札参加者でも競争が十分に働くよう応札状況について注視し、できるだけ現在の応札者でも競争が十分機能するように努めていただきたい。 |
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(第3事案について) 入札参加資格の等級拡大等、応札者確保への努力は行われており、参考資料として過去の入札案件実績を添付していただいているが、「ありあけ」上架整備工事については、今回が初めての1者応札となっている。 過去に入札参加実績のある者に対して、入札参加可能となる条件を検討し、複数者の応札が可能となるよう入札・調達時期の設定を行っていただきたい。 |
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(第4事案について) 1者応札解消に向け公告期間を拡大し、現在受注の可能性がある複数の業者での競争入札成立に向け努力するとともに、同時期に同業務が全国的に展開されているので、他の国税局の応札状況や機械封入に対応できる業者の有無及び受注の可能性についての情報を収集し、入札に参加してもらえるような方策を検討いただきたい。 |