税理士の使命

 税理士及び税理士法人(以下「税理士等」といいます。)は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図るという公共的な使命を負っています。なお、平成25年3月末現在で、全国で73,725人の税理士が登録を受け、また2,575の税理士法人が設立されています。

税理士の業務

 税理士業務であるまる1税務代理、まる2税務書類の作成、まる3税務相談は、たとえ無償であっても税理士等でない者は行ってはならないこととされており、同時に、税理士等に対しては、脱税相談や税理士等の信用又は品位を害する行為の禁止等、種々の義務と責任が課されています。
 納税者は、税理士等が提供するサービス(申告書の作成や専門的な助言)を利用することにより、適正に申告・納税することができます。また、企業や個人事業者は、帳簿の作成や決算などの会計業務についても税理士等に依頼したり、助言を受けるケースが多く、税理士等は申告の基礎となる正しい記帳の推進においても重要な役割を果たしています。

税理士業務の適正な運営の確保

 税理士制度に対する国民の信頼を確保するため、あらゆる機会を活用して注意喚起を行い、税理士等の非行の未然防止に努めています。また、税理士等に対する調査を的確に実施し、税理士法に違反した税理士等や、税理士等でないにもかかわらず税理士業務を行ういわゆる「ニセ税理士」に対しては、懲戒処分や告発を行うなど厳正に対処しています。
 税理士等に対して行った懲戒処分については、官報公告に加えて国税庁ホームページにおいても公表しています。

税理士・税理士法人に対する懲戒処分等件数のグラフ

税理士会等との連絡協調

(1) 書面添付制度の推進

 税理士法に定められている書面添付制度は、税理士等が申告書の作成に関して果たした具体的な役割を明確にすることができるとともに、国税庁としてもそれを尊重しようとするものです。具体的に、税理士等は、申告書の作成に関し、計算し、整理し又は相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付することができ、この書面が添付されている申告書を提出した納税者にあらかじめ日時、場所を通知して税務調査を実施しようとする場合には、その通知前に税務代理権限証書を提出している税理士等に対し、添付された書面に記載された事項に関して意見を述べる機会を与えなければならないというものです。
 この制度は、正確な申告書の作成・提出に資するとともに、税務行政の円滑化・簡素化が図られ、ひいては信頼される税理士制度の確立に結びつくものであることから、添付書面の記載内容の充実及び添付割合の向上が図られるよう、税理士会及び日本税理士会連合会(以下「税理士会等」といいます。)との協議を積極的に行うとともに、この制度を尊重し、一層の普及・定着に努めています。

(2) e-Taxの利用促進

 e-Taxの利用促進に当たっては、税理士等の果たす役割が大きいことから、国税庁では、税理士会等に対してe-Taxの利用促進に係る協力要請を行うとともに、税理士会等が開催するe-Taxに係る説明会へ講師を派遣し、税理士会等との協調を図っています。

税理士会と日本税理士会連合会

 税理士会は、税理士業務の改善進歩等のために、税理士等の指導、連絡や監督を行う、税理士法に定められた団体です。現在、全国に15の税理士会があり、各税理士会では、まる1税理士の資質の向上のための研修、まる2租税教育の充実のため、小・中学校、高等学校及び大学等への講師派遣、まる3小規模納税者などに対する無料税務相談など、幅広い活動を行っています。
 また、日本税理士会連合会は、税理士会を会員とする、税理士法に定められた全国で唯一の団体です。税理士会とその会員に対する指導、連絡や監督に関する事務のほか、税理士の登録に関する事務、税理士等に関する制度についての調査研究などの活動を行っています。詳しくは、日本税理士会連合会のホームページhttp://www.nichizeiren.or.jpをご覧ください。