(1)納税者サービス1

 納税者に、自発的かつ適正に納税していただくためには、あらゆる機会を通じて、納税の義務をご理解いただくことが何よりも重要です。また、税に関する情報を提供したり、税に関する疑問に答えたりすることも大切であると考えています。
 具体的には、納税者だけでなく広く国民各層に対して、税の意義や役割、税の仕組み等さまざまな情報を各種の説明会やテレビ、新聞のほか、税務署や市町村の窓口に用意したパンフレットといった、各種広報媒体を通して提供しています。また、最近では国税庁のホームページで、税に関する情報を公開するなど、税に対する知識が得られやすい環境の整備に努めています。
 このため、納税者が知りたい情報をいつでも必要な時に入手でき、その内容も納税者の視点に立った分かりやすい表現にするとともに、納税者の意見を反映させ、統一的な広報を行うといった目標を立て、実施しています。

租税教育

将来の日本を支える児童・生徒に対して、税金や納税の意味、役割などについて知識を深めてもらうため、学校教育の授業の中に租税教育が組み込まれるよう教育関係者に働きかけています。
 具体的には、国、地方公共団体、教育関係者からなる租税教育推進協議会などを設置し、租税教室の開催や租税教育用副教材等を作成・配付することにより、租税教育を推進しています。また、税務署見学や税の体験学習を希望する学校のために、租税教育専用の常設施設を一部の税務署に設置しています。例えば、東京上野税務署にある「タックススペースUENO」(税の体験学習コーナー)では、児童・生徒が自ら税に関する課題を見つけ、学び、考え、主体的に判断し、問題を解決する資質や能力を育てる場を設けています。

説明会

 国税庁は、税制改正の内容などを納税者に伝えて、理解を深めていただくための説明会を開催しています。全国の税務署において、確定申告や青色申告を行う方の決算書作成のための説明会、源泉徴収義務者を対象とした年末調整説明会、改正税法に関する説明会、新設法人のための説明会など、税に関する情報提供を行うためのさまざまな説明会を開催しています。税に関する手続きを行う上で必要な情報が、必要な時期に提供できるよう、それぞれの説明会を適時に開催しています。

表2 各種説明会の開催回数・参加人員
(平成16事務年度(2004事務年度)上半期)

(単位:回、千人)

  各種説明会 うち 改正消費税法説明会
開催回数
24,028 9,113
参加人数
1,312 252

税務相談室における税務相談

 国税庁は、納税者の税に関する疑問・相談に答えるため、税務全般について経験豊かな税務相談官などを全国の税務相談室に配置して電話や面接により税務相談に対応しています。また、東京、名古屋、大阪の各国税局の税務相談室には、外国人のための英語による税務相談窓口を設けています。更に、税務相談室における電話・面接による相談に加え、インターネット、電話音声、ファクシミリによる情報提供「タックスアンサー(税金相談)」も行っています。インターネットURLは「http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/index2.htm」です。電話音声・ファクシミリの電話番号やコード表は、お近くの税務署・市区町村の窓口で入手できます。

図7 税務相談室における税務相談の状況
税務相談室における税務相談の状況のグラフ

事前照会への回答

 国税庁は、通達の公表や税務相談室における税務相談などを通じて、一般的な税法の解釈・取扱いについての情報を提供しています。また、納税者が実際に行う取引への税法の具体的な適用について不明な点がある場合には、税務署などに問い合わせすれば口頭で回答しています。
 事前照会に対する文書回答は、納税者サービスの一環として、個別の取引、事実等に係る税務上の取扱い等に関する事前照会に対する回答を文書により行うとともに、その内容を公表する手続きとして、平成13年(2001年)9月に導入されました。
 導入当初は、特定の納税者の個別事情に係る事前照会については回答の対象外でしたが、納税者が自己が行おうとする取引などについて、税法の適用の予測が一層向上するよう、平成16年(2004年)3月以降、特定の納税者の個別事情に係る事前照会についても、濫用の防止等のための要件に該当しない限り対象とすることにしました。同時に、同一の業種・業態等に共通する一般的な照会については、一定の要件の下に、同業者団体等からの照会に対し一般的な回答を行うという手続きも導入いたしました。
 新しい文書回答手続きの下では、従来対象とならなかった個別性の強い新たな取引や中央省庁からの照会に対し、積極的に回答しており、この結果、文書照会の件数は最近大幅に増加しております。

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