日時: 令和3年3月30日 13時28分〜13時58分
場所: 国税庁第二会議室/オンライン
出席者: 国税審議会委員 秋葉委員 遠藤委員
大倉委員 小川委員
鹿取委員 川北委員
川嶋委員 河村委員
木村委員 神津委員
小関委員 佐藤委員
立道委員 手島委員
中空委員 山田委員
吉村委員
説明者 国税庁 可部国税庁長官
東国税不服審判所長
鑓水国税庁次長
森山国税不服審判所次長
木村審議官
重藤課税部長
槇原徴収部長
平井調査査察部長
細田総務課長
高橋人事課長
永田企画課長
郷酒税課長
原田国税企画官
総務課長
それでは、定刻より少し早いのですが、皆様おそろいですので、第22回国税審議会を開催します。
国税庁総務課長の細田です。本日はよろしくお願いいたします。
本日は、皆様お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
今年の1月6日付で、当審議会委員の発令がございましたので、後ほど、会長をお決めいただきますが、それまでの間、私が進行役を務めさせていただきます。
本日は、委員の過半数の方々に御出席いただいていますので、国税審議会令第8条第1項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しております。
まず、本日御出席いただいております委員の方々を50音順に御紹介させていただきます。
秋葉賢一委員。
秋葉委員
秋葉です。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、遠藤みどり委員。
遠藤委員
遠藤でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、大倉治彦委員。
総務課長
続きまして、小川令持委員。
小川委員
小川です。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、鹿取みゆき委員。
鹿取委員
鹿取と申します。本日はよろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、川北力委員。
川北委員
川北です。よろしくお願いします。
総務課長
続きまして、川嶋三恵子委員。
川嶋委員におかれましては、今年1月より、新たに委員に御就任いただいております。
川嶋委員
川嶋です。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、河村芳彦委員。
河村委員
河村です。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、木村純子委員。
木村委員におかれましても、今年1月より、新たに委員に御就任いただいております。
木村委員
木村純子です。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、神津信一委員。
神津委員
神津信一です。どうぞよろしくお願いします。
総務課長
続きまして、小関卓也委員。
小関委員
小関でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、佐藤英明委員。
佐藤委員
佐藤英明です。どうぞよろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、立道昌幸委員。
立道委員におかれましても、今年1月から、委員に御就任いただいております。
立道委員
立道と申します。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、手島麻記子委員。
手島委員
手島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、中空麻奈委員。
中空委員
中空です。よろしくお願いします。
総務課長
続きまして、山田洋委員。
山田委員
山田でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、吉村典久委員。
吉村委員
吉村でございます。どうぞよろしくお願いします。
総務課長
ありがとうございます。
なお、石田千委員、今回新たに委員に御就任いただきました土居丈朗委員、廣重美希におかれましては、御都合により御欠席されています。
続きまして、行政側の出席者について紹介をさせていただきます。
まず、可部国税庁長官。
国税庁長官
可部でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
続きまして、東国税不服審判所長。
国税不服審判所長
東でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
鑓水国税庁次長。
国税庁次長
鑓水です。よろしくお願いします。
総務課長
森山国税不服審判所次長。
国税不服審判所次長
森山です。よろしくお願いいたします。
総務課長
木村審議官。
木村審議官
木村です。よろしくお願いいたします。
総務課長
重藤課税部長。
課税部長
重藤です。よろしくお願いします。
総務課長
槇原徴収部長。
徴収部長
槇原です。よろしくお願いします。
総務課長
平井調査査察部長。
調査査察部長
平井でございます。よろしくお願いします。
総務課長
高橋人事課長。
人事課長
高橋でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
永田企画課長。
企画課長
永田でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
郷酒税課長。
酒税課長
郷でございます。よろしくお願いいたします。
総務課長
原田国税企画官。
国税企画官
原田です。よろしくお願いいたします。
総務課長
以上でございます。
それでは、委員の皆様方で国税審議会の会長の選任をお願いしたいと思います。
国税審議会令第5条第1項によりまして、会長は委員の皆様の互選により選任していただくことになっております。
どなたか御推薦はございますか。御推薦のある方は、挙手ボタンをお願いします。
吉村委員、御発言をお願いします。
吉村委員
これまで、会長代理や国税審査分科会の分科会長代理をされていました山田洋委員が識見、経験ともに会長として適任ではないかと思い、山田委員を会長に推薦いたしたいと存じます。
総務課長
吉村委員、ありがとうございます。
ただいま山田委員を会長にという御意見がありました。
ほかに御意見はございますか。
それでは、山田委員に会長をお願いするということでよろしいでしょうか。
異議なしの方は、挙手ボタンをお願いいたします。
(「異議なし」の挙手あり)
ありがとうございました。
それでは、山田会長ということでお願いいたします。
では、山田会長から一言御挨拶をいただきまして、その後の議事進行をお願いしたいと思います。
山田会長、よろしくお願いいたします。
山田会長
御指名いただきました山田でございます。
獨協大学で行政法を担当いたしております。したがいまして、必ずしも租税法が専門というわけでございませんが、今後もしっかりやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
さて、それでは、国税審議会令第5条第3項によりまして、会長が、その職務を代理する委員をあらかじめ指名するということになっております。そこで、会長代理の指名を行いたいと思います。
これまでも、税理士分科会長として御尽力いただいておりました、佐藤委員にお願いしたいと思いますが、佐藤委員、いかがでしょうか。
佐藤委員
はい、承知いたしました。よろしくお願いいたします。
山田会長
ありがとうございます。よろしくお願いします。
それでは、本日の議題に入ります前に、可部長官より御挨拶をいただきます。
長官、よろしくお願いします。
国税庁長官
国税庁長官の可部でございます。国税審議会の開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。
ただいま選任されました山田会長、また、佐藤会長代理はじめ、本日御出席の委員の皆様方には、大変お忙しい中、御出席を賜りましたこと、誠にありがとうございます。また、今回の委員御就任に際しまして、快くお引受けをいただきましたこと、改めて御礼を申し上げさせていただきます。
国税審議会では、「不服審査における通達と異なる法令解釈」、「税理士業務の適正な運営」、「酒類業の健全な発達」に関する重要な事項について御審議をいただくこととされています。
今後、分科会におきまして、これらの事項について御審議をいただく際には、忌憚のない御意見を賜り、御指導をいただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
この機会に、最近の国税庁の取組につきまして御紹介をさせていただきます。
この1年の最大の課題は、新型コロナウイルス感染症への対応でございました。新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、納税が難しい方には、資金繰り支援の一環として、本年2月1日までの間、特例猶予の制度を適用し、迅速かつ柔軟に納税を猶予する取組を行ってまいりました。そして、特例猶予制度の終了後につきましても、納税猶予に関する申請書類の簡素化などを行い、納税者の置かれた環境や心情に十分配慮して、迅速かつ柔軟な対応に努めています。
また、令和2年分確定申告につきましては、緊急事態宣言の期間が確定申告期間と重なることを踏まえまして、十分な申告期間を確保して確定申告会場の混雑回避の徹底を図るという趣旨から、本年2月2日に、昨年と同様、確定申告の期限を全国一律で4月15日まで1か月間延長することを決定いたしました。
確定申告では、密を避けるために、申告会場への来場者数の削減・分散を図ることが重要であり、究極の感染防止対策はe−Taxの活用であると考えています。このため、給与所得者などにはダイレクトメールでe−Taxの御利用を勧奨するなど、e−Taxの普及に努めています。
まだ確定申告継続中ですが、これまでのところ、スマホ申告をはじめとしまして、自宅からのe−Taxが前年比で大幅に増加いたしました昨年を、さらに上回って推移しています。
また、AIを活用したチャットボットによる税務相談も幅広く御利用いただいています。
今回の新型コロナウイルス感染症への対応でも見られましたように、社会全体としてデジタル技術の活用の大幅な進展が求められており、加えまして、近年、国税組織を取り巻く環境は、経済活動のICT化やグローバル化の進展によりまして、急速に変化しています。
こうした状況の下でも、国税庁が、引き続き、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という使命を果たしていくためには、2つの柱に沿って国税庁自身も進化していく必要があると考えています。
一つは、「納税者の利便性の向上」です。
申告納税制度の下では、納税者の皆様の御理解と御協力を得ていくことが何よりも大切です。納税者の皆様が、より便利に、スムーズに申告や納税の手続を行っていただけるよう、納税者サービスの充実に向けた施策を実施し、納税環境の整備に一層取り組んでまいりたいと考えています。
もう一つは、「課税・徴収の効率化・高度化」です。
適正な申告を行われた納税者の方が不公平感を抱くことのないように、課税・徴収の効率化・高度化を図りつつ、悪質な納税者に対しては厳正な態度で臨むことにより、適正・公平な課税・徴収を実施していかなければなりません。
そのためには、AIといった日々進化するICT技術の活用などの取組をさらに進展させていくこととしています。
次に、本年における重点的な取組について申し上げたいと存じます。
第1に、税務行政のデジタルトランスフォーメーションの取組です。
昨今、企業におきましては、ビジネス環境の激しい変化に対応するために、デジタルトランスフォーメーションを推進する動きが広がりつつあります。また、今般の新型コロナウイルス感染症を機に、行政全体としてもデジタル化を進めることの重要性が再認識され、政府としてもデジタル庁創設の取組が進められています。
国税庁では、平成29年6月に、おおむね10年後をイメージした「税務行政の将来像」を公表させていただきましたが、この公表から既に3年以上が経過しており、この間にもデジタル技術は急速に進展しています。
今後は、こうした変化や納税者の皆様のニーズを十分に踏まえて、これまで書面や対面で行われていた手続や業務を抜本的に見直し、税務行政のデジタルトランスフォーメーションについて、既存の価値観や枠組みにとらわれずに、柔軟な発想の下で、大きく前進させたいと考えています。
第2に、インボイス制度の円滑な導入に向けた取組です。
令和5年10月から導入されますインボイス制度につきましては、本年10月から適格請求書発行事業者の登録申請の受付が開始されます。インボイス制度の円滑な導入に向けては、事業者の皆様に制度の理解を深めていただいた上で、それぞれの実態に応じた対応や準備を進めていただくことが重要です。
そのため、国税庁では、制度に関するQ&Aやパンフレットなどを国税庁ホームページに掲載するほか、オンライン形式を含む説明会への講師派遣等を実施してます。
引き続き、インボイス制度の円滑な導入に向けて、関係民間団体の御協力もいただきながら、関係省庁と緊密に連携の上、周知・広報などに取り組んでまいりたいと考えています。
第3に、酒類行政に関する取組です。
酒類行政につきましては、酒税の適正な賦課・徴収のほか、酒類業の振興に向けた取組を進めています。
とりわけ、輸出促進につきましては、農林水産物・食品の輸出額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円とする政府全体の方針を踏まえて、積極的に取り組むこととしています。
今後は、輸出重点品目として位置づけられました清酒、ウイスキー、本格焼酎・泡盛を中心に、日本産酒類の輸出に取り組む事業者を引き続き力強く後押ししてまいります。
また、日本酒・焼酎などのユネスコ無形文化遺産への登録に向けまして、文化庁が行う醸造技術などの調査に協力を行い、日本酒造組合中央会等とも連携をして、文化遺産としての保存・活用体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
以上、最近の国税庁の取組について、御紹介をさせていただきました。
委員の皆様方におかれましては、こうした取組に対しましても、広い御見地から忌憚のない御意見、御指導を賜りたいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
山田会長
ありがとうございました。
それでは、まず本日の会議の議事要旨及び議事録の公開につきまして御説明します。
国税審議会議事規則第7条第2項に基づきまして、まずは簡潔な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は完成次第公表させていただきたいと思います。なお、議事録につきましては、公表前に皆様方の御発言内容について確認をさせていただきたいと思います。議事要旨の内容につきましては、会長一任ということでよろしいでしょうか。
御異議のない方は、挙手ボタンをお願いします。
(「異議なし」の挙手あり)
山田会長
御異議がないということで、そのように取り計らわせていただきます。
では、以下、議事次第に従って進行してまいります。
国税審議会・各分科会の概要及び最近の活動状況、それから、新型コロナウイルス感染症に関する国税庁の取組につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。
それでは、事務局のほうからお願いします。
国税企画官
国税企画官の原田でございます。
私のほうから、資料3に従いまして、国税審議会・各分科会の概要及び最近の活動状況を、説明させていただきます。
まず、1ページの国税審議会の概要について、御説明します。
国税審議会は、平成13年に国税審査会、税理士審査会及び中央酒類審議会が統合され、発足しました。
本審議会の下には、国税審査分科会、税理士分科会及び酒類分科会の3つの分科会が設置されてます。
また、本審議会の所掌事務は、2の所掌事務に記載のとおりです。
2ページを御覧ください。
前回の開催は、令和2年10月でした。各分科会の活動状況、税務行政の現状と課題、国税審議会議事規則等の改正について御審議いただいてます。
次に、3ページを御覧ください。
国税審査分科会は、国税不服審判所長が国税庁長官通達の法令解釈と異なる解釈による裁決を行う場合、また、法令解釈の重要な先例となる裁決を行う場合において、国税庁長官が、国税不服審判所の意見を相当と認めない場合等に審議を行うこととされてます。
4ページを御覧ください。
前回の開催は、平成31年3月に、分科会長の互選を行っていただきました。
続きまして、税理士分科会です。
5ページを御覧ください。
税理士分科会は、税理士試験の執行及び税理士に対する懲戒処分等の審議を行うこととされています。
6ページを御覧ください。
前回の開催は、令和2年12月でした。税理士試験の関係では、税理士試験の実施結果、指定研修の実施結果、試験問題についての御審議をいただきました。
また、税理士の懲戒処分に関しても御審議いただいてます。
引き続きまして、酒類分科会の活動について、説明させていただきます。
7ページを御覧ください。
酒類分科会では、酒税の保全のために酒類業者に対して命令を行う場合、酒類の表示基準等について制定を行う場合、さらには、エネルギーや環境関連の法律に基づきまして、酒類業者に命令を行う場合などにつきまして、審議を行うこととされています。
前回の開催は、平成31年3月でありました。分科会長互選及び分科会長代理の指名、酒類行政における最近の取組等、資料に記載してます5つの議題に関して御審議いただきました。
以上、国税審議会・各分科会の概要及び最近の活動状況について、説明させていただきました。
総務課長
続きまして、資料4を御覧ください。私のほうから新型コロナウイルス感染症に関する国税庁の最近の取組について御紹介をさせていただきます。
2ページをお願いいたします。
初めに、現在、全国の税務署で行われています令和2年分の確定申告について、御説明させていただきます。
資料にございます令和2年分の確定申告についてですが、全国の申告会場におきまして、来場者の方々が安心して確定申告会場を御利用できるよう、様々な環境整備を行っているところです。
1つ目が、確定申告期間中の来場者数の削減・分散の取組です。まず、自宅等からのe−Tax利用のさらなる推進が重要だと考えています。現在、e−Taxの利用率は、法人で約9割、個人でも約6割です。ある意味、究極の感染防止対策はe−Taxの活用ではないかと考えているところです。
具体的には、e−Taxは、納税者の方々にとってみると申告会場に足を運んでいただく必要がないこと、また、国税庁にとっては入力の事務などが効率化できること、また、社会的にも感染防止になることということで、三者にとってメリットがあるものだと考えています。
これをさらに推進するため、給与所得者の方々には、例えばダイレクトメールによる利用勧奨ですとか、また、大企業においては、従業員の方々の感染リスクのコントロールにもなりますので、そういったところに説明会等の開催をお願いするといったことで、積極的に御対応をいただいたところです。
他方で、公的年金を受給されている方からの医療費控除の還付申告などにつきましては、必ずしもe−Taxへの移行というのは容易ではないと思いますので、本年は通常の確定申告期間より前倒しで確定申告会場を設けて、申告相談をスタートしたところです。
次に2つ目にあります確定申告会場内の混雑緩和です。
確定申告会場では、会場内の混雑を緩和し、3密を回避するため、会場レイアウトを大幅に見直す、また、納税者の方や職員の間のソーシャルディスタンスを確保するようにしています。
それでも、ピーク時には多数の納税者の方々が来場される可能性がありましたので、今年初めての試みとして、入場時間を指定した入場整理券を発行しました。この入場整理券は当日発行に加えて、事前にオンライン発行できるようなシステムを全国で導入し、多くの方々に御利用いただいているところです。
3つ目が確定申告会場の基本的な感染防止対策の徹底です。申告会場では、入場時の検温、こまめな換気・消毒、また、マスクに加え、フェースシールドの着用といった基本的な感染防止対策の徹底を行っているところです。
令和2年分確定申告については、こうした様々な感染防止策をあらかじめ講じた上で臨んだところですが、年明け後に出されました緊急事態宣言、これが2月に延長され、延長期間が確定申告の期間と重なることになりました。
これを受けまして、2のところに書いていますが、申告所得税等の申告期限・納付期限を全国一律で3月15日から4月15日まで延長したところでございます。
こうした様々な対策を通じまして、確定申告会場に来場される方が安心して申告できるような環境を整備しているところです。
続きまして、3ページ目を御覧ください。
納税者の中には、コロナの影響を受けて納税が難しい方もいらっしゃると思います。そうした方々に対する対応について、御説明させていただきます。
資料の上段は、本年2月1日までの対応ということで記載をしています。昨年4月に国会でコロナ税特法が可決されたことを受けまして、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの事業者の収入が急減しているという状況の中で、手元資金を事業継続のために回していただけるように、令和2年2月1日から令和3年2月1日までに納期限が到来する国税を対象に、無担保かつ延滞税なしで、1年間、納税を猶予する特例、特例猶予と呼んでおりますけれども、これを令和2年4月30日から行ってきたところです。
この特例猶予の適用に当たりましては、納税者の置かれた状況等に配慮しつつ、積極的な周知・広報を行うとともに、迅速かつ柔軟に適用するように努めてまいりました。
その結果、令和2年4月から令和3年1月までの数字ですが、約30万件、税額で約1兆3,900億円の適用があったところです。
続きまして、下段ですが、この特例猶予制度が法律に従いまして2月1日に終了しましたが、その後も既存の猶予制度を利用していただくことが可能となっています。
この既存の猶予制度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者に対し、適用する際に、納税者の個々の実情を十分に伺いながら、事業継続に必要な運転資金に配意して、柔軟に対応することとしています。
具体的には、この枠囲みにあるように、納税者からの資料提供が困難な場合には、聞き取りにより審査を行うことで、資料のやり取りを簡略化すること、また、担保提供が明らかに可能な場合を除き、担保を不要とすること、社会保険料や地方税の猶予を申請している場合には、その申請書類の写しを添付することで、一部書類の記載や添付省略を可能とすること、こうしたことにより、柔軟に対応しているところです。
以上のように、令和2年分の確定申告を中心に新型コロナウイルス感染症に関する当庁の取組を説明させていただきました。
確定申告期間が残り2週間程度になりましたが、引き続き、申告会場の感染防止策を図り、納税者の方々が安心して来場していただけるように努めてまいりたいと考えています。
私からは以上です。
山田会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局から御説明いただいた事項につきまして、何か御質問、あるいは御意見等ございますでしょうか。
この場での御発言を御希望の方は挙手ボタンをお願いいたします。
特にございませんか。特にないようでしたら、質疑応答は終了させていただきます。
本日の議題は以上ということになりますが、ほかに何か、御発言とかございますか。
特にございませんようですので、本日の会議を終了することといたします。
これをもちまして第22回の国税審議会を閉会させていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。

――了――