1. 日時

平成16年11月22(月) 10:00〜12:00

2. 場所

国税庁第二会議室

3. 出席者

  • (懇談会メンバー)
    • 井岸松根、岡本勝、奥村洋彦、小宮信夫、須磨佳津江、田嶼尚子、寺沢利雄、本間千枝子、水谷研治、山下友信(敬称略)
  • (国税庁)
    • 岡本審議官、小鞠酒税課長、浜田鑑定企画官、亀井酒税企画官、初谷、井澤、前田、土屋、永田、(以上酒税課課長補佐)

4. 議事概要

平成16年2月24日(第11回)以降再開された懇談会における取りまとめ等について、意見交換が行われた。概要は次のとおり。

(1) 学生に対して行った飲酒教育等に関するアンケート結果について

  • ○ 学校教育については、小さい頃の記憶が、どの程度覚られているか不確かな部分がある。小学生、中学生、高校生それぞれに対して繰り返し教育していくことが重要だと思う。
  • ○ このアンケートに、不明確な部分があるのは否めない。しかし、スーパーやコンビニエンスストアで働くアルバイトの方々に対しても、業界の方は教育していると言っていたが、実際はしていないのではないか。
  • ○ アルバイトを教育すべきであるが、酒類に関することよりも優先すべきことはたくさんある。規制をする以上は、罰則が必要であり、それには証拠と人が必要となる。本気でそこまでやる気なのか。
  • ○ 100%の実施を目指しても実際は20%程度しか酒類に関して教育できていないと、業界へ示すことも必要である。
  • ○ サンプル数が小さく、指標としての信頼度は低い。しかし、酒類小売店において、店員教育が行われていないだろうという推測と合致していた。
  • ○ 今回のアンケート内容は、大人が子どものためにやった行為のみであり、その効果がどれだけあったかは不明である。未成年者飲酒防止についてどのような教育を受けたか、酒についてどう思ったかなど大人が伝えようとしたことが受け止めてもらえたかどうかについてもアンケートをとらないと、大人の言い訳になるおそれがある。
  • ○ 業界が公言しているような年齢確認の徹底した指導は、実際にはやっていないと言えるだろう。

(2) 懇談会座長取りまとめについて

  • ○ 売る側には罰則があるのに対し、未成年者自身は飲酒して乱暴してはじめて警察の所轄になる。飲酒した未成年者に対し、例えばポイントのようなものを累積し、それによって一定期間運転免許を取れないなどの罰則はできないか。そうすれば、売る方にも未成年者の将来に影響を与えるということで、売ることに責任が生じるのではないか。
  • ○ 飲んだ個人の責任を追及しないと、問題は解決しない。例えば、飲酒運転に対する罰則強化は、効果があったと思う。泥酔している場合には、罪を犯しても無罪になるようなことを改めて、厳罰に処するなどの対応をすべきである。そうすることで「飲酒することであなたの人生を台無しにしてしまう。」という話ができ、家庭教育が生きてくる。
  • ○ 福祉犯であるから、罰則は困難であるとこの懇談会で了承する必要はない。このような意見もあるとして、刑法の側にはっきりと懇談会の意見を言った方がいいのではないか。
  • ○ 福祉犯の延長線上であれば説得力は弱い。「福祉犯といえども未成年者の行動規制をきちっとすべきである」などもっと明確にするほうがよい。
  • ○ 省庁間の縦割りのようなできることとできないことの壁の中だけの議論とせず、壁の外に向かって意見を言っていく必要がある。
  • ○ 刑法学者には相手にされないかもしれないが、懇談会としてはなぜ改正が必要かの理由をきちっと明らかにすることが大事である。 
  • ○ 未成年者飲酒防止が主眼となっており、未成年者飲酒禁止法は酒販店も飲食店も一緒に考えているが、酒税法は酒販店のみである。飲食店は他省庁の所管となっているが、販売段階における未成年者の飲酒防止を考えるのであれば現行法体系の見直しまで踏み込む必要がある。当懇談会の提言としてそこまで言ってよいかどうかは不明であるが、そこまで踏み込んでいかなければいけない問題であると思う。
  • ○ アメリカではID確認が定着しているが、我が国ではプライバシーの問題もあり定着するかどうかは不明である。
  • ○ ドイツには営業規制がないと記載されているが、閉店時間の規定があったと思うので、それについは記載したほうがよい。全ての業種に網が掛けられたもので、酒類業に関しても網羅されている規制である。
  • ○ 「未成年者飲酒防止への取組」と「適正飲酒の推進」のテーマで整理しているが、そのようになった根拠や理由を記載したほうがよいのではないか。
  • ○ 「着実な取組を期待するものである。」という記載も、逃げている気がする。例えば、酒類業界全体としてはどうすべきであり、その中で販売業としてできる措置は何かといったことを懇談会として提言するような方法がよいのではないか。
  • ○ 業界全体で行う必要があるから行政は必要な指導、幅広い広報等を行うというのは、論理的におかしい。社会全体で取組むべき事項なので、業界も行政も取組むという表現にすべきである。
  • ○ アメリカの年齢確認の状況については、日本もこのような方向を目指すのかどうかを明確にすべきではないか。
  • ○ アメリカの年齢確認の状況については、州によって取組内容が異なるので「アメリカでは」は「アメリカではこういった州もある」ような表現が好ましいと考える。
  • ○ 現行の成人識別機能の識別方法の一つは、運転免許証の生年月日欄を読み取って判定しているので、購入者が年齢をごまかせない機能となっているというが、そのような方法であれば、免許証を貸し借りすることにより、未成年者でも購入することが可能ではないか。

(注) ○印はメンバーからの意見である。