日時: 令和4年 1月 19日 13:30~14:41
場所: 国税庁南430会議室
出席者: 酒類分科会委員 吉村分科会長 小関委員(分科会長代理)
大倉委員 鹿取委員
川嶋委員 木村委員
立道委員 手島委員
中空委員
説明者 国税庁 田村審議官
郷酒税課長
山脇鑑定企画官
宮葉輸出促進室長
田畑企画調整官
齋藤課長補佐
清水課長補佐
大貫企画専門官
ビール酒造組合 岸野専務理事
川野輪審議役

吉村分科会長

皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより第22回酒類分科会を開催いたします。
酒類分科会長の吉村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。なお、マスクを付けたままお話をさせていだくことを御寛恕いただければ幸いです。
委員の皆様方には大変お忙しいところ、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日は、廣重委員が欠席でございますが、委員の過半数の方々が御出席でございます。国税審議会令第8条第1項及び第3項の規定に基づき、本会は有効に成立しております。
国税庁の出席者につきましては、お手元の配席図のとおりでございます。それでは、まず、田村審議官から御挨拶を頂いた後に、議題に入りたいと思います。
それでは、田村審議官よろしくお願いします。

田村審議官

審議官の田村でございます。よろしくお願いいたします。
酒類分科会の開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。委員の皆様におかれましては大変御多用中にもかかわらず、御出席賜りまして誠にありがとうございます。また、日頃より酒類行政はもとより税務行政全般につきまして多大なる御理解と御協力を賜っておりますことにつきまして、厚く御礼申し上げたいと存じます。
本日は、皆様にお諮りいたします事項は大きく2点ございます。まず、酒類の公正な取引に関する基準を定める件の一部改正についてでございます。この基準は酒類業組合法に基づき平成29年3月に定められまして国税庁において運用してまいりました。この基準は法律におきましておおむね5年ごとに再検討し必要があれば改正することと規定されてございます。
基準制定から5年を迎える本年3月を見据えまして、これまでの調査結果などを踏まえた見直しを行い、必要な改正を行わせていただきたいと考えております。
次に、清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正及び酒類における有機の表示基準を定める件の廃止等について御議論いただければと存じます。こちらは日本産酒類のブランド価値の向上及び輸出環境整備等の観点から、酒類の表示制度について見直しを行い、必要な改正等を行わせていただきたいと考えているところでございます。
そのほか、酒類行政における最近の取組を御報告させていただくとともに、ビール業界におけるCO2排出量削減の取組につきましては、ビール酒造組合から御説明させていただきたいと存じます。
本日は、様々な議題がございますけれども、皆様方の広い御見地から忌憚のない御意見を賜らせていただければ有り難く存じます。是非、よろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。
本日はよろしくお願いいたします。

吉村分科会長

どうも、ありがとうございました。
それでは、本日の議題について述べさせていただきたいと思います。本日の議題は全部で6件ございます。そのうち1から4までにつきましては、これは委員の御承認が必要な事項であります。5と6につきましては報告事項になります。
まず、第1の議題は酒類の公正な取引に関する基準を定める件の一部改正について、第2の議題は清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正について、第3の議題は酒類における有機の表示基準を定める件の廃止について、第4の議題は酒類の表示の基準における重要基準を定める件の一部改正について、以上が審議事項です。
報告事項である第5番目の議題は、酒類行政の最近の取組等。報告事項である第6番目の議題は、ビール業界におけるCO2排出量削減の取組についてであります。
まずは、議題1から5までにつきまして、まとめて事務局から御説明を頂き、その後に議題を分割しながら審議をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

郷酒税課長

吉村会長、ありがとうございます。
酒税課長、郷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。資料に基づきまして、議題の1から5について御説明をさせていただきます。
資料表紙を1枚おめくりいただきまして、目次のところを御覧ください。諮問させていただきたい事項、大きく二つ、一つ目として酒類の公正な取引に関する基準について、二つ目として清酒の製法品質表示基準の見直し等について。この二つ目の諮問事項につきましては、議題の2から4に相当する部分でございます。そして、三つ目として議題の5に相当する部分が報告事項でございます。
それでは、早速、酒類の公正な取引に関する基準について、まず、御説明申し上げます。資料1ページを御覧ください。現在の基準につきましては、平成28年の改正法に基づきまして平成29年3月に制定公布されたものでございます。具体的な中身につきましては、(1)価格要件、(2)影響要件の双方の要件に該当する場合には指示、公表、命令、罰則の対象となるとされておりまして、このうち価格要件の中身につきましては、売上原価の額と販管費の額との合計額、言わば総販売原価を下回る価格で継続して販売してはなりませんということが定められているところでございます。
この価格要件のそれぞれの算定方法につきましては、真ん中の枠囲いにございますが、売上原価につきましては仕入価格から仕入値引することができるリベートについて定義をしております。また、販管費の配賦方法につきましては、酒類事業者が選択した合理的な配賦方法に従って配賦するとされております。この基準につきましては、一番下の枠囲いでございますが、法律上、おおむね5年ごとに再検討を加え、必要があると認めるときはこれを改正するものとするとされております。
また、同じ法律におきまして基準の制定、見直しも含めてでございますが、これに当たりましては、酒類業者の適切な経営努力による事業活動を阻害して消費者の利益を損なうことのないよう留意するとされているところでございます。この基準に基づき、過去4年間にわたりまして取引実態調査を実施してまいりました。2ページの真ん中の表を御覧いただければと思いますが、一般調査を4年間で564件実施したもののうち、法令に基づく指示を行ったものが26件、運用上の厳重指導を行ったものが63件と計89件、これが一番リスクが高い注意を要するべき事案と考えております。この事案につきまして分析しましたのが3ページでございます。下の表に整理しておりますが、主な問題点といたしましては大きく二つ。一つはリベート関係の問題、もう一つは販管費の計算方法の問題でございます。いずれも、先ほどの価格要件に該当するものの中身についての指摘ということでございます。リベート関係については件数こそ9件と少ないところではございますが、取引の比較的川上で生じている事案ということで、マーケット全体の影響も大きかろうと認識しております。他方、販管費については70件を超える、かなり多くの非違事例が見つかったところで、こちらも是正していく必要があると考えております。
まず、リベートの取扱いにつきまして4ページでございます。
現行の取扱いはリベートに三つの要件が定められておりまして、まずリベートに関する基準が明確に定められていること、そして、基準が事前に相手方に示されていること。3点目として、仕入れと密接に関連するリベートであること。この3要件を全て満たす場合に限り仕入値引として処理することができるとされているところでございます。
5ページを御覧ください。現行の基準は、申し上げたとおり3要件を明確化しているところでございますが、調査の中で例えば、支払基準が明確に定められていないリベートをそのまま仕入値引の原資として使ってしまった例であるとか、あるいは、そもそも酒類ではないほかの商品に対して支払われたリベートを仕入値引として控除した例、こういった事例が見つかったところでございます。こうした事例に対しましては、書面を通じて支払基準であるとか、値引の可否、あるいはその対象商品などを明示させることによりまして、支払者と受領者との間で認識を一致させる必要があると考えております。
他方、売上側の問題点といたしましては、これはメーカー側でございますが、店頭の販売価格を引き下げる目的でリベートを支払ったが、そのリベートを売上値引として認識しておらず、適切な原価計算がなされていなかった例ということでございます。こういった過度なリベートの支払いにつきましても、書面を通じ、ある意味、証拠を残させることによりまして牽制効果が働くのではないかと考えている次第でございまして、6ページの見直し内容でございますが、リベートに関しましては、真ん中の方の下線部でございますが、これまでの三つの要件に加えまして、四つ目の要件として、書面等によりリベートの支払者から伝達されている場合に限る、こういった旨を追加的に盛り込みたいと考えております。
2点目、共通費用の配賦方法の明確化についてでございます。
7ページを御覧ください。現在、先ほど申し上げましたとおり、共通費用の配賦につきましては、事業者が選択した合理的な配賦方法によるとされているところでございまして、この配賦方法につきましては、通達において売上高比、売場面積比等が例示されているところでございます。こちらも調査において幾つか事案が見いだされておりまして、費用配賦の計算がそもそもなされていなかったものであるとか、あるいは恣意的な費用配賦、例えば販売点数に必ずしも連動しない費用も含めて、全ての販管費を販売点数比で計算していた事例や、あるいは、複数店舗を持っている事業者が、酒類の売場面積が最も少ない店舗の割合をほかの店舗に全て適応していたという例もございます。こうした配賦方法、費用配賦の計算をしなかったり、あるいは恣意的な費用配賦をしていることに対しては、まずは、標準的な配賦方法を一つ明示して、その方法によらせるということが必要であろうと思いますし、さらに、標準的な配賦方法によらない場合には、事業者に対し具体的な根拠を求める、こういったことが必要であろうと考えております。
そういうことも踏まえまして8ページでございます。対応案といたしまして、現行の基準に加えまして、事業者が選択した合理的な配賦方法につきましては、その算出根拠が明らかにされている場合に限るということにいたしまして、算出根拠が示されてないことも含めて、合理的な配賦方法を選択しない場合には、売上高に占める割合に応じた配賦方法により配賦するということとしたいと考えております。
なお、8ページ下でございますが、現状、運用上実施しております厳重指導につきましては、実効性を高めるために、指針において根拠を明確化したいと考えております。
9ページは、具体的な基準の改正の中身についてでございます。
10ページが、今後のスケジュールでございます。本日、議決いただければ、今月から来月にかけてパブリックコメントを実施、3月に公正取引委員会との協議を経て、3月末に新しい基準の告示を改正したいと考えております。その後、2か月間の広報・周知期間を経て6月から施行するスケジュールで運びたいと考えております。
二つ目の諮問事項でございます酒類に係る表示基準の見直し等については12ページを御覧ください。酒類に係る表示基準の見直しとしまして、今回大きく二つの見直しを図ってまいりたいと考えております。一つは製造時期の表示などの清酒の製法品質表示基準の見直しでございます。もう一つは、現在、国税庁告示におきまして定められております有機酒類の規定につきましてJAS法を改正しJASの対象とする、それに伴いまして関連告示の廃止及び改正をしたいというものでございます。
まず、清酒の製法品質表示基準につきましては13ページを御覧ください。現在の表示基準は、平成元年11月に告示として制定されまして、平成2年度から適用をされているところでございます。具体的な中身については下の箱、四つほど並んでおりますが、吟醸酒、純米酒等の規格を定めるもの、あるいは必ずラベルに記載しなければいけない必要記載事項、また、ラベルに表示する場合のルールを定めた任意記載事項、そして表示してはならない事項を定めた表示禁止事項というものを定めております。このうち、今回、この赤枠で括ってある部分につきまして改正をしてまいりたいと考えております。
具体的には14ページでございます。まず、清酒の製法品質表示基準でございますが、製造時期につきましては、国際規格であるコーデックス規格等に沿いまして必要記載事項から任意記載事項に変更したいと考えております。
併せまして、現行の製造時期の表示、原則として容器詰め、瓶詰めをした年月を表示していただいておりますが、これに代えまして商品特性に応じた日付表示、例えば出荷の日であるとか、あるいは上槽の日といったバリエーションを可能とすることとしたいと考えております。具体的な表示方法については現在、日本酒造組合中央会において検討を進めております。
2点目といたしまして、現在、公的機関から付与された賞に限り受賞の記述、表示ができることとされておりましたが、これを任意記載事項から廃止いたしまして、公的機関以外の機関から付与された賞の表示も可能としたいと考えております。それに伴いまして、不当な表示とならないように、食品表示基準に倣いまして品評会等で受賞したものであるかのように誤認させる用語や、官公庁が推奨しているかのように誤認させる用語を表示の禁止事項に盛り込みたいと考えております。
その他、現在、原酒・生酒・生貯蔵酒など定義されている用語の表示につきましては、「生原酒」、「生貯蔵原酒」など、複合して用いることを可能としたいと考えております。後ほど、スケジュールの詳細を申し上げますが、令和5年1月1日から適用することといたしまして、適用日前に移出した清酒につきましては経過措置を設けたいと考えております。
15ページから19ページが具体的な改正の中身でございます。
20ページ、今後のスケジュールでございます。本日議決いただければ、3月から4月にかけてパブリックコメントを実施し、並行してWTOに通報することとしたいと考えております。6月下旬には、本基準の改正告示を公布、7月から12月、半年間かけて周知・広報いたしまして、来年1月1日から施行することを考えております。
表示についてもう一つの諮問事項でございます有機表示制度につきまして21ページを御覧ください。現在の仕組みでございますが、国税庁告示に基づきまして、有機JAS制度に倣って表示制度を定めております。22ページに有機JAS制度との比較をまとめております。チェック体制につきましては、有機JASの方は第三者認証が必要である一方で、酒類は自己チェックで良いという状況になっております。その代わりとして、酒類業組合法に基づく表示確認、事後的な調査はさせていただいております。また、自己チェックですので当然、経済的な負担は発生いたしませんが、JASの仕組みですと有料の認証が必要ということになっております。一番大きな違いといたしましては、輸出に際しましてJASの場合ですと、同等性承認がされている国との間ではJASのままで輸出が可能ということでございますが、酒類の場合は同等性承認がされておりませんので、輸出する場合には輸出先国における登録認証機関の認証が必要となっています。
23ページを御覧ください。昨年改訂された農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略におきまして、JAS法を改正し、有機JAS制度について有機酒類を対象として追加するということが明記をされたところでございます。これによりまして、有機酒類を含めた日本産酒類の輸出促進を図ってまいりたいという趣旨でございます。改正事項といたしましては、一つはこの国税庁告示で定めております酒類における有機の表示基準、これを廃止するとともに、関連する重要基準の規定を一部削除するという改正を行うという2点が今回お諮りしたい事項でございます。
24ページ、繰り返しになりますが、今回の改正の目的等でございます。JAS法を改正して、その対象に有機酒類を追加をするということ、それに合わせまして、現在、農林水産省の法律でございますJAS法を財務省との共管法に変更するというものでございます。これによりまして、有機認証の同等性交渉を加速し、有機酒類の輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。
また、このJAS法改正及び国税庁告示の廃止に伴いまして、経過措置を設けたいと考えております。一定期間、酒類の製造場から移出する酒類又は保税地域から輸入する酒類については、従前の表示制度の適用を可能とするなどの経過措置を設けたいと考えております。具体的な取扱いにつきましては、今後JAS法改正の内容次第というところではございますが、こういった経過措置を設けて、混乱なきよう移行してまいりたいと考えております。
27ページから28ページが現時点で想定しております廃止及び改正の内容でございます。諮問させていただきたい事項、議題1から4につきましては以上でございます
最後、議題5につきましてご説明させていただきます。30ページを御覧ください。
国内の酒類の消費動向でございますが、昨年もコロナの影響により、引き続き、飲食店消費を中心に厳しい状況が続いております。1枚おめくりいただきまして31ページでございます。一方、輸出につきましては、1月から11月までで1,042億円となっておりまして、10年連続で過去最高を更新するとともに、初めて1,000億円の大台を突破したところでございます。こうした状況を踏まえまして、32ページでございますが、令和3年度補正予算及び令和4年度当初予算におきまして、新市場創造及び輸出促進、この二つの柱を軸に施策を展開してまいりたいと考えております。
具体的な中身についてでございますが、昨年から実行しております補助金につきましては、引き続き、継続して実施するとともに、コロナ対応、特別な対応として、今回限りの事業となりますが右上の「Enjoy SAKE!プロジェクト」の実施、あるいは、(3)の二つ目のパラグラフに書いてあります若者に関心を示してもらうようなビジネスコンテストの開催を新たに取り組んでまいりたいと考えております。
また、輸出関係でございますと左下、今年度も実施しておりますオンライン商談会、輸出コンソーシアム、酒類輸出コーディネーター、この三事業を三位一体として有機的に連携させていくことで販路開拓支援を強力に推進していきたいと考えております。
国際的なプロモーションにつきましては、②のところに記載しております海外の料理教室との連携、こういったものにも新たに取り組んでいきたいと考えております。
このうち、33ページでございますが、コロナ対応として実施します「Enjoy SAKE!プロジェクト」につきましては、来月末頃を念頭に、事業の募集を開始したいと考えておりますが、現時点におきましては、御覧いただいたような全国規模の事業、あるいは地域ブロック単位の事業、更にもっと小さい規模の事業、こういった様々なレベルの大きさの事業を、それぞれのモデル事例として選定し、モデル事例構築を支援していきたいと考えております。
34ページでございます。日本酒、焼酎、泡盛等のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組でございます。
昨年の菅総理に引き続きまして、一昨日、岸田総理大臣も施政方針演説におきまして、日本酒、焼酎、泡盛などの文化資源のユネスコへの登録を目指す旨、御発言いただいたところでございます。伝統的酒造りにつきましては、昨年12月2日に、これは国内法上の保護でございますが、登録無形文化財に登録されたところでございます。これを一つのステップといたしまして、引き続きユネスコ無形文化遺産登録に向け、シンポジウムの開催であるとか、あるいは右側に表示しておりますポスターの作成、あるいはPR動画の製作、交通広告の実施等々を取り組んでいきたいと考えております。
最後、35ページ、36ページはGI、地理的表示の指定状況でございます。今事務年度7月以降、指定は進んでおりませんが、現在、第22件目のGIとして清酒GI「新潟」の手続を進めております。パブリックコメントも終了しておりますので、所要の手続を経て準備が整い次第、速やかに指定をしてまいりたいと考えております。
雑駁な説明ではございますが、私からは以上でございます。

吉村分科会長

どうも御説明ありがとうございました。
それでは、順次、議題につきまして審議をさせていただきたいと思います。
まずは、議題1、酒類の公正な取引に関する基準を定める件の一部改正について、つまり告示改正ですけれども、これについて、委員の皆様におきまして、何か御意見や御質問がございましたら、挙手あるいは挙手ボタンでよろしくお願いいたします。
はい、中空委員、お願いします。

中空委員

ありがとうございます。質問なんですけれども、リベートなどが関わってくるのはどれぐらいの割合なんでしょうか。最近、社会的インパクトを図るという考え方があって、政策の変更により社会的インパクトが得られた方が、多分説明がつきやすいと思うので、そういう意味では、どれぐらいの対象のどの程度の割合について改善できるのか、もし分かったら教えてください。

郷酒税課長

御質問ありがとうございます。
具体的な数字として、この割合がどの程度かということは、データを把握しているわけではございませんが、リベート自体は比較的一般的にやり取りされていると聞いていますので、このリベートについての基準を明確化することによりまして、より適切な取扱いがなされるものと期待しております。
例えば、同じ趣旨でメーカーから支出したリベートについて、受取側によって、現状、書面が残されていない状態ですので、受手側の判断により仕入値引できると考え仕入値引するところと、そうでないところ、この時点でも競争上の不公平が生じておりますが、このような取扱いが是正されるという意味では、より適切な取引環境が整うのではないかと期待しております。

吉村分科会長

中空委員、よろしいでしょうか。

中空委員

はい、ありがとうございます。

吉村分科会長

ほかに、何か御意見ございますでしょうか。
一つ、私から。事業者が選択した合理的な配賦方法について算定根拠を事業者が明らかにするということですけれども、これは何かフォーマットを使ってやるものなんでしょうか。それとも、自由に記載をして、これが合理的だというような証明をするということなんでしょうか。

郷酒税課長

ありがとうございます。具体的なフォーマットをあらかじめ指定するということは想定しておりませんが、当然、それぞれの販売場によりまして費用のかかり方も違いますので、その実態に応じた形で具体的に検証可能な形で示していただければよいかと考えております。

吉村分科会長

分かりました。特にこういうものについて、デジタル化をする際には、一定のフォーマットというのがやはり必要になるかと思いますけれども、個別事情に応じた適切な記載を求めるということで、一般化の要請と個別化の要請をうまく調和できるような、そういう書式が考案できれば一番いいのかなと、そう思います。ほかにどうでしょうか。特に御意見ございませんでしょうか。
それでは、この議題1については、事務局案を酒類分科会として了承するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
はい、どうもありがとうございます。議題1は了承されました。
それでは、次に議題の2に移りたいと思います。議題2は清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正についてでございます。これも、告示の改正ということです。何か御意見や御質問がある方は挙手もしくは挙手ボタンでよろしくお願いいたします。
木村委員、お願いします。

木村委員

木村です。25ページってこれ、議題2に入っていますか。どこまでが。

吉村分科会長

25ページについては議題3です。

木村委員

では後ほど。失礼いたしました。

吉村分科会長

なかなか専門的な事項だと思いますので、御専門の委員の方は是非、よろしくお願いします。特に問題はございませんでしょうか。ありがとうございます。
それでは、この議題2につきましても、事務局案が了承されたものと扱ってよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
はい、ありがとうございます。この議題も承認されたということでございます。
少し飛ばしまして申し訳ございません。議題1について、今後の手続についてもう一度確認をさせていただきたいと思います。
議題1につきましてはパブリックコメントの手続を取ることになります。パブリックコメントの結果を踏まえて、大幅な修正がないようであれば、改めて審議を行わず、本日の了承をもって当分科会の議決とさせていただきたいと思います。なお、この判断は、私、分科会長に御一任いただければ有り難く存じますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
どうもありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
次いで、同じく御承認いただきました議題2に関わる今後の手続についてでございます。まず、議題2につきましては、パブリックコメント及びWTOのTBT協定、貿易の技術的障害に関する協定に基づくWTO事務局への通報の手続を取ることになります。パブリックコメントやWTO通報の結果を踏まえて大幅な修正がないようであれば、改めて審議を行わず本日の了承をもって当分科会の議決とさせていただきたいと思います。なお、この判断は、私、分科会長に御一任いただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
どうもありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
続きまして、議題3、酒類における有機の表示基準を定める件の廃止について及び議題4、酒類の表示の基準における重要基準を定める件の一部改正について、この両案件につきまして何か御意見や御質問がある方は挙手あるいは挙手ボタンでお願いいたします。
鹿取委員、よろしくお願いします。

鹿取委員

同等性交渉についてお伺いしたく存じます。
有機ワインということになりますと、生産者の関心も最近高まっております。ただ、添加物あるいはほかの醸造上の規定が、例えばEUと日本で既にずれがあります。EUで許可されている添加物が日本で許可されていなかったり、醸造所に関しては、海外の場合は、一つの醸造所内で有機ワインしか造ってはいけないことになっており、有機ワインの要件を満たしていないワインを別途造ったら、同じ醸造所で造られた要件を満たしているワインも有機ワインとして認めらません。しかし現在日本では認められている。発酵容器なども、洗えばいいということになっていると聞きます。この辺のずれは、同等性交渉をしていくときに、多分問題になると思うのですが、今後、同等性交渉をする際に、こういう項目のずれをどう調整していくのか、実際どんなプロセスでずれの調査性が行われのか、そして交渉のプロセス自体は開示されるのか教えていただきたく存じます。

郷酒税課長

御質問ありがとうございます。添加物も含めまして、各国で差異が生じているのも事実で、おっしゃるとおりだと思います。今後、JAS法改正に伴いますJASの改正を進める中でEU等との差も考慮し改正案の原案を作成し議論していくことになります。具体的には、今後農林水産省におきまして有機加工食品JASの改正に当っての調査会、こちらは審議会の一種でございますが、そうした場で議論がなされる予定と聞いておりますので、その議論の過程というのは、当然、公開されていくものと理解しております。

吉村分科会長

鹿取委員、よろしいでしょうか。

鹿取委員

となると、ワインの醸造に関しても農林水産省が議論するということになるわけでしょうか。

郷酒税課長

ありがとうございます。飽くまで有機加工食品JASを改正するということになりますので、今申し上げた調査会の方で議論がなされていくということになります。

吉村分科会長

ほかに何か御質問はございますでしょうか。
木村委員、お願いします。

木村委員

直接、審議には関わらない、この25ページの参考資料1に関して御質問です。こちらも、もしかすると農林水産省さんの方のマターなのかもしれないんですけれども、このオーガニックの取組面積を25%にするということは以前からニュース等にもなっていますけれども、単純にこれから就農人口が減っていく中で、耕地面積自体全体が縮小していく中で、この25%というのは減った中での25%なのか、この現100万ヘクタールにおける25%、これは随分意味といいますか、規模が変わると思うんですけれども、これはどのように算定されたのでしょうか。

郷酒税課長

申し訳ございません。ちょっと、今日この場でお答えする知見はございませんので、確認した上で回答させていただきます。

木村委員

はい、ありがとうございます。

吉村分科会長

よろしいでしょうか。ほかにどうでしょうか。中空委員、よろしくお願いします。

中空委員

ありがとうございます。
先ほど御質問したことと趣旨は同じなのですが、法の改正を含め、何かを変えましょうというときには、やはりそれによって得られるプラスがどれだけあるのか、社会的インパクトがどれだけ得られるのかというのは、知るべきだろうと思います。何となく、問題になるとそれもそうだよねということで、どんどん法改正する、というように見えなくもないので、そういう意味でいくと、誰からも納得がいくように、これをやったことで、こんないいことがありますよということまで落とし込むべきではないかと思いました。
今回のことでとやかく言っているわけではないのですが、今後の指針としては、そういう数量的なインパクトがどれぐらいあるのか、日本がこれをすることによってどういう輸出が増加するとか、そういうところまで持っていかないと、何となく「リベートをもらっている人たちの現状の問題に合わせました。文句を言われたので合わせました」みたいに見えなくもないというふうに思うんですね。なので、日本のために本当に改善しているということの証左がちょっと足りないんじゃないかなというふうに思います。
ただ、今回の趣旨はそれなりに分かっているつもりなので反対する気はありません。今後の方針として、是非、考えを取り入れていただければ有り難いと思います。
以上です。

郷酒税課長

ありがとうございます。資料、少し説明を省かせていただきましたが、26ページに有機酒類の出荷状況について記載をさせていただいております。現在のボリューム、総数量で2,500キロリットル足らず。輸出につきましては、更にそのごくごく一部の3%の77キロリットルに限られているところでございます。こちらが同等性交渉によりまして輸出しやすくなるということですと、この量は確実に拡大することが期待されるのではないかと期待しております。
右側に、これは有機に限りませんけれども、輸出を検討している、行っていない者の中で、今後3割近くの方が、3分の1近くの方が何らかの形で将来的に輸出をしたいと検討しているというアンケート調査もございますので、こうした方々が、一つ、この有機酒類が輸出しやすくなることをきっかけに、輸出に踏み出していただければ全体の数量の拡大にもつながるのではないかと期待しておるところでございます。

中空委員

分かりました。ありがとうございます。

吉村分科会長

中空委員、よろしいでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。手島委員、お願いします。

手島委員

手島です。よろしくお願いします。今のことと少し関連するんですけれども、今回、二つの改正をするということで、パブリックコメントというものを受け付けているということの告知方法というのは、どういう形を取っているか教えていただけますか。

郷酒税課長

ありがとうございます。まず、そもそもなんですけれども、JAS法の改正、法律の改正そのものは当然、パブリックコメントではなくて国会で御審議される内容というふうに理解しております。それと合わせまして、反射的に我々の方の酒類における有機の表示基準であるとか、あるいは、その関連規定の改正につきましては、我々の国税庁のホームページの方でパブリックコメントを実施する予定でございます。
廃止の部分につきましてのパブリックコメントについて何か特別なパブリックコメントをしていますというか、広報をしているかというと、必ずしもそういうことではございませんが、国税庁のホームページで更新している部分につきましては明示的に分かるようにさせていただいております。

手島委員

ありがとうございます。もう一つの方の酒類の製造年月日の義務から任意に変更するという、この改正に関してのパブリックコメントも同様というふうに考えてよろしいでしょうか。

郷酒税課長

はい、おっしゃるとおりでございます。

手島委員

もし、そうであれば、製造年月日の表示義務から任意へということに関しては、業界団体としては合意が取れている、つまり製造側からしてはいろいろなメリットがあり、これからの酒類の消費量増加に向けて、国内外での需要アップに向けて意義があるということで統一が取れていると思うんですけれども、一般の消費者にとって日本酒の製造年月日というのは、今の段階でもそれがボトル詰めされたときだということを知っている人も少ないような状況です。さらに、酒類の味わいが多様化しているというところで、今回の改正は、消費者の飲み手にとっては戸惑うところもあると感じられるので、この改正に関しては、パブリックコメントをしているということが、もし、今、御説明があったような形の方法のみだとすると、知らないうちに変わってしまったなというふうになるのではないかと思い、一般の消費者の人たちの意見を求めているという場や期間について、もう少し広く周知できる方法というのは、何かほかに考えられないでしょうか。

郷酒税課長

ありがとうございます。パブリックコメントの周知方法については、これまでと同様の方法でと考えておりますが、例えば国税庁のツイッターで、今回については特に消費者に関係するということで記載をするとか、少しでも広く認知していただけるような取組はしてまいりたいというふうに考えております。
また、今回、任意表示に変えますけれども、それに基づきまして、業界団体におきまして、消費者に分かりやすいガイドラインを作成するように、これまでの製造年月の認知以上に、より認知していただけるようにガイドラインを作成するということにしております。我々、国税庁といたしましても、その中身あるいはプロセスも含めて消費者にとって分かりやすいものになるよう団体の検討状況というのは引き続きフォローしていきたいと考えております。

手島委員

分かりました。ありがとうございます。

吉村分科会長

どうも、手島委員ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。いろいろな御意見、どうもありがとうございました。
それでは、議題3と4につきましては、事務局案を了承するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
はい、どうもありがとうございます。それでは、議題3と議題4について事務局案が了承されたと扱いたいと存じます。なお、手島委員から御指摘があったパブリックコメントの方法につきましては、御参考意見ということで、国税庁においても御検討いただければ幸いだと思います。
以上で、議題1から4までの審議事項につきましては、全て了承を得たということで進めさせていただきたいと思います。
次に、議題3及び4に係る今後の手続について御説明させていただきます。
これらの議題につきましては、今後、改正JAS法の公布後に改正JAS法等の規定を踏まえて酒類における有機の表示基準における経過措置規定を作成した上でパブリックコメント等の必要な手続を実施いたします。経過措置の内容につきましては、ただいま御了承いただいた方向で事務局において作成し、その後、改めて当分科会において議論させていただきたいと存じます。なお、この分科会の開催方法についての判断は、私、分科会長に御一任いただきたいと存じますけれども、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

吉村分科会長

どうもありがとうございます。それではそのように進めさせていただきます。
続きまして、議題5の報告事項、酒類行政における最近の取組等につきまして何か御意見や御質問がある方は挙手または挙手ボタンをお願いいたします。
どうぞ、木村委員。

木村委員

木村です。32ページの具体的な予算、数値が出ているのと、それに対する、どういう取組をされるかというのを拝見していたんですけれども、海外、特にヨーロッパのGIの研究をしていますと、こういった産品そのものの拡販、販路の開拓でありますとか輸出を拡大するということが、20世紀型というか、もちろんあるんですけれども、よりGI産品が達成できる持続可能性であるとか、ヨーロッパですと、ブドウ畑がそれこそ、世界遺産に登録されたり、その景観を保全するであるとか、そういう環境に対する経済的価値だけではない価値にシフトを、随分と置いてきているかと思うんです。国税庁さんの方では、そういった経済的価値以外のGIの価値について何か取組をされるという御予定であるとか、計画プランというのがおありでしょうか。

郷酒税課長

はい、御質問ありがとうございます。本件、GIに限ったことではございませんが、例えば一つのおっしゃるような切り口といたしましては、ユネスコの登録というもの、これは一つの切り口になろうかというふうに考えております。日本の特有の酒造りであるこうじ菌をつくった酒造りというもの、これは世界にもなかなか例がないものでございますし、そうした文化的な価値というものは訴えていきたいとに考えております。
GIにつきまして、現時点のGIの中身については、その各管理団体が自ら考えた中身でございます。ものにより様々なGIがございますが、例えば、今指定しているGIの中ですと14番の「利根沼田」ですと、地元の米あるいは地元産の酵母を使って、しかも純米酒に限るというような、そういう厳しい生産基準を設けているところもございますので、それぞれのGIの特徴をどうやって、おっしゃるとおり地域の環境と結び付けて説明していくことができるかということは考えていきたいと思っております。
既存のGIにつきましても、それぞれでブラッシュアップをしていただいている最中と聞いておりますので、そういう中で更に海外に向けて説明できるような中身、我々も相談させてもらいながらブラッシュアップを進めていきたいと考えております。

木村委員

なかなか生産者さんってお忙しいですし、やっぱり自身の産品をとにかく売っていきたいというお気持ちがお強いので、ちょうど今日、たまたま午前中、農林水産省さんの方のGIの協議会の設立の総会に出席させていただいていたんですけれども、やっぱり自分の産品を売っていきたいというのがあって、もっと環境のことを考えましょうであるとか、その地域の振興について、農村振興について考えようというところまでの時間的余裕であるとか、枠組みというのはお持ちではないと思うので、ある程度はトップダウンで、国からも中央からもそうですし、地方の自治体の方に機能を移転して。生産者さんが、さあ、これから考えていきましょうというのは、ちょっとかわいそうというか、無理かなというのが実際にあります。それは、ヨーロッパのケースでもそうですし、マクロな次元のところからの政策というのをしっかり示してあげて、それに賛同するという形がいいかなというふうにいつも思っているんですけれども。

郷酒税課長

貴重な御指摘ありがとうございます。GIのブランド価値向上につきましては、我々も、今取組んでおりますのは、シンポジウムとか、あるいは広く広報するということに力を注いでいますが、来年度以降の事業展開の中でSDGsの視点なども含めて考えていきたいと思います。

木村委員

是非、お願いします。

中空委員

32ページの見方を教えていただきたいのですが、新市場創造関係22.1億円、輸出促進関係22.5億円で、上に計28億円というのは、これはどうやって見たらいいのでしょうか。

郷酒税課長

申し訳ございません。この表でございますが、一番左上の新市場創造支援事業というのが国内外の新市場創造に関係するものでございますし、輸出促進にも関係するものということで、再掲という形で、この15億円が二重計上になっております。

中空委員

足して15億円を引けばいいんですね。

郷酒税課長

はい、そういうことでございます。

中空委員

分かりました。ありがとうございます。
別件です。よく知らないのですけれども、フランスは、ワインとか例えばシャンパンとかはシャンパーニュ地方じゃなきゃ駄目とかあるじゃないですか。そういう選定や決定には、やはり町おこしだとか、そういう観点ってあるんですか。

木村委員

そうですね。個別というよりも、今、農村振興にシフトしてきているので、補助金なんかも。ですので、各地域がプロジェクトを立ち上げて、それに対して補助金を出す。それがやっぱり産品そのものよりも、ワインそのものというよりも、よりツーリズムと一緒に振興させている感じです。

中空委員

なるほど。そういうほかの国の知恵だとかは取り入れるべきかなと思います。また、日本でサントリーとかキリンビールなど多くの飲酒メーカーもやっていますけれども、責任ある飲酒という考えがあると思います。ああいう発想が一回も出てこないので、そういう発想がありますよなど、触れてもいいんじゃないのかなというふうに思いました。取りあえず、以上です。

郷酒税課長

ありがとうございます。

吉村分科会長

立道委員、よろしくお願いします。

立道委員

東海大学の立道と申します。私は公衆衛生を専門としておりますので、その観点から一言だけ意見を述べさせていただきたいと思います。洋酒の販路拡大、あるいはお酒の消費が落ちているということでの振興という、経済的な評価ということの議論の中で恐縮ですが、一点、コロナ禍においては実はチャンスドランカーと言われている、飲み会に行ったときのみ飲まれる方については、明らかに酒量が落ちていて全体の消費量が落ちていることなんですけれども、一方でふだん飲まれる方というのは、非常に今、飲酒量が増えていて健康障害を懸念しているという実態もございます。
そういうことで、消費拡大に向けたイベントとかをされる場合に、多量飲酒者についてお酒の害ということについても、健康上の部分に触れられるようなことも記載していただきたいというように思います。経済を考えていかれる中で大変、逆説的なお話で恐縮ですけれども、我々の立場からすると、コロナ禍での急激に飲酒量が拡大してきた常習的飲酒者に対する、健康施策というものを重要視しておりますので、その辺、御理解いただければと思います。
以上でございます。

郷酒税課長

御意見ありがとうございます。我々も当然、適正飲酒というものが大前提であるということは当然認識しておりますので、各種イベント事業等におきましても、そこはまず、そもそもの前提として捉えております。
我々の取組なんですけれども、必ずしも量を増やそうという、酒税を増やすためには量を増やすというのが一番なんですけれども、そういうことだけではなく、酒類業の健全な発達という目的のために、量は減っても、例えば付加価値を高めていこうという取組も主眼として支援をしておったりします。適正飲酒、アルコール健康問題に関しましては、昨年、政府全体で推進計画が改定をされたところでございます。その中では商品にアルコールの量を表示するということも検討すべきではないか、より消費者にとって分かりやすく、度数表示だけではなく、量という形で示すべきではないかという議論もございました。そういったことも踏まえながら、適正飲酒も大前提として事業を進めていきたいというふうに考えております。

吉村分科会長

どうもありがとうございました。御意見、御質問など、まだまだ尽きないとは思いますが、もし、さらなる御意見、御質問などがございましたら、メール等にて事務局までお問い合わせいただければ幸いです。
それでは、次の議題に移らせていただきたいと存じます。
続いて、ビール業界におけるCO2排出量削減の取組について、ビール酒造組合から御説明いただくことになっております。
それでは、ビール酒造組合の方に会議へ御参加いただきます。
(ビール酒造組合参加)

吉村分科会長

本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
それでは、御紹介させていただきます。ビール酒造組合の岸野専務理事でいらっしゃいます。
それから、川野輪審議役でございます。

ビール酒造組合(川野輪審議役)

川野輪と申します。よろしくお願いします。

吉村分科会長

それでは、ビール業界におけるCO2排出量削減の取組について岸野専務理事、御説明をお願いします。

ビール酒造組合(岸野専務理事)

はい、本日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。ビール酒造組合専務理事の岸野でございます。
本日は限られた時間でございますので、ビール業界として、経団連の計画に参画しておりますCO2排出量削減の取組について、まず、2020年度を最終年とします低炭素世界実行計画フェーズⅠの総括、それから2021年度から2030年度のカーボンニュートラル行動計画フェーズⅡの目標と今後の課題について説明をさせていただきます。
それでは、お配りしているかと思います資料の「ビール業界におけるCO2排出量削減の取組について【概要】」というところを御覧ください。
まず、経緯になりますけれども、ビール業界として経団連の環境自主行動計画、こちらに1996年から参画し、省エネ及びCO2削減に取り組んでまいりました。2013年度からは環境自主行動計画に次ぐ新しい計画として、低炭素社会実行計画、さらに2021年度からはカーボンニュートラル行動計画に移行しております。
それでは、まず、低炭素社会実行計画フェーズⅠの総括でございます。2020年度、こちらを最終年度とする低炭素社会実行計画フェーズⅠにおいてビール業界としては、2020年度CO2総排出量51.1万トン、すなわち1990年度比56%削減、こちらを目標に活動を進めてまいりました。
実績としましては、その下にございますグラフのとおりでございます。CO2総排出量推移の図のとおりでございます。低炭素社会実行計画の初年度、2013年度になりますけれども、こちら以降おおむね段階的にCO2の総排出量は減少していき、2019年度実績44万トンに対し、2020年度の実績は39.4万トンと、前年度から10.9%減ということになりました。結果、2020年度目標値である51.1万トンという、先ほど申し上げた目標値を大きく下回り、フェーズⅠの目標を達成しております。
こちらのフェーズⅠでの活動ということになりますと、例えば重油から都市ガスへの燃料転換、それからコージェネレーションやアンモニア冷凍機、高効率小型貫流ボイラー等の新たな動力設備を工場の方に随時導入していく、ないし各製造工程で省エネルギー活動を行いましたので、こちらがCO2排出量削減に貢献したと考えております。また、2020年度に関しては、皆様お分かりのとおり、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして生産活動が、やはり低下しました。これが結果的に、CO2排出量減少に寄与というか、大きく反映しているという部分があったかなと考えております。
次に、カーボンニュートラル行動計画フェーズⅡ、2021年度から2030年度の目標と、我々が捉えております今後の課題について御説明をさせていただきます。この2030年度を最終年度とするカーボンニュートラル行動計画フェーズⅡに今後取り組んでまいりますけれども、まず2019年度に2030年度のCO2の総排出量を42.3万トン、2013年度から26%削減するフェーズⅡの目標を定めております。しかし、先ほど申し上げましたコロナ禍という特殊状況の影響を受けつつも、既に2020年度の実績で、そのフェーズⅡの目標を達成しております。
また、日本政府から昨年、2050年の温室効果ガス実質ゼロ、カーボンニュートラルと、それから、2030年度の温室効果ガスを2013年度比46%削減という宣言が出されております。ビール業界としても、2030年度の目標の見直しは必至というふうに認識をしております。考えられるCO2排出量削減策の洗い出しを行い、目標達成の実現性も加味しながら新たな2030年度目標を検討していく段階でございます。
また、ビール業界として2050年、カーボンニュートラルに向けたビジョン、基本方針ということも検討中でございます。我々、加盟社というのが、アサヒ社、キリン社、サッポロ社、サントリー社、オリオン社という5社でございますけれども、各社単体ではおおむね2050年のカーボンニュートラルを環境目標として掲げておりますが、その目標達成に向けて具体的なプロセス、それからScope3への取組でビール業界として足並みをそろえた活動をどのように進めるべきか、進むことができるか、こちらを議論しております。
あと、一つ、トピックスにはなりますけれども、今まで申し上げていたのは工場でやってきたことでございますけれども、工場部門以外でもCO2排出量削減の取組を進めております。一例ではございますが、加盟各社の製品の共同配送であったり、商品を乗せるパレットですね、ビールパレットの共同回収といった物流部門での取組ということでもCO2排出量削減につながっております。こちらの試算ではございますけれども、このビールパレットを共同回収することによって、年間約4,800トンのCO2排出量削減が見込まれております。
今、申し上げましたけれども、先ほど御説明したとおり、まずはフェーズⅡ2030年度目標見直し、そして2050年、カーボンニュートラル実現に向けてビール業界としても、より実効性のある取組を進めてまいります。
私からの説明は以上でございます。

吉村分科会長

御説明どうもありがとうございました。それでは、ビール業界のCO2排出量削減の取組について、何か御質問がある方は挙手等でお願いいたします。
木村委員どうぞ。

木村委員

木村です。御説明ありがとうございました。今、工場以外のところでは共同配送というところまで含めたCO2削減ということをお話しいただいたんですけれども、業界は違うんですけれども、酪農乳業のこういった全体のCO2削減についての調査等をしているときは、まず、牛に与える飼料から。ビールの場合ですと、次のページで書いていらっしゃるように、大麦であるとかホップといったものの生産、農作物の生産に関わるところでのCO2の排出でありますとか、もちろん、それが工場で加工品に変わる。これはしっかりと調査もされ、分析もされていらっしゃいますけれども、その後、配送というところになっていって、今度は消費者が、それを購入して、今度は包材の話なんですけれども、包材をつくるに当たっての缶であるとか瓶、そのときのCO2というものも、やはりどこかで出てきているはずですし、あと、廃棄あるいはリサイクルする際にどれぐらい水を使うのであるか、あるCO2をまた排出しているのかというところのサプライチェーン全体として、ビール工場のじゃなくてビール業界のというふうにおっしゃる以上、そこまでもう少し広く捉えていただいたデータがあればよいかなと思うんですけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。

ビール酒造組合(川野輪審議役)

それについては私、川野輪の方から御説明いたします。まさしく今、御指摘があったとおりでして、ただ、今回説明したのは主に低炭素社会実行計画フェーズⅠの話で、これに関しては、まず、自分たちでできる部分でCO2を減らしていこうということで、工場の活動をメインとして今、説明させていただきました。
先ほど話したとおり、今後2030年度に向けてのフェーズⅡにおいては、当然工場でやることはやりますし、あと、いわゆるScope3という部分ですね、自分たちの事業以外の部分、川上から川下まで、SCM一気通貫で炭酸ガスの排出量をまず見える化して、実際Scope3の方が炭酸ガスの排出量も多いというのは把握してますので、その辺は今後の課題として、まず見える化して、それをいかに業界として協力できる部分は協力しながら減らしていくかというのを、今後進めていこうと考えております。
どうもありがとうございます。

木村委員

御説明ありがとうございます。

吉村分科会長

中空委員どうぞ。時間が押しておりますので、中空委員の御質問をもって最後のご質問とさせていただきますが、よろしいでしょうか。

中空委員

質問なんですけれども、CO2を削減するというのはサイエンスベースでどうやって行うのかということが一点と、セクターの中での取り組みに関するばらつきはあるのか、という点です。
この二つについて、本当に簡単でいいので教えてください。ありがとうございます。

ビール酒造組合(川野輪審議役)

すみません、どのような質問かが聞き取りづらかったんですけれども。

中空委員

会社内でセクター内で、様々頑張っているという話なんですが、取り組み等会社によって差はあるのかということと、科学的な根拠をもって行っていると思うんですが、それはどのように行うのかということの2点をお聞きしました。

ビール酒造組合(川野輪審議役)

まず、会社によっての差があるかというのは、会社によっても差はありますし、会社内の工場によっても、工場の規模、生産規模や、設備投資具合によっても差があります。従ってセクター内での若干のばらつきはあります。あと、2点目の科学的根拠というのは、どのようなことでしょうか。

中空委員

CO2を減らすとなると、科学的にどうして減ったのかということを、最近の投資家は示せと言っていると思うんですが。

川野輪審議役(ビール酒造組合)

はい、そうですね。炭酸ガスの排出量に関しては各工場で使用しているエネルギーというか、重油なり電気なりありますので、その辺の数字は厳密に把握していますので、それをベースに係数をかけて炭酸ガスの排出量を算出するということをしております。

中空委員

分かりました。ありがとうございます。

吉村分科会長

どうも、ありがとうございます。いろいろ、まだ質問はあると思いますけれども、時間の都合上、これで終わらせていただきたいと思います。岸野専務理事、川野輪審議役、どうもありがとうございました。
(ビール酒造組合退出)

吉村分科会長

それでは、予定の時刻にほぼなりましたので、質疑応答等を全て終了いたします。
本日の議題は以上となりますが、委員の方におかれましては、何か特別な御発言というものはございますでしょうか。
何もないようですので、本日の会議は終了することといたします。
なお、本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、酒類分科会議事規則第4条にのっとりまして、国税審議会と同様の扱いとさせていただきたく存じます。
では、これをもちまして、第22回酒類分科会を閉会とさせていただきたいと思います。
どうも委員の皆様、お忙しい中ありがとうございました。
――了――