杉山酒税課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第20回酒類分科会を開催いたします。
皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
酒税課長の杉山でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
後ほど分科会長をお決めいただくまでの間、私が進行役をさせていただきます。
まず、分科会に所属していらっしゃいます委員の皆様を五十音順で御紹介させていただきます。
五十嵐委員でいらっしゃいます。
鹿取委員でいらっしゃいます。
小関委員でいらっしゃいます。
篠原委員でいらっしゃいます。
手島委員でいらっしゃいます。
中空委員でいらっしゃいます。
三村委員でいらっしゃいます。
それから、吉村委員でいらっしゃいます。
廣重委員、渡辺委員は、御都合により御欠席ということになってございます。
私どもの出席者、大変恐縮ですけれども、お手元の配席図のとおりでございますので、よろしくお願い申し上げます。
本日は、委員の過半数の皆様が御出席をいただいております。国税審議会令第8条第1項及び第3項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しております。
本日は、議題が5つございます。1つ目の議題であります分科会長の互選、分科会長から分科会長代理の指名を行っていただいた後、議題2から議題5について御審議をいただきたいと思っております。
それでは、1つ目の議題であります「分科会長互選、分科会長代理指名」を行いたいと思います。
国税審議会令第6条第4項によりまして、分科会長は、委員の皆様の互選により選任いただくことになっております。酒類分科会委員の皆様方で、分科会長の選任をお願いしたいと思います。
どなたか御推薦等ございますでしょうか。
篠原委員、お願いします。
篠原委員
日本酒造組合中央会の篠原です。どうぞよろしく。
前年に引き続いて三村委員にお願いしたいと思うんですけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
皆さん、よろしゅうございましょうか。
杉山酒税課長
ありがとうございます。
それでは、ただいま三村委員を分科会長にということでございます。
それでは、大変恐縮でございますけれども、分科会長には、こちらの分科会長席にお移りをいただきまして、一言御挨拶をいただいた後に議事をとり進めていただければと存じます。
三村分科会長
ただいま御指名いただきました青山学院大学の三村でございます。
酒類分科会、大変多くの議題があるし、中身も大変濃いものということで伺っておりますので、皆様、議事進行を円滑に進めたいと思っております。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。
それでは、国税審議会令第6条第6項によりまして、分科会長が当該分科会に属する委員及び臨時委員のうちから、それの職務を代理する委員をあらかじめ指名するということになっておりますので、分科会長代理の指名を行いたいと思います。
分科会長代理は吉村委員にお願いしたいと思いますけれども、吉村委員、いかがでございましょうか。
吉村委員
三村分科会長
ありがとうございました。それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、2つ目の議題に入る前に、吉井審議官から御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
吉井審議官
国税庁で酒税を担当しております審議官の吉井でございます。よろしくお願いいたします。
先生方には本日お忙しい中、酒類分科会に御出席賜りまして誠にありがとうございます。
平素から、酒類行政並びに税務行政全般につきまして深い御理解と御協力を賜っているところでございます。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
国税庁といたしましては、適正・公平な課税や酒税の保全はもちろんのこと、酒類業の事業所管官庁として、酒類業の振興に積極的な役割を果たしていくということが重要と考えております。そのため、事業者や業界団体の方々の意欲的な取組をしっかりサポートしてまいりたいと考えておるところでございます。
特に、日本産酒類の輸出促進については、関係省庁、関係機関と連携しながら環境整備を整えるということで、官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
それから、地理的表示の指定、日本ワインの表示ルール等の定着により、日本産酒類のブランド化ということも引き続きしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
更に、併せまして酒類事業者の技術力の向上のための支援にも、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
本日は、私どもの具体的な取組について御報告申し上げ、委員の皆様方から貴重な御意見、御指導を賜りたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、議題2「酒類行政における最近の取組等」及び議題3「未成年者飲酒防止に関する表示基準を定める件の一部改正等」について、事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
杉山酒税課長
それでは、資料2から御説明を申し上げます。
おめくりいただいて、目次にあるとおりの内容になってございます。
1ページ、2ページ目は「税収の状況」です。
3ページ目、「酒類業の推移」ということで、業者数の推移をお示ししております。製造業者はずっと減少してきておりますけれども、最近、果実酒やウイスキーの人気の高まりということで、免許場数は増加傾向にあるということであります。
先ほど、審議会の場で手島委員からお話がありましたけれども、清酒については、需給調整をしているというような状況になっております。また、免許に関しては、最低製造数量基準があるという状況になっております。
他方、果実酒とかウイスキーについては、そうした需給調整をしておりませんということで、経営基盤とか欠格事項等々を審査した上で、免許を差し上げるというような状況になっております。
それから、小売はかつて規制緩和をしたときに、免許者が増えましたけれども、その後は若干の減少というような状況でございます。
4ページ目は課税移出数量、出荷数量ということです。全体としては減少傾向にあります。ピーク時からすると、1割以上の減となっております。
5ページ目、ビールはビール系という形で見たときの減少が続いているということでございます。
それから、清酒、6ページですけれども、よく言われるように、ピーク時の3分の1以下ということに数量としてはなっているということでございますけれども、9ページ目、おめくりいただきますと、出荷額ということで見ますと、平成の初めの頃、1兆円ぐらいあったものが、こちらも減少はしていましたけれども、近年は、足元、ここは28年までしか出てないんですけれども、持ち直し傾向にあると、特に単価が伸びているということであります。
10ページ目、こうした清酒についてもいろいろな新しい動きが出てきています。一つ一つの説明は、時間の関係もあるので、省略いたしますけれども、先ほど、手島委員からもお話があったように、若い方々などが製造委託などを通じて新たに参入をしてくると、あるいは、異業種の方や若い方なんかが酒蔵を継承して再生させているというようなポジティブな事例も多く見られるようになってきています。
こういう若い方々、新しい方々も、こういう形で参加をいただいているということです。そうした新しい方々との意見交換みたいなものも、私どもは努めてまいりたいと思っております。
また、女性の杜氏、杜氏に限らないと思うんですけれども、清酒業界でも、女性の活躍ということが増えてきているというふうに思っております。
11ページ以降は輸出動向、先ほど御説明を差し上げました。
15ページ、これも清酒のことですけれども、輸出額が増えているということで、輸出量も当然増えているわけですけれども、併せて単価も上がっているということで、こちらも好ましい動きだろうと思っております。
16ページ目以降は、政府全体として輸出促進に取り組んでおりますというようなことで、16ページ、17ページ、18ページでございます。
19ページ、20ページは、先ほど御説明を差し上げたところです。
ここから、先ほど審議会で御説明した点の具体的な取組などを御紹介させていただければと思います。
21ページは、これは政府全体で取り組んでおりますということで、日本産酒類の輸出促進ということで、これだけの省庁、機関が参画をしております。
22ページは、先ほど申し上げました。23ページですけれども、国税庁では予算を確保しておりますし、24ページにありますように、日本酒造組合中央会の様々な事業を、補助金で御支援をさせていただいております。
25ページですけれども、昨年は、フランスにおけるジャポニスム2018ということで、この機会を捉えて、いろいろな形でプロモーションを行ったところでございます。
26ページですけれども、展示会の出展支援ということにも取り組んでおります。
「ProWein2018」とありますけれども、「ProWein 2019」が来週ございます。今回は、日本酒造組合中央会のほうで出展をされるということで、それに併せて、国税庁もジェトロと連携して、試飲PR、あるいは商談会といったものも実施をする予定にしております。
27ページは、海外の専門家の招聘ということであります。イギリスに本拠のある国際的な酒類専門家の養成機関、ワイン&スピリッツ・エデュケーション・トラスト、こういった関係の方々、9名ほどを招聘したところです。各日本酒の酒蔵を巡っていただいたり、レクチャーを差し上げたりということでしたけれども、今年度、平成31年度以降は、日本酒に加えて焼酎も実施する予定にしております。
28ページは、在京の外交官の皆さんにも酒蔵見学をしてもらおうというようなことで、日本酒造組合中央会の御協力をいただいて、酒蔵ツアーといったようなものも開催しております。
29ページは、ジャパンハウスです。サンパウロとロサンゼルスとロンドンでジャパンハウス、今、外務省のほうで設置しておりますけれども、このジャパンハウスでもプロモーションを行っています。
JFOODO事業との連携ということで、JFOODOはジェトロの中に設置された機関であります。日本食品海外プロモーションセンターというのが正式な名称ですけれども、海外でBtoC向けのプロモーションを行う機関として、一昨年に設立されたものです。
JFOODOは、重点7品目を定めていますけれども、そのうちの3品目がお酒ということになっております。日本酒、日本ワイン、クラフトビール、この3つが重点品目とされています。こうしたJFOODO、あるいはジャパンハウスとも連携する形で、様々な事業に取り組んでまいりたいと思っております。
30ページは、日EU・EPAでございます。関税の撤廃もございますけれども、GI相互保護、それから焼酎については、ボトルの容量の規制が緩和されたというようなことでございます。
ワインにつきましても、これまで、EU側のルールに従ったものしか輸出ができなかったわけですけれども、今後は、日本ワインということであれば、そのまま輸出ができるようになったというようなことでございます。
32ページは、GIの説明ですけれども、33ページ、先ほどの審議会でも申し上げましたけれども、地理的表示の指定を進めております。昨年は、右下にありますように、「灘五郷」の清酒、「北海道」のワイン、この2つを指定したところでございます。
それから、36ページ、そうしたGIを国内外に普及させていくということで、これは取組の一例ですけれども、昨年、GI「日本酒」シンポジウムということで、IWCの日本酒部門、これの山形県開催に併せて、こうしたシンポジウムを開催して、IWC関係者を含めて、パネルディスカッション、あるいは試飲というようなことに取り組んだところでございます。
37ページ、フランス・ジャポニスム。先ほども少し触れましたけれども、農水省と共催でGIの食品とお酒をコラボする形でのイベントを開催したところです。
38ページ、先ほど申し上げましたワインの表示ルール。日本ワインの表示ルール、あるいは産地の表示ルール、平成27年に制定をしたところですけれども、昨年10月に施行をしたところでございます。
ワインですけれども、39ページにございますように、ここは果実酒ということで、フルーツワインも含めてになりますけれども、酒類全体がやや減少傾向にある中で、国内出荷分、あるいは輸入分を含めて、多少のでこぼこはありますけれども、近年は拡大傾向にあるということでございます。
40ページ。冒頭にも申し上げましたけれども、果実酒、日本ワインの人気の高まりなどもあって、新規参入者が増えています。毎年2桁で免許を付与しているような状況になっております。
日本ワインの流通量は、国産ワインの中では、今2割ぐらいが日本ワインということになっております。輸入ワインが3分の2ぐらいありますので、全体としては4%ぐらいということですけれども、人気が高まっていると承知しております。
42ページ以降は、詳細なルールなので割愛しますが、こうした日本ワインについて、45ページですけれども、国税庁でも様々な認知度の向上、ブランド化といった取組を進めております。
この日本ワインの表示ルール、いろいろな方々に知っていただく必要があるので、お手元にもお配りをさせていただいていると思いますけれども、こうした消費者向けのパンフレット、あるいは、広島での日本ワインシンポジウムということで、鹿取委員にも御協力をいただいたところでございます。
46ページです。ジャポニスムの話ばかりですけれども、ボルドーの「La Cité du Vin」で日本ワインのイベントを開催いたしました。
それから、47ページ。日本ワインに関する業界団体、それから各県の公設試験研究機関の皆さん、関係する皆さん一堂に会する形で、醸造技術に関する情報交換会というようなこともやってございます。
48ページは、酒蔵免税制度です。
訪日外国人の皆さん、酒蔵でお酒を買うとき、消費税の免税に加えて、お酒の酒税も免税にするという措置を一昨年の10月に施行したところでございます。
49ページは、清酒の特区です。
今までどぶろく特区とかワイン特区がございました。今回、清酒についても、実現すれば初めてということになりますけれども、製造体験をさせるというような場合の特例ということで特区提案がありまして、今後、国会で御審議をいただく予定になっております。
そのほか50ページ、51ページ。製造事業者の皆様の技術力の向上ということは、大蔵省以来の酒類行政の原点でもあります。こうした技術支援の取組、国税局の鑑評会、それから酒類総合研究所、しっかりと取り組んでいるところでございます。
52ページは、一昨年に施行になりました酒税法改正、議員立法の概要です。公正な取引の基準を定めたというものです。
具体的な内容は、53ページにございますけれども、公正な取引に関する基準、左側ですけれども、正当な理由なく原価割れ販売を継続して行って、自己又は他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引をするということを禁じているものであります。
平成29年度が初年度ということになりますが、56ページですけれども、この公正取引の基準をしっかりと定着させていくと、しっかりと守っていただくということで、取引状況等実態調査ということで、136件の調査を初年度に行いました。
そのうち、4件について基準違反が認められたということで、基準を遵守するようにという指示を行ったところでありますし、ちょっと見づらいですけれども、指示までは至らなかったものの、今後も同様の行為があるという場合には、基準違反になるおそれがあるということで、15件の指導を行ったところでございます。これが初年度ということで、29年7月から30年6月までの結果でございます。
この事務年度、昨年の7月から2年目ということになります。2年目は、1年目以上にある意味では重要な年になります。この基準をしっかりと定着させていくということで、業界の皆さんの自主的な取組、これが大前提になるわけでありますけれども、その上で、国税庁としても精力的に調査を実施しておるところでございますし、問題が認められる場合には指示するなど、厳正に対処していくということとしておるところでございます。
ちょっと駆け足になりましたけれども、酒類行政における最近の取組ということでございます。
それから、もう一つ、資料3ですけれども、「未成年者飲酒防止に関する表示基準を定める件の一部改正等」という資料でございます。この点、御報告をさせていただければと思います。
民法の成年年齢というのが、20歳から18歳に引き下げられるという民法の改正が昨年の6月に公布をされております。
この民法改正後も、従前の「未成年者飲酒禁止法」において規定する飲酒禁止年齢、これは、引き続き20歳未満ということであります。法律名も、「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」というものに改正をされます。
そうしたことから、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」についても規定の整備を行う必要があるということで、具体的には、この基準において引用しております「未成年者」というものを、「二十歳未満の者」というふうに変更をすることにいたしたいと思っております。
このほか、テクニカルな話ですけれども、工業標準化法の一部改正ということに伴って、産業標準の名称などが改正されるということで、具体的には、「日本工業規格」というのが「日本産業規格」という名前に変更になるということでございますので、この点についても見直しを行うこととしたいと考えております。
また、(注)にありますように、「清酒の製法品質表示基準」、「果実酒等の製法品質表示基準」についても、この工業標準化法を引用しているということで、同様の整備を行うということにしたいと考えております。
この成年年齢の引き下げは、2022年4月からの予定であります。先ほど申し上げたとおり、飲酒禁止年齢は、引き続き20歳未満ということであります。国民の間に誤解や混乱が生じることのないように、施行はまだ先ではありますけれども、施行前から周知に努めていくということと、円滑に施行できるようにということで、この未成年者の飲酒防止に関する表示基準について、早期に見直しをいたしたいと考えております。
以上、御報告を申し上げます。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの議題2「酒類行政における最近の取組等」及び議題3「未成年者飲酒防止に関する表示基準を定める件の一部改正等」の内容につきまして、御説明いたしましたけれども、御意見などございますでしょうか、あるいは質問等でも結構でございます。
それでは、鹿取委員。
鹿取委員
2点ございます。昨年、31軒ワイナリーができまして、多分、その数は戦後一番多かったのではないかと思っております。加えて最近の傾向として、ワインだけを造るのではなくて、例えば、日本酒の酒蔵がワインを造って、委託醸造も受けたりとか、ビールを造っているところがワインを造ったりとか、それぞれの境界が重なっているように見受けられます。
あと、シードルですね。リンゴでシードルしか造らないところもありますが、ワインもシードルも造る醸造場も増えています。できましたら、例えば日本酒の酒蔵でワインを造っているところとか、ビールを造っているところでワインを造っているところとかという、そういう数字も把握できるといいかなというふうに思っています。
もう一点が非常に難しい問題だと思いますが、昨今、JFOODOが、日本のワイナリーの海外向けのプロモーションに力を入れるようになっており、思わぬことが起きております。実は、長野県で英国の雑誌の編集長を招聘しようとしたときに、先方が何を言ってきたかと言いますと、会社の経営サイドが出てきて、ただ招聘するのではなくて、さらにお金を上乗せしろということでした。要するに、タイアップ記事として、32ページ用意するから料金を払えということを実は言われました。そうすると今までは、ジャーナリストを呼ぶ場合、あごあしつきの出張にはなるのですけれども、航空運賃と、それから宿泊代と飲食代を出すという条件で記事を書いてもらっていたのが、要するにその金額がかなり上がってしまったという事態が生じていると。
これはどういうふうに解決すればいいかというと、ちょっと私自身も結論を出しかねております。残念ながら日本は、今売り込もうとしているので、お金を出すというふうに、イギリスに見られてしまったというところがあります。
三村分科会長
ありがとうございます。
あと少し質問いただいて、まとめて国税庁のほうから回答いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
五十嵐委員、どうぞ。
五十嵐委員
1点質問と、あともう一つは質問というか、要望です。1つは、10月からの消費税増税に伴って、酒税が受ける影響とか見通しについて、酒税全体、あるいはお酒別にその見通しなどについて教えていただきたいと。
あとは、例えば軽減税率の対象にお酒はもちろん入らないとは思うんですけれども、その中でもノンアルコールビール、かなり飲まれている方いらっしゃると思うんですが、これは酒類には入らないという理解なんですけれども、あと、みりん、調味料とか、そのあたりをちょっと確認したいと。
あと、そういうことに対する周知徹底はどうされるのかというのが質問です。
もう一つ、これは御説明にもあったように、これからは輸出戦略というものが重要だということだと思います。私も一昨日までちょうど中国、北京に出張していたのですが、本当に輸出金額上位10カ国の中でも中国とか香港とか、伸び率も非常に大きくて、潜在力が非常にあるところだとは思う一方で、10都県の輸出規制というものがかなり引っかかっています。日本酒とか日本食ブームというのは、現地でも大変な本格的なブームで、一時的なものではないなというふうに感じているのですけれども、輸出規制を何とかしないと、偏りがあるものしか入っていかない。日本酒の大きなブランドがいっぱいある輸入規制の残る地域の日本酒が楽しめないというのは、大変残念だなと思っています。
もちろん、国税庁さんだけでやることではないと思いますし、たくさんの取組が関わる話とは思うのですけれども、「友好」だけで本当にいいのかなと、おいしいですよ、飲んでくださいということだけで本当にいいのかなと、何か戦略的にできないものなのかなと、私もいろいろ考えて、知恵があるわけではないのですけれども、そのあたりの交渉の現状と見通しなり、ちょっと教えていただければと思います。
三村分科会長
わかりました。
それでは、お二人から大変貴重な示唆をいただきましたけれども、国税庁のほうから何か質問に対するお答えをいただけますでしょうか。
杉山酒税課長
鹿取委員からいただいたお話、日本酒の方、ビールの方がどのぐらいワインを造っているか、これは、検討させていただければと思います。
それから、JFOODOのお話はちょっと、今初めてお聞きしたんですが、JFOODOがいろいろなプロモーションをすることで相場が上がっているという、そういうことですか。
鹿取委員
例えば、長野県でもグローバルチャレンジ事業という事業で予算を組んで、海外からのジャーナリストの招聘を実施しておりました。今まで何人か招聘したときには、要するに、エアーチケットと宿泊代と、それから食費で、向こうは記事を自由に書くという条件でした。ある海外の雑誌に日本のワイナリー紹介記事が出ており、記事の最後にJFOODOあるいはジェトロの協力において記事ができたというようなことが記載されていたと記憶しています。長野県からの打診についても航空運賃、宿泊費、食費に加えて、さらに広告料的なものが要求されるようになってしまった。
杉山酒税課長
JFOODO自体は招聘事業はしていないと思うんですけれども、タイアップ記事は多分書かせていると思うので、そういうことなのかもしれませんけれども、いずれにしても、確認をさせていただければと思っております。
それから、五十嵐委員からお話がありました、10月の消費税増税でどうなるのかということでございます。
何か、確たる見通しを申し上げられるわけでもないんですけれども、2%上がるということは事実でございますので、そういった点、どういう影響があるのかということは、それは当然上がるわけですけれども、その点は注視したいと思いますけれども、政府としては、この消費税引き上げに伴ういろいろな需要関係の対策を各種講じておるところではございますので、そうした点も含めて、業界の動向については、よく注視をしてまいりたいというふうに思っております。
それから、ノンアルコールビールは当然お酒じゃないということですけれども、そのほか、これは軽減税率ですかとか、そういう話は、お酒に限らずいろいろなところでございますので、その辺のところは、国税庁としてもいろいろな形でしっかりと周知をしていくということでございます。
みりんは、お酒であるみりんと、みりん風みたいなお酒じゃない調味料とありますので、お酒についてはお酒の税金、そうじゃないものはそうでないということになります。
それから、中国で輸入規制があるということでございます。この点については、業界団体の皆様からも強い御要望をいただいているところでございます。お酒に限らず、食品全体に、中国側が輸入規制を10都県産のものについて続けているということでございます。
日本政府としては、科学的根拠に基づいて、こうした規制の解除をあらゆる機会に要請をしているところでありますし、プレスリリースにもございましたけれども、昨年11月の日中首脳会談で、そうした申し入れをしておるところでございます。こうした点、引き続き農水省、外務省とも連携しながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
三村分科会長
わかりました。
それでは、そのほかいかがでしょうか。
それでは、中空委員、どうぞ。
中空委員
ありがとうございます。
私は、お酒は飲むばかりで、余り細かい知識はないので、皆様のような具体的なことは聞けないのですが、長いことアナリストというのをやっておりまして、加えて、金融業界にすごく長くいるものですから、その観点でお聞きしていたことで疑問に思ったことを2点お伝えしたいと思います。
1点目が、新規参入の人たちが多いですよというのがありました。これは大変いいことだというふうに思うのですが、疑問に思うのは、もうかるのですかということなのです。
今、大手の酒造メーカー、日本だけではなくて、海外も含めて、世界のお酒を飲む人口が減っていますよということがあり、足りない利益が出てきているので多角化をしましょう、というのが割と通例で、M&Aも大変多く起きています。
そういう中で、新規参入の小さい企業がたくさん出てきており、利益がちゃんと結びつくのであろうかという懸念が出てきます。それを、また後で認可して、できないからといって何かサポートするということがあるとしたら、また日本のやり方はと非難されてしまいかねないので、その懸念はあるなというのが1点です。
あと、もう一点が、最近ESGという投資の言葉を聞いたことがあるでしょうか。Eというのはエンバイロメント、Sはソーシャル、Gはガバナンスという観点で、融資や投資の仕方を考えていきましょうということです。
銀行だけじゃなく証券もそうなのですが、投資をするものや融資をするときに、ESGの観点というのが割と中心的なものになってきています。
その中の一つに、ダイベストメントといって、インベストしないという選択肢があります。ダイベストというのは投資をやめることですけれども、世の中にとって良くないものについては、お金の出し方を制限していきます、という発想です。アルコールは、残念ながらそのカテゴリーに入るのですね。
もちろん、私も大好きですし、全部が全部悪いわけではないというのはあるのですが、地球とか人間の体にとって重要なことなのか、それとも制限すべきなのかということでいくと、割と制限がかかってきているのが現状です。
そうすると、先ほどのもうかるのですかということとセットになってくるのですが、融資が出てこないとか、債券を発行しても買ってくれないとか、株の投資もお酒メーカーは避けるとかという動きが出てきてしまうと、飲酒業界の資金調達、ひいては業態そのものが少し難しくなるような気もしてくるのですね。
これは、あくまでも銀行業界の流行といえば流行に過ぎないのかも知れないのですが、酒類分科会委員に選んでいただいて参画する中で、そことの平仄をどうやって合わせればいいのか、国税庁の方々はどう考えておられるか、お聞きしておきたいなというふうに思った次第です。
以上です。
三村分科会長
そのほかいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
であれば、お答えをお願いいたします。
杉山酒税課長
新規参入が増えている点について、免許を付与させていただいたときに、先ほども少し申し上げた清酒業界とか、あるいは本格焼酎のように、数量は減ってきているというようなところについては、需給調整というような形で、むしろ、新規免許を出して欲しいというお話もあるわけですけれども、そうした状況を鑑みて、需給調整するという観点から、全く純粋に新規の免許というものは、今控えている状況になっていて、新しく参入される方は、先ほどもお話がありましたけれども、休業中のところを承継し、それで再生させている方もいらっしゃるわけなんですけれども、そういったようなことでやっているということです。
中空委員
杉山酒税課長
経営基盤がしっかりしているかということで、例えば、過去何年赤字の人はだめとか、欠損が出ていたらだめとか、債務超過の人はだめとか、そういうことは最低限は見ておりますけれども、それ以外に収益の見通しが立つかとか、そういったところまでは、例えば、需給調整はそういうことでやっていますけれども、それ以上のところで、例えば、ワイナリーをやりたいという人がいる場合に、あなた本当にもうかるんですかみたいなところまでは、銀行業の免許ではないので、そこまでのところはしてはいないというふうになっています。行政がそこまですべきかという問題もあるので、そこまでは、実際には踏み込んではいないというところでございます。
それから、ESG投資の関連でお話をいただきました。
先ほどの審議会でも申し上げたとおり、お酒は大変重要な歴史文化であると同時に、そうした社会的配慮というものも要する、そういう物資だということが、私ども行政としての、まず大前提ですので、先ほど申し上げた20歳未満の方は飲んではだめですということもありますし、また、アルコール健康障害対策というのは、政府全体でも、そうした計画を何年か前に決定をしたところです。業界の皆さんも、適正飲酒ということについては、非常に配慮をされてやっているというところでございます。
そうした点は、常日頃から、業界としても、国税庁としても、十分な配慮をしながら取り組んでおりますし、取り組んでまいりたいというふうに思っております。
そうした上で、全体としてそういう動きみたいなものもあるという点については、私どもとしても、あるいは業界の皆さんもそうだと思いますけれども、よく留意をするという必要はあるのだろうというふうに思っています。
ただ、余り極端な議論にもならないようにと、非常に有用というか、有効というか、嗜好品ですし、歴史もあります。伝統もあります。文化もあります。ヨーロッパの方でも大好きな方がたくさんいらっしゃいますし、ヨーロッパの国でも大変重要な産業になっているということだと認識をしておりますので、そうした観点でちょっと考えていきたいと思っております。
三村分科会長
ありがとうございます。
そういったような視点でも、一応注意しておく必要があるということで、承りたいと思います。
そのほかにいかがでしょうか。お時間もあるので、あとお一人ぐらい。
手島委員、どうぞ。
手島委員
技術支援に関する取組ということで、今、国産のワインがとても人気が出てきて、消費量が増えているという現状などをお聞きしましたが、清酒は相変わらずちょっとずつ下がっているという現状の中で、この技術支援、お酒の味わいを、例えば、若年層が飲まなくなっている理由を分析して、若年層の人たちがもっと手が届くような清酒の開発を進めるとか、この技術支援というのは、いわゆる、品質のクオリティーを高めるということ以外に、時代の要請に合った初出のものを研究し、発信していくというようなことというのは、どんな取組が行われているのかをお聞かせください。
三村分科会長
近藤鑑定企画官
我々は、現場の国税局に鑑定官室という部署がありまして、そこで、技術支援を担当しておりますが、各メーカーさんのいろいろなニーズを聞きながら、その中で商品開発の相談とか、そういったものにも対応しております。
もちろん、今おっしゃったような新たな商品開発をしたいというときに、我々は適切に助言を行っておりますので、そうしたところにも、そういったニーズも酌み取りながら、それに取り組んでまいりたいと思います。
手島委員
あくまでも、そうするとメーカーの1つのニーズに対して応えるという技術支援ということで、例えば、国税庁さん自身が社会動向とか社会ニーズということを捉えた上での何か研究開発みたいな。
近藤鑑定企画官
そういったところも、研究開発につきましては、酒類総合研究所というところがやっておりまして、特に、技術開発の研究室というのがございまして、そういったところも捉えながら、取組を行っております。
吉井審議官
多分、まず、何で飲まなくなっているのかというのを相当よく分析して、私どもなりに分析して、業界さんとよく意見交換などで、何で飲まなくなったのかを分析した上で、ちょっと研究をしていきます。
それで、資料の51ページにありますけれども、例えば、輸出に適した酒類の研究みたいな感じで、老香が発生しにくいような酵母を作ってみるとか、そのようなある種民間企業と連携しながらですけれども、民間企業のニーズのある研究というのは、既に着手し出しているところでございますけれども、なぜ飲まなくなったのかというのをよく分析して、企業の方で、事業者の方でどういうふうに手を打っていくんだというのをよく見ながら、連携しながらやっていく形になるのかなと思います。ちょっとよく考えてみたいと思います。
三村分科会長
貴重な御意見ありがとうございました。
この分野について、そろそろお時間ということで、よろしゅうございましょうか。
三村分科会長
篠原委員
私は、日本酒造組合中央会の人間で、今まで皆さんが議論している中身は大体理解しているつもりなんですけれども、今一番課題になっておるのは、日本酒だけじゃなくて、アルコール飲料がだんだん日本では需要が減ってきているという話があって、その中で日本酒はどうなっているかなと。量的には減っているのは事実なので。これは、基本的にはヘビードリンカー、私らの団塊の世代よりちょっと上ぐらいのところが、量的に飲まなくなっているというので、ここが一番少し減ると、ほかで少し頑張ってもひどく減ってしまうというのが現状です。分析としての数量としては。
ただ、これは9ページをちょっと見ていただいたらいいんですけれども、平成23年度ですか、出荷金額が最低で23年度がリットル当たりが615円だったんですよね。それで、現在、平成28年度は718円。これだけいいものを売っているという、売上単価が上がっているんですよね。
というのは、現状、小さい酒屋さんが、杜氏制度がほとんど崩壊してしまって、後継者が造っているというのが随分増えて、そういう後継者はいろいろな品質の多様化を図って、高級というよりは、手間がかかった酒を造っていると。それを高級と言うのかどうかは別にして、それだけ高く売っていると、それは量は少ないけれども、そういう蔵が増えているというのが現状です。
だから、今、酒のほうでは1,500軒ぐらいだと思いますけれども、そこの底辺の、数の非常に少ない家内工業的なお酒屋さんが、頑張ってこういう世界を築いているというのが現状です。
だから、悪い方向へ向かっているわけじゃなくて、それはいい方向に向かっているのだろうと私は分析をしております。
ただ、全体的には数量は先ほどお話ししたように下がっていることは事実なので、これは、もうちょっとほかの要因を考えてみないといかんのかなと。それで小さい田舎の酒屋さんの生きる道というのは、自分たちで若い後継者が切り開いているというのが現状です。
そういうことで、現状をちょっとお話しして、変な方向、お前ら、日本酒はだめになりよるんだなという方向ではないということをちょっとお話し申し上げておきたいと思います。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、この議題は尽きないですけれども、そろそろお時間ということにいたします。
それでは、次の議題ということに移りたいと思います。
次の議題は、「ビール業界におけるCO2排出量削減の取組について」ということです。
ビール酒造組合から御説明いただくことになっておりますので、ビール酒造組合の方に御入室をお願いいたします。
三村分科会長
それでは、本日はお忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。
私のほうから御紹介させていただきます。ビール酒造組合の板垣専務理事でいらっしゃいます。
ビール酒造組合(板垣専務理事)
板垣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
三村分科会長
ビール酒造組合(樽岡審議役)
三村分科会長
それでは、ビール酒造組合からの御説明の前にまず事務局から本件の概略を説明していただきたいと思います。
杉山酒税課長
それでは、本件につきまして、経緯も含めて、簡単に御説明をさせていただきます。
地球温暖化対策に関する取組ということでございます。
平成17年に京都議定書というのが発効いたしまして、それ以来各業界、自主行動計画などを策定していただいております。
そうした目標達成などに向けましては、政府が関係の審議会などにおいて、定期的にフォローアップを行うということとされております。酒類業界からは、ビール酒造組合の方々に御参画をいただいております。
平成20年以降、この酒類分科会各会において、ビール酒造組合から取組を御報告いただいて、委員の皆様方から御審議をいただいているところでございます。
現在、平成28年閣議決定の地球温暖化対策計画というのに基づきまして、ビール業界が策定された低炭素社会実行計画ということですけれども、この取組について、この審議会で、厳格かつ定期的な評価、検証を実施するということとされているところでございます。
なお、この分科会で御審議いただいた内容につきましては、政府の地球温暖化対策推進本部に対して御報告を申し上げまして、進捗状況ということで公表されるということとなっております。
以上でございます。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、ビール業界におけるCO2排出量削減の取組について、板垣専務理事から御説明をお願いいたします。
ビール酒造組合(板垣専務理事)
ビール酒造組合の専務理事の板垣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料の4-1の「【概要】ビール業界におけるCO2排出量削減の取組みについて」を御覧ください。
まず、この資料においてのビール業界というのは、ビール酒造組合に加盟しておりますサッポロ、サントリー、アサヒ、キリン、オリオンの5社を指しております。ですので、地ビール業界とかは入っておりませんので、あらかじめ御了承ください。
ビール業界としましては、経団連の環境自主行動計画に1996年から参画しまして、省エネ及びCO2削減に取り組んでまいりました。2013年からは、環境自主行動計画に次ぐ新しい計画として、低炭素社会実行計画に参画しております。
実績を2番、3番のほうに記載させていただいておりますが、ビール業界としての低炭素実行計画においては、2020年、CO2総排出量51.1万トン、2030年、CO2総排出量46.3万トンを目標に設定させていただいております。
実績といたしましては、2013年、49.2万トン、2014年、48.1万トン、以降少しずつ減少してきておりまして、2017年には46.2万トンとなっております。いずれも2020年目標値であります51.1万トンを下回り、目標を達成しております。また、2017年には、2030年目標である46.3万トンも達成しております。
これらのCO2削減につきましては、ビール工場のボイラーの設備や冷凍設備の燃料を液体燃料から都市ガスに転換し、エネルギー使用量の削減に積み上げてきたことが大きく貢献してきております。
工場の削減の活動に加えまして、物流面におきましても、ビール各社が鉄道による共同配送をすることで、トラックの削減により、CO2の削減につなげています。
具体的には、2017年9月から開始いたしました北海道東部エリアでのコンテナ輸送でのCO2削減、これが約330トン、2018年4月から開始いたしました関西・中国地区から九州地区に向けてのコンテナ輸送、これにおけるCO2削減を約1,500トンを見込んでおります。
このような削減をしてまいっているんですけれども、5番のところに記載しているとおり、エネルギーの使用原単位指数では、2017年に0.521まで削減してきておりまして、生産量が現在低下トレンドにある中、これ以上の大幅な削減は困難な状況になってきております。
今後は、既に達成しておりますフェーズⅡの目標見直しも含めまして、地道なCO2削減に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
以上、ビール酒造組合からの報告でございます。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまのビール酒造組合からの御説明に対しまして、皆様から何か質問とか御意見ありましたらお願いをいたします。
それでは、中空委員。
中空委員
ありがとうございます。すごい勉強になりました。
すごい興味本位で申し訳ないのですが、このCO2の削減って、どうやって監視するというか、観察するのでしょうか。
つまり、CO2削減をこれだけしましたというその成果は、どのように計測するのでしょうか。そして、いつも思うのですが、環境を良くするというためにCO2を削減しようというのですけれども、CO2の削減って、私はESGアナリストもやっているのですが、アナリスト的には、どこからどれだけ減ったのか、よくわからないということにどこか腑に落ちなさを感じています。
言っていただいたことを言いなりで聞くだけになってしまうのですが、どういうことがその工程に行われているからCO2削減を達成していると言えるのか、そこを教えていただきたいです。
ビール酒造組合(樽岡審議役)
炭酸ガスのCO2の削減量を直接測定するわけにはまいりませんので、我々製造工程で使用しております燃料の使用量、それから電気の使用量、こちらを基にして、CO2がそれが排出量としてどれぐらいに相当するのかというのを計算しておりまして、ですから、燃料で徐々にその使用量を減らしてくる。それから、電気についても使用量を減らしてくるということで、炭酸ガス使用量換算した値が減ってくるというふうに、我々は計算量を出しているということでございます。
それから、先ほど板垣から説明がありましたとおり、いわゆる液体燃料、石油類を直接使用しますと、それなりに炭酸ガスの排出量が多くなるということがございますので、それを都市ガスに順次切りかえていっていると。そのことによって、炭酸ガスの総排出量を削減するということに取り組んで削減しているということでございます。
三村分科会長
それでは、もしご質問がありましたら、お一人ぐらいということでよろしゅうございますか。
それでは、なかなかこれからも大変な課題をお願いすることになると思いますけれども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
本日はどうも御参加いただきましてありがとうございました。
三村分科会長
それでは、最後の議題に移りたいと思います。
議題5は、地理的表示部会の閉会についてということです。
まず、事務局から御説明をお願いいたします。
杉山酒税課長
2点、御説明をさせていただきます。
地理的表示部会についてでございます。
酒類分科会の下にぶら下がる形で、地理的表示部会ということで御活動いただいておりました。
まず、1点目ですけれども、国税審議会の委員の改選に伴いまして、地理的表示部会の委員が欠員になっております。地理的表示部会に属する委員の人数につきましては、酒類分科会において、酒類分科会議事規則第3条に基づき、調査審議すべき事項に必要な人数として計8名とさせていただいたところでございますが、本年1月の国税審議会委員の改選におきまして、佐藤部会長代理が国税審議会委員を退任されました。また、鹿取臨時委員が国税審議会委員に御就任をされました。これに伴いまして、事務的な手続ではございますけれども、臨時委員の職を退任されるということになりましたので、現状、地理的表示部会委員は2名欠員の状態となっております。
そこで、この欠員2名に対しまして、新たな委員の選任ということにつきましては、国税審議会令第7条第2項によりまして、部会に属すべき委員及び臨時委員は、当該分科会長が指名することとされておりますので、三村分科会長から御指名をいただきたいと考えております。
それから、2点目でございますけれども、この地理的表示部会の閉会についてでございます。
本部会は、平成27年10月の地理的表示制度の見直しに当たりまして、実務的事項の詳細を定めるガイドライン、法令解釈通達ですけれども、このガイドラインを制定する上で、その内容が技術的、専門的なものとなっていたため、知見のある委員の方々に御協力をいただき、立ち上げることとなったものでございます。
ガイドラインの制定から約3年が経過をいたしました。見直し後の制度におきましても、先ほども御説明しましたとおり、「灘五郷」ですとか、「北海道」といった地理的表示が新たに指定をされております。また、ほかの産地からの新たな地理的表示の申し立てといったものも見込まれておるところでございます。
こうした状況を鑑みますと、本制度は一定程度定着した、本部会はその意義を十分に果たしていただいたと考えられることから、本部会の閉会を提案させていただければと存じます。
なお、本日、酒類分科会の後に開催いたします地理的表示部会におきましては、ガイドライン制定後の地理的表示制度をめぐる動きというものを、私どもから御説明をさせていただいた後、委員の皆様から本制度について、今後に向けた御意見などを賜った上で、本部会を閉会させていただきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いをいたします。
三村分科会長
ありがとうございました。
今、事務局から2点御説明をいただいております。
まず、1点目といたしまして、地理的表示部会の人員が現在2名欠員の状態となっており、部会の開催に当たり、新たに2名の委員を選出する必要があるということです。
そこで、私から佐藤部会長代理の後任には分科会長代理の吉村委員を、また同部会の臨時委員であった鹿取委員に引き続き部会の委員をお願いしたいと考えております。
2点目の地理的表示部会の閉会と併せまして、委員の皆様の御賛同をお願いできればと思いますが、いかがでございましょうか。
三村分科会長
ありがとうございました。
それでは、地理的表示部会につきましては、本日、この酒類分科会の後に開催いたしますので、吉村委員、篠原委員、鹿取委員におかれましては、引き続きお残りいただきますようよろしくお願いいたします。
本日、予定しておりました議題は以上でございますが、最後に、何か皆様から御意見等ございますでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、ほかにないようでしたらここで議事を終了することにいたします。
なお、本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、国税審議会議事規則第5条第2項、酒類分科会議事規則第4条に則りまして、まずは簡潔な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は完成次第公表させていただきたいと思います。
また、議事録につきましては、公表前に皆様の御発言内容に誤りがないかどうかを確認させていただいた上で、公表したいと思います。議事要旨の内容等につきましては、分科会長一任ということでよろしゅうございましょうか。
三村分科会長
ありがとうございました。
本日は、大変貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。
以上をもちまして、第20回酒類分科会を閉会とさせていただきます。
なお、この後、10分の休憩をはさみまして、地理的表示部会をこの部屋で開催いたしますので、吉村委員、篠原委員、鹿取委員におかれましては、引き続きお残りいただきますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
――了――