1 想定される用途

 主に食用油

2 特徴

  1. (1)油の熱安定性が高い
     大豆油は食用油として安価であり、サラダ油等の原料としてよく利用されているが、多価不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレン酸等)が多く含まれるため、熱によって変性しやすく安定性が低いという欠点がある。
     このため、一般に揚げ物用など高い熱安定性が要求される場合には、水素を添加することにより熱安定性の向上を図っている。
     高オレイン酸遺伝子組換え大豆は、大豆の脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の含有量を減らし、代わりに一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸含有量を増やしたものである。このため、高オレイン酸遺伝子組換え大豆から得られた油は、熱安定性が高い。
    • (参考)脂肪酸中のオレイン酸比率 高オレイン酸大豆 約80%
    • 既存の大豆 17〜30%
    • 大豆に占める脂肪酸の割合は従来の大豆と同等である。(約25%)
  2. (2) コレステロールへの作用
     オレイン酸はLDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを低下させない作用が報告されるなどの有用性が示されている。

3 食品としての安全性確認

 平成13年3月

4 栽培状況

 米国では、2000年で約2,000ha程度栽培されていると推定される。

[ 2については厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会資料、4については、アメリカ大豆協会ホームページにより作成 ]

(農林水産省『農林物資規格調査会』資料から抜粋)