第5章 印紙税の税率軽減等措置関係

(非課税被災者と当該非課税被災者以外の者とが共同で作成した文書の範囲)

1 租特法第91条の2第2項に規定する「非課税被災者と当該非課税被災者以外の者とが共同で作成した不動産譲渡契約書等」とは、非課税被災者が共同作成者の一員となっているすべての不動産譲渡契約書等をいうのであるから留意する。(課消4-7追加)

(例)
非課税被災者(甲)と非課税被災者以外の者(乙)の共有地の売買契約書
売主 甲及び乙
買主 丙

(注) 甲、乙及び丙は、印紙税法第4条第5項に規定する「国等」に該当しない者であるものとする。

売買契約書を3通作成し、甲、乙、丙がそれぞれ1通ずつ所持する場合

甲が所持する文書 非課税

乙が所持する文書 課税

丙が所持する文書 丙が非課税被災者以外の者であるときは課税、丙が非課税被災者であるときは非課税

(滅失等建物等の「所有者」の意義)

2 租特令第52条第1項に規定する「滅失等建物等の所有者」には、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第3条に規定する団体及び同法第25条第1項の規定により選任された管理者を含む。(課消4-7追加)

(「分割により滅失等建物等に係る事業に関して有する権利義務を承継させた場合」の意義)

3 租特令第52条第2項第3号及び第4号に規定する「分割により滅失等建物等に係る事業に関して有する権利義務を承継させた場合」とは、法人の分割により滅失等建物等に係る権利義務を当該分割に係る分割承継法人に承継させた場合をいうのであるから留意する。(課消4-7追加)

(非課税措置の対象となる不動産譲渡契約書等の範囲)

4 租特法第91条の2の規定による非課税措置の対象となる文書に該当するか否かの判定に当たっては、次の点に留意する。(課消4-7追加)

(注) 文書の所属の決定及び記載金額の計算は、通則の規定により行うことに留意する。

(1) 被災者(租特法第91条の2第1項に規定する「被災者」をいう。(2)において同じ。)が同項各号の場合に作成する不動産の譲渡に関する契約書又は請負に関する契約書で、次に掲げるものについても、同条の規定が適用される。

イ 不動産の譲渡に関する契約書と当該契約書以外の課税物件表の第1号の物件名の欄1から4に掲げる契約書とに該当する1の文書

(例) 建物及び定期借地権売買契約書(不動産の譲渡に関する契約書と土地の賃借権の譲渡に関する契約書)

ロ 建設工事の請負に係る契約に基づき作成される請負に関する契約書と建設工事以外の請負に関する契約書とに該当する1の文書

(例) 建物建設及び建物設計請負契約書

ハ 通則3の規定により文書の所属が不動産の譲渡に関する契約書又は請負に関する契約書となったもの

ニ 契約の変更又は補充等の契約書

(注) ハの場合、通則3の規定により所属が決定されなかった号の文書としての課税関係は生じないのであるから留意する。

(2) 被災者が租特法第91条の2第1項各号の場合に作成する文書であっても、不動産の譲渡に関する契約書又は建設工事の請負に係る契約に基づき作成される請負に関する契約書に該当しないものは、同条の規定は適用されない。

(例)

1 代替建物の取得代金又は建設工事代金の支払のために振り出す課税物件表の第3号に掲げる約束手形

2 滅失等建物が所在した土地の譲渡代金を受領した際に作成する課税物件表の第17号の物件名の欄1に掲げる売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書

(同一の用途の判定)

5 租特令第52条第4項に規定する「滅失等建物の滅失又は損壊の直前の全部又は一部の用途と同一である建物」に該当するか否かについては、おおむね、居住の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分により判定する。(平29課消4-7)

(代替建物の判定)

6 代替建物に該当するか否かについては、租特法第91条の2第1項に規定する不動産譲渡契約書等の作成時に当該不動産譲渡契約書等その他の書面により判定する。(平29課消4-7)

(「不動産譲渡契約書等その他の書面により明らかにされているもの」の意義)

7 租特令第52条第4項に規定する「不動産譲渡契約書等その他の書面により明らかにされているもの」とは、次のようなもので、後日においても明らかにされるものをいう。(平29課消4-7)

(1) 租特法第91条の2第1項に規定する不動産譲渡契約書等に代替建物に該当する旨が記載されているもの

(2) その他の書面の記載内容等により代替建物に該当することが確認できるもの

(例)

1 滅失等建物に係る登記事項証明書(不動産登記)に記載されている建物の種類が「居宅」であり、「工事名 ○○邸新築」等と記載された見積書、契約書、設計書又は仕様書等により、代替建物に該当することが確認できるもの

2 主務大臣の発行する「被災建物の代替建物であることの証明書」等により、代替建物に該当することが確認できるもの


第5章 印紙税の税率軽減等措置関係

第1節 租特法第91条から第91条の4共通関係

第2節 租特法第91条《不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例》関係

第3節 租特法第91条の2《自然災害の被災者が作成する代替建物の取得又は新築等に係る不動産譲渡契約書等の印紙税の非課税》関係

第4節 租特法第91条の3《都道府県が行う高等学校の生徒に対する学資としての資金の貸付けに係る消費貸借契約書等の印紙税の非課税》関係

第5節 租特法第91条の4《特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税》関係


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