通算親法人P社(3月決算)の通算グループの通算子法人S1社及び通算子法人S2社は、同一の通算グループの通算子法人S3社(発行済株式の総数は100、初年度離脱通算子法人には該当しません。)の発行済株式を保有(S1社:70株、S2社:30株)していますが、X1年4月1日にS1社はその有するS3社の株式の全てを通算グループ外のA社に譲渡しました。
通算法人が有する株式を発行した通算子法人(初年度離脱通算子法人を除きます。以下同じです。)について通算制度の承認がその効力を失う場合(以下、この場合における投資簿価修正事由を「通算終了事由」といいます。)には、その通算子法人の株式の帳簿価額をその通算子法人の簿価純資産価額に相当する金額に修正を行うとともに、自己の利益積立金額につきその修正により増減した帳簿価額に相当する金額の増加又は減少の調整を行うこととされています(法2十八、令9六、119の3、119の4)。
したがって、通算子法人に通算終了事由が生じた場合には、通算子法人の株式を譲渡した通算法人に限らず、その通算子法人の株式を保有する全ての通算法人が投資簿価修正を行うこととなります。
本件では、S1社によるS3社の株式の譲渡の直前にS3社の株式を保有していたS1社及びS2社は、その譲渡の前に、それぞれ次のとおり、S3社の株式の帳簿価額について簿価純資産価額に相当する金額となるように修正を行うとともに、それぞれの利益積立金額についてその修正により増減した帳簿価額に相当する金額の増加又は減少の調整を行うこととなります。
(参考)
初年度離脱通算子法人、投資簿価修正(原則法)の概要及び投資簿価修正における資産調整勘定対応金額等の加算措置については、次のQ&Aを参照してください。