(問40)

通算制度からの離脱等に当たり、その有する時価評価資産につき時価評価が必要となる法人があるそうですが、具体的にはどのような法人が該当しますか。

【回答】

以下の通算法人が該当します。

  1. (1) 離脱等の前に行う主要な事業が離脱等後において引き続き行われることが見込まれていない通算法人
  2. (2) 通算法人の株式を有する他の通算法人においてその通算法人の離脱等の後にその株式の譲渡等による損失の計上が見込まれている場合のその通算法人

【解説】

通算制度の承認の効力を失う通算法人(その通算法人が通算子法人である場合には、初年度離脱通算子法人(注1)等を除きます。以下同じです。)が、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、その通算法人の通算終了直前事業年度(その効力を失う日の前日の属する事業年度をいいます。以下同じです。)終了の時に有する時価評価資産(次表の(1)又は(2)に掲げる要件のいずれに該当するかに応じたそれぞれの資産をいいます。)の評価益の額又は評価損の額は、その通算終了直前事業年度において益金の額又は損金の額に算入することとされています(法64の131、令131の171)。

  要件 資産
(1)  その通算法人のその通算終了直前事業年度終了の時前に行う主要な事業がその通算法人であった内国法人(注2)において引き続き行われることが見込まれていないこと(注3)  固定資産、棚卸資産たる土地(土地の上に存する権利を含みます。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産(これらの資産のうち、資産(営業権を除きます。)の帳簿価額が1,000万円に満たない場合のその資産、その通算法人が有する他の通算法人(通算親法人を除きます。)の株式又は出資などの一定の資産を除きます。)(令131の173
(2)  その通算法人の株式又は出資を有する他の通算法人において通算終了直前事業年度終了の時後にその株式又は出資の譲渡又は評価換えによる損失の額として損金の額に算入される一定の金額(令131の175)が生ずることが見込まれていること(上記(1)に該当する場合を除きます。)  その通算法人がその通算終了直前事業年度終了の時に有する上記(1)に定める資産(通算終了直前事業年度終了の時における帳簿価額が10億円を超えるものに限ります。)のうちその時後に譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由(令131の1767)などが生ずること(注4)が見込まれているもの
  1. (注1) 初年度離脱通算子法人とは、通算子法人で通算親法人との間に通算完全支配関係を有することとなった日の属するその通算親法人の事業年度終了の日までにその通算完全支配関係を有しなくなる法人のうち、その通算完全支配関係を有することとなった日以後2月以内にその通算グループ内の通算法人による株式の売却等の一定の事実が生ずることによりその通算完全支配関係を有しなくなる法人(その通算グループ内の合併又は残余財産の確定によりその通算完全支配関係を有しなくなる法人を除きます。)をいいます(令24の3)。
  2. (注2) その内国法人との間に完全支配関係がある法人並びに適格合併等によりその主要な事業がその適格合併等に係る合併法人等に移転することが見込まれている場合におけるその合併法人等及びその合併法人等との間に完全支配関係がある法人を含みます。
  3. (注3) その通算法人の通算終了直前事業年度終了の時に有する資産の評価益の額の合計額が評価損の額の合計額以上である場合を除きます(令131の172)。
  4. (注4) その事由が生ずることにより損金の額に算入される金額がない場合又はその事由が生ずることにより損金の額に算入される金額がその事由が生ずることにより益金の額に算入される金額以下である場合を除きます。

(参考)
 時価評価資産の範囲については、次のQ&Aを参照してください。

  1. 問41 時価評価資産の範囲