(問41)

通算制度の開始、通算制度への加入及び通算制度からの離脱に当たっては、時価評価が必要となる法人の有する一定の資産については、時価評価をすることとされていますが、時価評価の対象となる資産とはどのようなものをいうのですか。

【回答】

時価評価の対象となる資産(以下「時価評価資産」といいます。)とは、固定資産、棚卸資産たる土地(土地の上に存する権利を含みます。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産をいいます。
 ただし、これらの資産のうち、資産の帳簿価額が1,000万円に満たない場合のその資産等、一定の資産が除かれます。

【解説】

時価評価資産とは、固定資産、棚卸資産たる土地(土地の上に存する権利を含みます。以下同じです。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産をいいますが、これらの資産のうち、通算制度の開始、通算制度への加入及び通算制度からの離脱のそれぞれの場合に応じた以下の資産を除くこととされています(法64の11〜64の13、令131の15〜131の17)。

  1. (1) 通算制度の開始に伴う資産の時価評価の対象から除かれる資産(令131の15)
    1. イ 通算制度を開始する最初の事業年度開始の日の5年前の日以後に終了する各事業年度において、国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入(法42)等の規定(以下(3)までにおいて「圧縮記帳等の規定」といいます。)の適用を受けた減価償却資産(適格合併等により移転を受けた圧縮記帳等の規定の適用を受けた減価償却資産を含みます。)
    2. ロ 売買目的有価証券(法61の31一)及び償還有価証券(令119の14)
    3. ハ 資産の帳簿価額が1,000万円に満たない場合のその資産
    4. ニ 資産の価額とその帳簿価額との差額(その5年前の日以後に終了する各事業年度において圧縮記帳等の規定の適用を受けた固定資産のうち減価償却資産以外のもので、その価額がその帳簿価額を超えるものについては、その圧縮記帳等の規定により損金の額に算入された金額又はその超える部分の金額のいずれか少ない金額を控除した金額)が、その資産を有する通算親法人となる法人若しくは通算子法人となる法人の資本金等の額の2分の1に相当する金額又は1,000万円のいずれか少ない金額に満たない場合のその資産
    5. ホ 通算親法人となる法人との間に完全支配関係がある内国法人(清算中のもの、合併による解散以外の解散をすることが見込まれるもの又はその通算親法人となる法人との間に完全支配関係がある内国法人との間で適格合併を行うことが見込まれるものに限ります。)の株式又は出資で、その価額がその帳簿価額に満たないもの
    6. ヘ 通算親法人となる法人又は通算子法人となる法人が他の通算グループに属していた場合のその法人が有する他の通算法人(通算親法人を除きます。)の株式又は出資
    7. ト 初年度離脱開始子法人(注1)の有する資産
  2. (2) 通算制度への加入に伴う資産の時価評価の対象から除かれる資産(令131の16)
    1. イ 通算親法人との間に完全支配関係(通算除外法人(注3)及び外国法人が介在しない一定の関係に限ります。)を有することとなった日以後最初に開始するその通算親法人の事業年度開始の日の5年前の日以後に終了する通算子法人となる法人の各事業年度において、圧縮記帳等の規定の適用を受けた減価償却資産(適格合併等により移転を受けた圧縮記帳等の規定の適用を受けた減価償却資産を含みます。)
    2. ロ (1)ロ及びハに掲げる資産
    3. ハ 資産の価額とその帳簿価額との差額(その5年前の日以後に終了する各事業年度において圧縮記帳等の規定の適用を受けた固定資産のうち減価償却資産以外のもので、その価額がその帳簿価額を超えるものについては、その圧縮記帳等の規定により損金の額に算入された金額又はその超える部分の金額のいずれか少ない金額を控除した金額)が、通算子法人となる法人の資本金等の額の2分の1に相当する金額又は1,000万円のいずれか少ない金額に満たない場合のその資産
    4. ニ 通算子法人となる法人との間に完全支配関係がある内国法人(清算中のもの、合併による解散以外の解散をすることが見込まれるもの又はその通算子法人となる法人との間に完全支配関係がある内国法人との間で適格合併を行うことが見込まれるものに限ります。)の株式又は出資で、その価額がその帳簿価額に満たないもの
    5. ホ 通算子法人となる法人が他の通算グループに属していた場合のその法人が有する他の通算法人(通算親法人を除きます。)の株式又は出資
    6. ヘ 初年度離脱加入子法人(注2)の有する資産
  3. (3) 通算制度からの離脱に伴う資産の時価評価の対象から除かれる資産(法64の131二、令131の173
    1. イ 通算制度の承認の効力を失う日の前日の属する事業年度(以下「通算終了直前事業年度」といいます。)終了の日の翌日の5年前の日以後に終了する各事業年度において、圧縮記帳等の規定の適用を受けた減価償却資産(適格合併等により移転を受けた圧縮記帳等の規定の適用を受けた減価償却資産を含みます。)
    2. ロ (1)ロ及びハに掲げる資産
    3. ハ 資産の価額とその帳簿価額との差額(その5年前の日以後に終了する各事業年度において圧縮記帳等の規定の適用を受けた固定資産のうち減価償却資産以外のもので、その価額がその帳簿価額を超えるものについては、その圧縮記帳等の規定により損金の額に算入された金額又はその超える部分の金額のいずれか少ない金額を控除した金額)が、通算制度から離脱する通算法人の資本金等の額の2分の1に相当する金額又は1,000万円のいずれか少ない金額に満たない場合のその資産
    4. ニ 通算制度から離脱する通算法人との間に完全支配関係がある内国法人(清算中のもの、合併による解散以外の解散をすることが見込まれるもの、又はその通算法人との間に完全支配関係がある内国法人との間で適格合併を行うことが見込まれるものに限ります。)の株式又は出資で、その価額がその帳簿価額に満たないもの
    5. ホ 通算制度から離脱する通算法人の有する他の通算法人(通算親法人を除きます。)の株式又は出資
    6. ヘ 通算制度から離脱する通算法人の株式又は出資を有する他の通算法人において、通算終了直前事業年度終了の時後にその株式又は出資の譲渡又は評価換えによる損失の額として損金の額に算入される一定の金額が生ずることが見込まれていることから時価評価を要することとされているその通算法人が有する資産(上記イからホまでに掲げる資産を除きます。)のうち、次に掲げる資産
      1. (イ) 通算終了直前事業年度終了の時における帳簿価額が10億円以下の資産
      2. (ロ) 通算終了直前事業年度終了の時における帳簿価額が10億円超の資産のうち、その時後に譲渡などの一定の事由が生ずることが見込まれていない資産
  1. (注1) 初年度離脱開始子法人とは、通算親法人となる法人の最初の事業年度終了の日までにその通算親法人となる法人との間に完全支配関係(通算除外法人(注3)及び外国法人が介在しない一定の関係に限ります。)を有しなくなる法人のうち、その最初の事業年度開始の日以後2月以内にその通算グループ内の通算法人による株式の売却等の一定の事実が生ずることによりその完全支配関係を有しなくなる法人(その通算グループ内の合併又は残余財産の確定によりその親法人による完全支配関係を有しなくなる法人を除きます。)をいいます(令131の151八)。
  2. (注2) 初年度離脱加入子法人とは、通算親法人による完全支配関係(通算除外法人(注3)及び外国法人が介在しない一定の関係に限ります。)を有することとなった日の属するその通算親法人の事業年度終了の日までにその完全支配関係を有しなくなる法人のうち、その完全支配関係を有することとなった日以後2月以内にその通算グループ内の通算法人による株式の売却等の一定の事実が生ずることによりその完全支配関係を有しなくなる法人(その通算グループ内の合併又は残余財産の確定によりその完全支配関係を有しなくなる法人を除きます。)をいいます(令131の161六)。
  3. (注3) このQ&Aにおいて、通算除外法人とは、問2の(1)から(9)までに掲げる法人をいいます。

(参考)
通算除外法人及び通算制度加入直後に離脱した場合の時価評価については、次のQ&Aを参照してください。

  1. 問2 通算子法人となることができる法人
  2. 問42 通算制度加入直後に離脱した場合の時価評価