通算子法人S社(12月決算)は、通算親法人P社(3月決算)がX1年10月1日にS社の発行済株式の50%を通算グループ外の第三者に譲渡したことから、P社の通算グループから離脱することとなりました。
この場合、S社はどのような申告を行うこととなりますか。
通算親法人(P社)の事業年度開始の日(X1年4月1日)からP社との間にその通算完全支配関係を有しなくなった日であるX1年10月1日(以下「離脱日」といいます。)の前日(X1年9月30日)までの期間については、損益通算の規定等の適用はありませんが、通算法人として申告を行うこととなります。
また、離脱日から通算子法人(S社)の事業年度終了の日(X1年12月31日)までの期間については、通算制度の規定を適用しないで申告を行うこととなります。
通算親法人が通算子法人の株式を通算グループ外の第三者に譲渡したことなどにより、通算子法人が通算親法人との間にその通算親法人による通算完全支配関係を有しなくなった場合には、通算制度の承認は、その通算完全支配関係を有しなくなった日から、その効力を失うこととされています(法64の10六)。
この場合において、その通算子法人の事業年度は、その有しなくなった日の前日に終了することとされています(法14二)。
したがって、S社は、通算親法人の事業年度開始の日(X1年4月1日)から離脱日の前日(X1年9月30日)までの期間について通算法人として申告を行うこととなりますが、その事業年度については通算親法人の事業年度終了の日に終了しないことから、損益通算の規定(法64の5)等の適用はありません。
また、S社が通算グループから離脱することに伴い、通算親法人の事業年度に合わせた事業年度とする規定が適用されませんので(法14)、その離脱日(X1年10月1日)からS社の事業年度終了の日(X1年12月31日)までの期間については、通算制度の規定を適用しないで申告を行うこととなります(法13
)。
なお、通算子法人(S社)が通算親法人(P社)との間に通算完全支配関係を有しなくなった場合には、その通算親法人(P社)は、その有しなくなった日以後遅滞なく、その有しなくなった日等を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります(令131の14一)。
(参考)
通算完全支配関係の意義、通算親法人の同一の事業年度中に加入及び離脱をした法人、設立事業年度等の承認申請特例による通算承認前に離脱した法人については、次のQ&Aを参照してください。