(問3)

完全支配関係と通算完全支配関係とは、それぞれどのような関係をいいますか。

【回答】

完全支配関係とは、一の者が法人の発行済株式若しくは出資(その法人が有する自己の株式又は出資を除きます。以下「発行済株式等」といいます。)の全部を直接若しくは間接に保有する一定の関係又は一の者との間にその一定の関係がある法人相互の関係をいいます。
  通算承認を受けることができる親法人による完全支配関係は、通算除外法人及び外国法人が介在しない一定の完全支配関係に限られます。
  通算完全支配関係とは、通算親法人と通算子法人との間の一定の完全支配関係又は通算親法人との間にその一定の完全支配関係がある通算子法人相互の関係をいいます。

【解説】

完全支配関係とは、一の者が法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として法人税法施行令第4条の2第2項に定める関係又は一の者との間に同項に定める関係がある法人相互の関係とされています(法2十二の七の六、令4の22)。
 通算承認を受けることができる親法人による完全支配関係については、通算除外法人(注1)及び外国法人が介在しない一定の完全支配関係に限ることとされており、この一定の完全支配関係に係る法人税法施行令第4条の2第2項に定める関係とは、内国法人が他の内国法人(通算除外法人を除きます。以下同じです。)の発行済株式等(注2)の全部を保有する場合におけるその内国法人と当該他の内国法人との間の関係(以下「直接完全支配関係」といいます。)とされています(令4の22 、131の112 )。また、この場合において、その内国法人及びこれとの間に直接完全支配関係がある一若しくは二以上の法人又はその内国法人との間に直接完全支配関係がある一若しくは二以上の法人が他の内国法人の発行済株式等の全部を保有するときは、その内国法人は当該他の内国法人の発行済株式等の全部を保有するものとみなされます。
 通算完全支配関係とは、通算親法人と通算子法人との間の完全支配関係(通算除外法人(注1)及び外国法人が介在しない一定の関係に限ります。)又は通算親法人との間にその完全支配関係がある通算子法人相互の関係とされています(法2十二の七の七)。
 したがって、例えば次の図において、P社とS7社との関係及びP社とS10社との関係は、それぞれ完全支配関係となりますが、P社との間に通算除外法人(S1社)又は外国法人(S6社)が介在していることから、通算完全支配関係とはなりません。

  1. (注1) このQ&Aにおいて、通算除外法人とは、問2の(1)から(9)までに掲げる法人をいいます。
  2. (注2) 発行済株式(自己株式を除きます。)の総数のうちに次に掲げる株式の数を合計した数の占める割合が5%に満たない場合のその株式を除くこととされています。
    1. 1 当該他の内国法人の使用人が組合員となっている民法第667条第1項に規定する組合契約(当該他の内国法人の発行する株式を取得することを主たる目的とするものに限ります。)による組合(組合員となる者がその使用人に限られているものに限ります。)のその主たる目的に従って取得された当該他の内国法人の株式
    2. 2  会社法第238条第2項の決議により当該他の内国法人の役員又は使用人(その役員又は使用人であった者及びその者の相続人を含みます。以下「役員等」といいます。)に付与された新株予約権等の行使によって取得された当該他の内国法人の株式(その役員等が有するものに限ります。)
解読図

(参考)
 通算除外法人については、次のQ&Aを参照してください。

  1. 問2 通算子法人となることができる法人