(別添)

移転価格事務運営要領

(連結法人の連結事業年度に係る移転価格税制に関する事務運営)

8-1 令和4年4月1日以後の連結法人に係る移転価格税制(旧措置法第68条の88の規定(第3項を除く。)をいう。第8章において同じ。)に関する事務運営についてはこの章の取扱いによることとし、この場合の用語の意義及び事務運営の基本方針(別冊の活用を含む。)、国別報告事項、事業概況報告書及びローカルファイル、調査並びに独立企業間価格の算定等における留意点の取扱いについては第1章から第4章まで(3−23を除く。)の取扱いを準用する。

(連結事業年度に係る国外移転所得金額等の取扱い)

8-2 連結事業年度の連結所得に係る国外移転所得金額等の取扱いについては次の(1)から(3)までに定めるところによる。なお、令和4年4月1日以後に開始する事業年度の国外移転所得金額等の取扱いについては、第5章の取扱いによることに留意する。

(1) 連結親法人が自己又はその連結子法人について国外移転所得金額の返還を受ける予定であるため、租税特別措置法関係通達(連結納税編)(以下8−2において「措置法連結通達」という。)68の88(11)−2(国外移転所得金額の返還を受ける場合の取扱い)に定める書面を提出した場合において、その連結親法人又は連結子法人が、当該書面に記載された金額の全部又は一部について返還を受ける予定の日後に返還を受けたときは、予定日後に返還を受けたことについて合理的な理由があるかどうかを検討した上で、措置法連結通達68の88(11)−2の取扱いの適用の有無を判断する。

(注) 措置法連結通達68の88(11)−2に定める書面の様式に関し、連結法人から照会があった場合には、「国外移転所得金額の返還に関する届出書」(別紙様式1)を用いて差し支えない旨当該連結法人に回答する。

(2) 連結事業年度について外国税務当局が連結法人の国外関連者に対して移転価格税制に相当する制度に基づき課税を行った場合において、相互協議の合意に基づく対応的調整により当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、当該連結法人の連結親法人)が減額更正を受け、当該減額更正を受けた金額の全部又は一部をその国外関連者に対し返還しているときは、当該返還した金額は損金の額に算入されないことに留意する。

(3) 相互協議の合意に基づく対応的調整により、連結事業年度に係る減額更正を行う場合において、連結法人が減額される連結所得金額の全部又は一部を合理的な期間内に国外関連者に対して返還することとし、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、当該連結法人の連結親法人)が租税条約等実施特例法第7条第1項に規定する更正の請求を行うとともに、次に掲げる内容を記載した「対応的調整に伴う返還に関する届出書」を別紙様式7により作成し、これを所轄税務署長等に届け出たときには、その返還することとした金額を当該国外関連者に対する未払金として処理することに留意する。

イ 連結親法人の法人名

ロ 連結親法人の納税地

ハ 連結親法人の代表者氏名

ニ 返還する連結子法人の法人名

ホ 返還する連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地

ヘ 返還する連結子法人の代表者氏名

ト 国外関連者名及び所在地

チ 返還する予定の日

リ 返還する金額(外貨建取引の場合は、外国通貨の金額を併記する。)

ヌ 返還方法

(注) 外貨建ての取引につき返還することとして届け出る金額は、連結納税基本通達17−1−2(外貨建取引及び発生時換算法の円換算)の規定に基づき円換算した金額とし、当該金額とその返還を行った日の外国為替の売買相場によって円換算した金額との差額は、その返還を行った日の属する連結事業年度の益金又は損金の額に算入する。

(事前確認に係る取扱いの準用)

8-3 連結事業年度に係る事前確認の事務運営については、第6章の取扱いを準用する。
 この場合における6−15の取扱いについては、事前確認の対象となる取引を行う連結法人が連結事業年度において連結子法人である場合には、事前確認の申出を行った連結親法人の納税地を所轄する局担当課は、次に掲げる連結子法人の区分に応じ、それぞれ次に定める部署に速やかに所要の連絡を行うことに留意する。

イ 調査課所管法人に該当する連結子法人 当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する局調査課

ロ 調査課所管法人に該当しない連結子法人 当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する局法人課税課を経由して当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する署法人課税部門

(連結法人が行った事前確認の申出のうち、事前確認を行う旨の通知を受けていないものの取扱い)

8-4

(1) 事前確認(連結事業年度及び令和4年4月1日以後に開始する事業年度について確認を受けようとする事前確認に限る。)を受けようとする国外関連取引を行う法人(以下8−4において「継続確認対象法人」という。)が、当該事業年度において行う当該国外関連取引(以下8−4において「継続確認対象取引」という。)について引き続き事前確認の申出を行ったものとして取り扱われることを求める場合には、当該継続確認対象法人の所轄税務署長等は、当該継続確認対象法人に対し、「連結納税制度の廃止に伴う事前確認継続届出書」(以下「継続届出書」という。)を別紙様式6により作成し、速やかに当該所轄税務署長等に提出するよう求める。
 なお、継続届出書の提出部数は、調査課所管法人に該当する継続確認対象法人にあっては1部(継続確認対象法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には2部)、調査課所管法人に該当しない継続確認対象法人にあっては3部(継続確認対象法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には4部)とする。

(2) 継続確認対象法人からその所轄税務署長等に対し、継続届出書の提出があった場合には、6−5及び6−6の取扱いに準じて処理を行う。この場合において、当該継続確認対象法人が連結事業年度において連結子法人であったときは、当該所轄税務署長等は、当該継続届出書の写しを当該継続確認対象法人の連結親法人であった法人の所轄税務署長等に送付する。

(3) 継続確認対象法人から継続届出書の提出があった場合の当該継続確認対象法人に係る事前確認については、当該継続確認対象法人から当該継続確認対象法人の所轄税務署長等に対し、6−2に定める事前確認の申出が行われたものとして取り扱う。

(4) 継続確認対象法人が、継続確認対象取引について、事前確認の申出を行ったものとして取り扱われることを求めない場合又は継続届出書の提出がない場合には、(1)の事前確認の申出を行った連結親法人であった法人の所轄税務署長等は、当該法人に対して継続確認対象取引については事前確認を受けない旨の事前確認の申出の修正を求める。

(連結法人が行った事前確認の申出のうち、既に事前確認を行う旨の通知を受けているものの取扱い)

8-5

(1) 事前確認(連結事業年度及び令和4年4月1日以後に開始する事業年度について確認を受けようとする事前確認に限る。)を受けた国外関連取引を行う法人(以下8−5において「継続確認法人」という。)が、当該事業年度において行う当該国外関連取引(以下8−5において「継続確認取引」という。)について、引き続き事前確認を受けたものとして取り扱われることを求める場合には、当該継続確認法人の所轄税務署長等は、当該継続確認法人に対し、継続届出書を別紙様式6により作成し、速やかに当該所轄税務署長等に提出するよう求める。
 なお、継続届出書の提出部数は、調査課所管法人に該当する継続確認法人にあっては1部(継続確認法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には2部)、調査課所管法人に該当しない継続確認法人にあっては3部(継続確認法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には4部)とする。

(2) 継続確認法人からその所轄税務署長等に対し、継続届出書の提出があった場合には、6−5及び6−6の取扱いに準じて処理を行う。この場合において、継続確認法人が連結事業年度において連結子法人であったときは、当該所轄税務署長等は、当該継続届出書の写しを当該継続確認法人の連結親法人であった法人の所轄税務署長等に送付する。

(3) 継続確認法人から継続届出書の提出があった場合の継続確認取引については、当該継続確認法人の所轄税務署長等から当該継続確認法人に対し、6−15に定める事前確認を行う旨の通知が行われたものとして取り扱う。

(4) 継続確認法人が、継続確認取引について事前確認を受けたものとして取り扱われることを求めない場合又は継続届出書の提出がない場合には、 (1)の事前確認を受けた連結親法人であった法人の所轄税務署長等は、当該法人に対して継続確認取引については事前確認を受けない旨の8−3により準用して取り扱われる6−20に定める事前確認の改定の申出を求める。

(令和4年4月1日以後に開始する事業年度のみを確認対象事業年度とする事前確認の申出)

8-6 法人が、令和4年4月1日以後に開始する事業年度において行う国外関連取引についてのみ事前確認を受けようとする場合には、当該法人が連結事業年度において連結子法人に該当するときであっても、第6章の取扱いによることとする。この場合においては、連結指針を廃止するまでの間であっても、当該法人が事前確認の申出を行うことに留意する。

(経過的取扱い・・・金融取引及び費用分担契約に係る改正通達の適用時期)

 令和4年6月10日付査調12−100ほか3課共同「「移転価格事務運営要領」の一部改正について」(事務運営指針)によるこの事務運営指針の取扱いの改正及びこの改正に伴う別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」の変更部分は、法人の令和4年7月1日以後に開始する事業年度分の法人税の調査又は事前確認審査について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税の調査又は事前確認審査については、なお従前の例による。


移転価格事務運営要領の制定について(事務運営指針)

(別添)

第1章 定義及び基本方針

第2章 国別報告事項、事業概況報告事項及びローカルファイル

第3章 調査

第4章 独立企業間価格の算定等における留意点

第5章 国外移転所得金額等の取扱い

第6章 事前確認

第7章 平成29年1月31日付官協8-1ほか7課共同「日台民間租税取決め第24条(相互協議手続)の取扱い等について」(事務運営指針)(以下「日台相互協議指針」という。)に定める相互協議が行われる場合の取扱い

第8章 平成17年4月28日付査調7−4ほか3課共同「連結法人に係る移転価格事務運営要領の制定について」(事務運営指針)(以下「連結指針」という。)の廃止に伴う経過的取扱い