1. 1 取組概要〜国税庁が目指す方向性〜
  2. 2 業務のデジタル化にあたって
  3. 3 更なるデジタル化に向けて
  4. 4 電子帳簿等保存制度
  5. 5 動画で見る業務のデジタル化
  6. 6 会計ソフト利用状況等の記載のお願い

1 取組概要〜国税庁が目指す方向性〜

 税務手続のデジタル化と併せて、経済取引や業務もデジタル化することにより、事業者の方が日頃行う事務処理の一貫したデジタル処理が可能となり、事業者の方の生産性の向上や経営の高度化が期待されます。
 それらの事務の中でも、取引から会計・税務までのデジタル化(デジタルシームレス)が実現した場合、人手による入力作業を介さないため、事業者の事務負担の軽減や税務コンプライアンスの向上等を図ることが期待できます。
 そのため、国税庁では、税務手続だけではなく、事業者が行う日々の業務のデジタル化に向けた活動にも取り組んでいます。

2 業務のデジタル化にあたって

 会計・経理業務のデジタル化にあたっては、まずは会計ソフトの導入から始めてみましょう。
 クラウド会計ソフト(インターネットを通じて利用できる会計ソフトのこと)なら、インターネットバンキングから入出金情報を取り込んだり、請求書等の証憑をスマートフォンやスキャナーで読み取って、自動で仕訳まで行うことが可能となります。リモートワークにも対応し、業務の効率化やペーパーレス化を図ることができます。

 また、クラウド会計ソフトの導入に当たっては、IT導入補助金が活用できます。IT導入補助金の類型のうち、特にインボイス枠(インボイス対応類型)については、インボイス制度への対応に特化した支援枠であり、ハードウェアや安価なITツールでも利用可能です。小規模事業者の場合、導入費用の最大80%が補助されますので、是非活用をご検討ください。
 詳しくは、IT導入補助金ホームページ等から活用事例を併せてご確認ください。

【参考】
”IT導入補助金事務局ホームページ”(外部サイト)

”「IT導入補助金2025」の概要”(外部サイト)

 なお、デジタル化に関する様々なお困りごとに対して、関係機関が連携して無料相談窓口を設け、事業者の皆様の支援を行っております。相談先については、下記相談窓口一覧をご確認ください。

デジタル化に関する相談窓口一覧(PDF/362KB)

3 更なるデジタル化に向けて

 既に会計ソフトを導入されている事業者の方は、更なる業務の効率化・生産性の向上に向けて、デジタルインボイス(Peppolインボイス)や全銀EDI(ZEDI)の活用が有効です。
 以下では、PeppolインボイスやZEDIを活用したデジタル化による一貫した事務処理のイメージをご紹介します。

デジタルインボイス(Peppolインボイス)のメリット図

Peppol(ペポル)とは
 Peppol(ペポル)は、インボイス等の電子文書をネットワーク上でやり取りするための国際標準規格です。これまで紙で行っていた際の、請求書の確認・入力や保管等の手間が減少するのはもちろんのこと、売手と買手で会計システムが異なっている場合でも、Peppolの規格に対応したデジタルインボイス(Peppolインボイス)でのやりとりによって会計データを自動処理できるため、作業時間の短縮やヒューマンエラーの防止に繋がります。
 Peppolインボイスへ対応した会計ソフトや業務システムを利用すれば、Peppolインボイスでのやりとりによって、連携した業務へ会計情報が反映されるため、バックオフィス業務の効率化が期待できます。

【参考】
”60秒で理解!デジタルインボイスの基本” Youtube(外部サイト)※
”デジタルインボイス対応済みサービス一覧” EIPA(外部サイト)※
※ EIPA(デジタルインボイス推進協議会)作成

@売り手から買い手にデジタルインボイス(Peppol)を送信
A買い手は、デジタルインボイスの請求データに基づき、支払処理を実施
BZEDIを通じ、買い手から売り手にデジタルインボイスの請求データが含まれた支払データを送信
C売り手は、入金データに含まれた請求データと買い手に送信した請求データの突合が可能となり、自動消込が実現

全銀EDI(ZEDI)とは
 全銀EDIシステム(ZEDI)の稼働により、企業間の振込電文について、支払通知番号や請求書番号など、多くの情報を自由に設定することができるようになりました。これにより、売手側で売掛金の消込作業が効率化されるなど、事務負担の軽減が期待されます。
 また、Peppolに対応したDI-ZEDIの策定により、請求から決済へデータ連携され、決済や売掛金の消込作業の自動化が可能となるでしょう。

【参考】
”全銀EDIとは” 全国銀行資金決済ネットワーク(外部サイト)
”ZEDIとは” 一般社団法人全国銀行協会(外部サイト)

4 電子帳簿等保存制度

 電子帳簿等保存制度とは、「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」の電子データによる保存を可能とする制度です。帳簿や書類のデータ保存を進めることでペーパーレス化につながり、書類保管コストの削減や、経理のデジタル化の進展など、生産性の向上にもつながると期待されます。
 詳しくは、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」をご確認ください。

【参考】
電子帳簿等保存制度特設サイト

 なお、令和7年度の電子帳簿等保存法改正においては、デジタルインボイスを活用し、請求書等データを帳簿に自動連携する仕組みに対応した制度が新設されました。

【参考】
請求書等を帳簿に自動連携する仕組みに対応した制度が新設されました〜令和7年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要〜(令和7年4月)(PDF/592 KB)

5 動画で見る業務のデジタル化

イメージ図
申告・納税と一緒に日々の業務もデジタル化しませんか?(30秒ver.)
Youtube「国税庁動画チャンネル」(外部サイト)に移動します。
イメージ図
申告・納税と一緒に日々の業務もデジタル化しませんか?(ドラマver.)
Youtube「国税庁動画チャンネル」(外部サイト)に移動します。
イメージ図
経理業務のDX〜ご存じですか?Peppolインボイス〜
Youtube「国税庁動画チャンネル」(外部サイト)に移動します。

事業者のデジタル化促進に関するリーフレット・動画一覧

6 会計ソフト利用状況等の記載のお願い

 所得税等の確定申告書や法人税等申告に係る法人事業概況書において、以下の項目のとおり、事業者の会計ソフトの利用状況等の記載をお願いしているところです。

  1. 1 所得税及び復興特別所得税の確定申告書第1表の収入金額等のア〜ウ欄の区分
  2. 2 法人税及び地方法人税の申告に係る法人事業概況書に設定している、「5 PC利用状況」に係る項目

 これらの項目については、国税庁が目指す社会全体のデジタル化の進度を測定する参考指標の一つとして、今後、会計ソフトの利用状況(利用率)を公表・活用することを検討していきます。なお、会計ソフトの利用状況は、社会全体のデジタル化の進度を測定する参考指標の一つであり、その状況に一定程度の進展があれば、更なるデジタル化を目指す新たな指標を検討する予定です。

(参考1)所得税申告書様式
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(参考2)法人事業概況書様式
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※ 事業者が会計ソフト等を利用していない場合でも、会計事務所等記帳委託先が会計ソフト等を利用している場合は、会計ソフト利用ありとして記載してください。