日時: 令和5年3月15日 14:00〜14:22
場所: 国税庁第一会議室/オンライン
出席者: 国税審議会委員 秋葉委員 遠藤委員
大倉委員 鹿取委員
川北委員 川嶋委員
小関委員 小林委員
佐藤委員 立道委員
手島委員 土居委員
中川委員 中空委員
廣重委員 藤谷委員
説明者 国税庁 阪田国税庁長官
伊藤国税不服審判所長
星屋国税庁次長
牧田国税不服審判所次長
植松審議官
堀内課税部長
永田徴収部長
木村調査査察部長
杉山総務課長
郷人事課長
田島企画課長
中田酒税課長
鈴木国税企画官
国税企画官
それでは、定刻になりましたので第25回国税審議会を開催いたします。
本日は、大変お忙しいところ御出席をいただきまして誠にありがとうございます。当審議会委員につきましては、本年新しい任期での発令がございましたので、後ほど会長を皆様方でお決めいただく必要がございます。それまでの間、私が進行役を務めさせていただきます。
本日の第25回国税審議会は、委員の過半数の方々に御出席いただいておりますので、国税審議会令第8条第1項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しております。
御出席いただいております委員の方々につきましては、お手元の座席表のとおりでございます。
それでは、議事に入りたいと思います。資料1、議事次第のファイルを御覧ください。
まず最初の議題は、会長の互選、会長代理指名でございます。
国税審議会の会長互選に当たりましては、国税審議会令第5条第1項により、委員の皆様方で会長の選任をしていただくことになっております。どなたか御推薦はございますでしょうか。
遠藤委員、御発言をお願いいたします。
遠藤委員
佐藤委員を会長として御推薦いたします。佐藤委員におかれましては、これまで当審議会の会長代理や税理士分科会の会長をはじめ、国税審査分科会の会長代理をなさっていらっしゃいましたので、識見、経験ともに会長として適任ではないかと思います。
国税企画官
ただいま佐藤委員を会長にと御意見がございました。佐藤委員に会長をお願いすることでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
国税企画官
それでは、佐藤委員に当審議会の会長に御就任いただきたいと存じます。佐藤委員におかれましては、会長席へ御移動いただきますようお願いいたします。
それでは、佐藤会長から一言御挨拶をいただき、その後、議事の進行につきましてもお願いいたします。
会長
ただいま会長に互選されました佐藤でございます。会長としての任務には細心の注意を払いたいと考えております。どうぞ委員の皆様の御理解と御協力、御指導を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、国税審議会令第5条第3項により、会長がその職務を代理する委員をあらかじめ指名することになっておりますので、会長代理の指名を行いたいと存じます。
私としましては、これまで様々な政府の審議会等の委員を歴任され、また、財政、経済について広く御研究があり、識見の高い土居委員にお願いしたいと思いますが、土居委員、いかがでしょうか。お引き受けくださいますでしょうか。
土居委員
はい、お引き受けさせていただきます。
会長
ありがとうございます。これから任期2年間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に入りまして、阪田長官より御挨拶を頂戴したいと存じます。
長官、よろしくお願い申し上げます。
国税庁長官
国税審議会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
ただいま選任されました佐藤会長、土居会長代理をはじめ、国税審議会委員の皆様方にはお忙しいところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
また、委員の御就任に際しましては、快くお引き受けいただき、改めて御礼を申し上げます。
国税審議会では、不服審査における通達と異なる法令解釈や税理士業務の適正な運営、酒類業の健全な発達に関する重要な事項について御審議いただくことになります。今後、こうした事項について御審議いただく際には、忌憚のない御意見をいただきますようお願い申し上げます。
さて、近年、税務行政を取り巻く環境は、経済社会のデジタル化、国際化の進展などにより大きく変化しております。こうした中においても、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命を果たすため、国税庁においては将来の経済社会の在り方を見据えつつ、デジタル化を通じた手続や業務の在り方の抜本的な見直し、すなわち税務行政のデジタル・トランスフォーメーションを推進しております。
税務行政のデジタル・トランスフォーメーションについては、その意義や何が変わるのか、どう良くなっていくのかを対外的に発信し、納税者の方々の御理解を得ていくことが重要と考えております。
このため、本年6月には、一昨年に公表した現行の「税務行政の将来像2.0」をブラッシュアップしたものを公表できるよう準備を進めております。引き続きスピードを緩めることなく税務行政のデジタル・トランスフォーメーションを推進してまいりたいと思います。
また、国税庁の最近の取組について3点申し上げたいと思います。詳細につきましては、後ほど議題、税務行政の最近の取組の中で説明させていただきます。
1点目は、令和4年分確定申告への対応についてです。本日は、令和4年分確定申告の最終日となりますが、本年の確定申告においてもe-Taxの利便性向上を進めるとともに、御自宅からのe-Taxを利用した申告を推進してまいりました。
御自宅からのe-Taxを利用した申告は、オンラインで各種手続が完結し、原則として添付書類の提出が不要になるなど、官民双方において税務に係る書面の取扱いを縮減するものであり、税務行政はもとより、社会全体のデジタル・トランスフォーメーションにも資すると考えております。国税庁においては、令和4年分確定申告の状況等も踏まえ、e-Taxの利用拡大に向け、e-Taxとマイナポータルの情報連携の充実など、引き続き利便性向上に取り組んでまいります。
2点目は、インボイス制度の円滑な開始に向けた取組についてです。本年10月の消費税インボイス制度の開始まで、残り約半年となります。国税庁としては、インボイス制度の円滑な開始に向けて周知・広報等の取組を進めてまいりましたが、昨年末には小規模事業者を念頭に置いて様々な負担を軽減する措置などを盛り込んだ令和5年度税制改正の大綱が閣議決定され、関連する法律案が現在、国会において審議中と承知しております。
今後は、免税事業者を含めた小規模事業者にも税制改正の内容など、必要な情報をきめ細かくお届けし、制度への理解が進むよう、日本税理士会連合会をはじめとする関係民間団体の御協力を得ながら、関係省庁と緊密に連携の上、周知・広報等の取組を加速してまいりたいと考えております。
3点目は、酒類業の振興についてです。国税庁では酒類業の健全な発達に向けて酒類業の振興に取り組んでおります。今後も事業者の販路拡大等の取組を予算面を含め支援するとともに、本年我が国で開催されるG7サミットや関係大臣会合、2025年に開催される大阪・関西万博において、日本産酒類のPR事業を開催し、酒類業の振興を図ってまいりたいと考えております。
以上、国税庁の取組について御紹介させていただきました。委員の皆様にはこうした取組に関しましても、広い御見地から忌憚のない御意見、御指導を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
会長
長官、どうもありがとうございました。
次の議題に入ります前に、本日の会議の議事要旨及び議事録の公開について御説明を申し上げます。国税審議会議事規則第7条第2項により、まずは簡潔な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は完成次第、公表させていただきたいと存じます。
なお、議事録につきましては、公表前に皆様の御発言内容に誤りがないかを確認させていただきます。議事要旨の内容につきましては、会長一任ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
会長
ありがとうございます。
それでは、次の議題に入ります。
国税審議会等の概要及び最近の活動状況について、事務局から御説明をいただたきたいと思います。資料は、資料2、国税審議会等の概要及び最近の活動状況のファイルをお開きください。
鈴木国税企画官、よろしくお願いします。
国税企画官
それでは、資料について御説明をさせていただきます。
まず、資料1ページ目の国税審議会の概要についてでございますが、国税審議会は、20名以内の委員で組織することとされ、本審議会の下に国税審査分科会、税理士分科会及び酒類分科会の3つの分科会が置かれております。本審議会の所掌事務につきましては、2の所掌事務に記載した5つの事項となっております。
また、3の最近の活動状況につきましては、前回の任期中、令和3年1月6日から令和5年1月5日までの間に開催したものを記載させていただいております。
次に、2ページを御覧ください。
国税審査分科会の概要でございます。国税審査分科会につきましては、国税不服審判所長が、国税庁長官通達と異なる法令解釈により裁決を行う場合などにおいて、国税庁長官が国税不服審判所長の意見を相当と認めない場合に審議を行うこととしております。
活動状況につきましては、3のところで記載されておりますけれども、基本的に分科会長の互選を除きまして、直近で所掌事務に係る議事が行われたのは、平成21年3月となっております。
続きまして、3ページを御覧ください。
税理士分科会の概要でございます。税理士分科会につきましては、税理士試験の執行及び税理士に対する懲戒処分等の審議を行うこととしております。最近の活動状況につきましては、4ページに記載のとおりでございます。年4回ほど開催をしているところでございます。
続きまして、5ページを御覧ください。
こちら、酒類分科会でございます。酒類分科会におきましては酒税の保全のために酒類業者に対して命令を行う場合、また、酒類の表示基準等について制定を行う場合、さらにはエネルギーや環境関連の法律に基づきまして酒類業者に命令を行う場合などにつきまして審議を行うこととしております。
なお、最近の活動状況につきましては、3に記載をしているところでございます。
簡単ではございますが、国税審議会、各分科会の概要及び最近の活動状況について御説明させていただきました。
会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局から御説明いただきました事項について、何か御質問、御意見等があられますでしょうか。
それでは、特に御意見、御質問はありませんので、次の議題に入ります。税務行政の最近の取組について、事務局から御説明をいただきます。資料3、税務行政の最近の取組のファイルをお開きください。
杉山総務課長、よろしくお願いいたします。
総務課長
総務課長の杉山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料3をお開きください。
前回、11月の国税審議会の場では、税務行政の現状と課題と題しまして、包括的に私どもの取組を御説明させていただきました。今回は、その後の主な最近の取組ということで、アップデートした内容について、御説明させていただければと思います。
右下に記載したページ数で、1ページ目の目次を御覧ください。今日は、この3点について、お話をさせていただきたいと思っております。
3ページ目です。まず、令和4年分確定申告について、前回も御説明したとおり、国税庁におきましては、税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの一環として、自宅からのe-Taxを強力に推進しております。昨年の令和3年分確定申告におきましては、自宅から御自身によりe-Taxで申告していただいた方の数が、確定申告会場で申告していただいた方の数を初めて逆転したところでございます。所得税のe-Taxの利用割合で見ましても、令和3年度で59%まで上昇しております。令和4年度は65%を目標としております。
その令和4年分の確定申告についてでございます。本日が最終日になりますが、4ページに記載した様々な周知・広報を行うとともに、前回も御説明しました特に5ページ、6ページのe-Taxの様々な利便性向上施策により、e-Taxをなお一層推進しているところでございます。
3ページに戻っていただいて、一番下のところにございますように、確定申告が3週間ぐらい経過した3月9日時点の速報値で、所得税のe-Tax申告件数が前年同期比で115%、15%のプラスになっております。また、そのうち自宅などからのe-Tax申告が120%になっております。こうした令和4年分の確定申告の実績につきましては、5月に公表予定でございます。
続きまして、2つ目のインボイス制度の円滑な開始に向けてについて、8ページを御覧ください。
インボイス制度が開始する本年10月1日まで残り半年でございます。インボイスの登録件数は、資料にありますように2月末現在で241万件です。このうち課税事業者の登録件数が210万件で、課税事業者全体で300万程度でございますので、課税事業者全体に占める登録割合は約70%となっております。
また、直近2月でも23万件の事業者の方々から登録の申請をいただいております。順調に推移しているものと考えております。
続いて9ページ目です。令和5年度の税制改正大綱が閣議決定されまして、本年10月1日にインボイス制度を着実、円滑に開始する観点から免税事業者を含む中小・小規模事業者の負担軽減措置などを講じることとされております。
こうした税制改正の主な改正案の内容を示しておりますが、事業者の登録の要否の判断に影響を与えるものであることを踏まえまして、4つ目のポツにありますように、4月以降の申請であっても制度開始から登録できるように弾力的に運用することとしております。
下側の今後の周知・広報の方針となりますが、こうした状況を踏まえまして、国税庁におきましては、@免税事業者を含めた幅広い事業者の裾野を意識した適切な情報の発信、A登録の要否を検討している事業者に対するこれまでに以上に寄り添った対応、これを2本の柱といたしまして、組織を挙げて取組を強化していくこととしております。
具体的な周知・広報として、10ページ目にありますように、年明け以降、免税事業者などを含めて、幅広い事業者の方々を念頭に置いて、広く周知・広報を行っているところでございます。認知度を上げるため、テレビCMやラジオCMなども本年2月から実施をしているところでございます。
11ページ目ですが、税理士会や酒類業団体など、関係民間団体、事業者団体の皆様に対して、一層の御協力をお願い申し上げているところでございます。
また、国税庁が所管をしております酒蔵やワイナリーなどの3,000以上の酒類製造事業者の方々に対しても、原料の購入先にインボイス制度への対応の検討を促すよう依頼文書などを送付するといった対応をしております。
引き続き、インボイス制度開始を円滑に迎えるため、事業者の皆様に混乱が生じないよう、周知・広報すべき対象の方々やお届けすべき内容などを不断に見直しながら、積極的に周知・広報をはじめ必要な取組を行ってまいります。
3つ目が酒類業の振興です。13ページ目を御覧ください。
令和4年の日本産酒類の輸出金額は1,392億円で、引き続き好調に推移しております。海外需要開拓や海外販路拡大の支援を一層推進してまいります。
14ページ目です。昨年の通常国会で農林水産物輸出促進法が改正されまして、オールジャパンで輸出に取り組む業界団体を認定品目団体として認定する制度が設けられたところでございます。財務省・国税庁では、昨年12月5日に日本酒造組合中央会を認定したところでございます。認定証の交付式では、総理も御出席をいただきましたが、この写真にありますように、財務大臣から日本酒造組合中央会の小西副会長に対しまして直接認定証を手渡しさせていただいたところです。
15ページ、16ページ目は、日本酒、焼酎、泡盛などのユネスコ無形文化遺産登録の提案について、15ページの一番下にありますように来年、令和6年11月頃にユネスコの委員会で審議される見込みとなっております。
16ページにございますように、国税庁においては文化庁や酒造り技術の保存会などと連携しまして、本年2月にユネスコ本部のあるパリの日本文化会館でシンポジウムを開催するなど、国内外で様々な機運醸成やPRのための事業を実施しているところでございます。
資料の御説明は以上となります。ありがとうございました。
会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見等がある方はお願いいたします。
特に御発言がなければ、この議題はここまでにいたしますが、よろしいですか。
ありがとうございます。本日の議題は以上ですが、せっかくの総会の機会ですので、何か御発言があられる方はお願いいたします。
特に何もないようですので、本日の会議を終了することといたします。
これをもちまして第25回国税審議会を閉会いたします。委員の皆様におかれましては、どうぞこれから2年間よろしくお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。

――了――