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- 第25回 酒類分科会 議事録
日時: |
令和7年3月24日 14:53~15:31 |
場所: |
国税庁第一会議室/オンライン |
出席者: |
酒類分科会委員 |
大倉委員 |
鹿取委員 |
木村委員 |
小関委員 |
髙梨委員 |
戸部委員 |
中空委員 |
葉石委員 |
説明者 国税庁 |
斎須審議官 |
三浦酒税課長 |
遠山酒類業振興・輸出促進室長 |
岩田鑑定企画官 |
佐々木課長補佐 |
ビール酒造組合 |
伊藤審議役 |
酒税課長
お時間になりましたので、ただいまより第25回酒類分科会を開催させていただきます。
酒税課長の三浦です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
後ほど分科会長をお決めいただくまでの間、私が進行役を務めさせていただきます。
まず、酒類分科会に所属の10名の委員の皆様を名字のみ五十音順で御紹介申し上げます。
大倉委員、鹿取委員、木村委員、小関委員、髙梨委員、立道委員、戸部委員、中空委員、葉石委員、藤谷委員、以上でございます。
本日は、お越しいただきました委員の皆様方のほか、大倉委員と木村委員はオンラインで御出席いただいております。また、残念ですけれども、立道委員と藤谷委員は、本日御都合がつかなかったということで、御欠席になっていることを御報告申し上げます。
本日、この場にはいらっしゃいませんが、酒類分科会に長らく御尽力をいただきました川嶋委員、手島委員、廣重委員が本年1月をもって御退任をなさいまして、髙梨委員、戸部委員、葉石委員が本年1月から新たに御就任いただきました。ありがとうございます。
本日は、酒類分科会委員の過半数以上の委員が御出席になっております。国税審議会令第8条第1項及び第3項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しておりますことを御報告申し上げます。
本日の議題の1つ目であります、酒類分科会長の選任に移らせていただきます。国税審議会令第6条第4項によりまして、分科会長は委員の皆様の互選によって選任していただくことになっております。どなたか御推薦等の御発言をお願いできますでしょうか。
中空委員、お願い申し上げます。
中空委員
小関委員を推薦したいと思います。小関委員は酒類の製造について、知見が豊かで、伝統的酒造りに欠かせないこうじの研究者でもあります。過去に酒類分科会長を務めておられた御経験もおありです。分科会長に適任かと思います。
以上です。
酒税課長
中空委員、どうもありがとうございます。ただいま小関委員を分科会長にという御意見をいただきました。
ほかに御意見はいかがでしょうか。
小関委員に分科会長をお願いすることでよろしいでしょうか。
酒税課長
ありがとうございます。
それでは、小関委員に分科会長に御就任をお願いさせていただきたいと思います。
恐れ入りますが、こちらに分科会長席を設けておりますので、御移動をお願い申し上げます。
それでは、ここからは分科会長に議事の進行をお願い申し上げます。
御挨拶の後、改めて酒類分科会長代理の指名をお願い申し上げます。
小関分科会長、お願いいたします。
分科会長
ただいま御指名いただきました山形大学の小関でございます。皆様の御協力の下、円滑に議事を進めていきたいと思っております。どうぞ御協力のほど何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、国税審議会令第6条第6項により分科会長が当該分科会に属する委員のうちからその職務を代理する委員をあらかじめ指名するということになっておりますので、分科会長代理の指名を行いたいと思います。
木村委員にお願いしたいと思いますが、木村委員、いかがでしょうか。
木村委員
木村でございます。御指名いただきまして、ありがとうございます。謹んで受けさせていただきます。
小関分科会長と円滑な議事を進めてまいるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
分科会長
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、議題2、酒類行政における最近の取組等について、事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
酒税課長
分科会長、ありがとうございます。
改めまして酒税課長の三浦です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
着座にて説明させていただきます。
分科会資料、1ページを御覧いただきますと、分科会について、それから酒類行政について、酒類業をめぐる最近の動向についてなどを御報告させていただきたいと思います。
おめくりいただき2ページ目が目次でありまして、3ページ目、4ページ目が先ほどの国税審議会のほうでお聞きいただきました内容でありますので割愛させていただきます。
一言だけ、4ページ目を御覧いただきますと、2の所掌事務というところで、5つ書いてございますけれども、大きく3つでありまして、1つ目に掲げております酒税の保全のために命令を発する場合の御審議をいただくということ。それから、2つ目が公正な取引の基準に関するもの。それから、3つ目が環境法令に関するもので、3つ目、4つ目、5つ目、ということであります。
1つ目と3つ目以降については、これまで例がなかったのでありますけれども、2つ目については直近では令和4年に御審議をいただいております。公正な取引の基準について、後ほど言及させていただきたいと思います。
6ページにお移りいただきますと、私どもの組織について少しだけ御紹介させていただいております。一番上の国税庁(本庁)というところが鑑定企画官、酒税課、酒類業振興・輸出促進室、という組織になっております。
これにちょうど対になるような形で、全国11局1所の国税局において組織がこうしてあります。そして、下を御覧いただきますと、税務署は524署ありますうち82の税務署に酒類指導官を設置して取り組んでいるという内容になっております。
7ページ目を御覧くださいますと、酒類行政の基本的方向性ということを掲げさせていただきました。
国税庁の任務、酒税の適正かつ公平な賦課及び徴収、それから酒類業の健全な発達に向けまして、このような課題に向けて取り組んでおりますという内容であります。
これを作成しましたのは令和3年でありまして、また課題も徐々に増えてきているというところもありますので、また時期に応じて見直しをかけてまいりたいと考えております。
9ページ目を御覧いただきますと、総人口、人口増加率の現状及び将来推計というおなじみの表になっております。現状で人口が減少傾向にあるということ、この推計によると2070年に8,700万人、現在から31%の人口が減少するという推計になっています。
それから、この表に表現しきれておりませんが、65歳以上の高齢者の方々の割合が2020年の28.3%から2070年には40%に増加するという推計になっております。それに伴いまして、酒類の消費者の方々も減っていくことが想像されるというものであります。
おめくりいただきますと、10ページ目が20歳以上の成人一人当たりの酒類の消費量の推移ということで、一言だけですけれども、お一人当たりの消費数量というのが、平成4年、1992年ですけれども、これから令和5年にかけて約4分の1ぐらい減っている、ライフスタイルの変化などを背景にしているのかなというふうに想像しております。
11ページを御覧いただきますと、酒類の課税数量の推移ということで、これはおおむね国内向けの出荷高ということでございます。
平成11年、この下の横軸のところの10の隣のところで、平成11年度がピークであったということ。約1,000万キロリットルという内容でありますけれども、それが右のほうに目を移していただきますと、大体それが8割ぐらいになってきているというものであります。色がそれぞれのお酒の種類別となっております。
次の12ページを御覧いただきますと、最近の酒類市場の状況ということで、出荷金額でありますけれども、長期的には減少傾向なのですが、ここ数年は横ばいというところが御覧いただけると思います。単価が上がってきているということ、付加価値を高める、事業者の皆様の御努力がこうして数字に表れているのかと見ております。
また、右側が消費動向であります。消費動向は令和4年以降は回復傾向にあると言いながらも、下の赤い枠で囲んだ飲食店消費のところがコロナ禍以前にはなかなか戻らない。2万円の水準にはなかなか戻っていないというのが御覧になれるかと思っております。ちょっと字が小さくて恐縮です。
そして、13ページを御覧いただきますと、日本産酒類の輸出の促進ということで、輸出金額であります。一番上の囲みを御覧くださいますと、平成29年からの5年間で2.6倍程度の伸びになっているというところであります。令和4年に過去最高の1,392億円程度になっておりまして、ここ2年ぐらいが若干足踏み状態というところで、背景に中国の景気の動向もあるのかなというふうにみているところです。
14ページを御覧いただきますと、酒類の製造業者数の推移であります。
横軸がちょっと御覧になりにくくて恐縮ですが、平成10年の隣が平成15年になります。ここまでが5年刻みです。その隣が平成19年になりまして、そこから1年刻みというようなつくり方をしております。平成27年度以降は増加傾向にあるというのがここで御覧いただけると思います。
下の段でその内訳をちょっと御覧いただきますと、ワイン、それからクラフトビールの人気の高まりなど、皆様も肌感覚として感じてくださっているのではないかと思います。そうした人気の高まりを受けて製造場が増えているというのが御覧いただけるかと考えております。
15ページ、今度は流通のほうでありまして、上が卸売、下が小売であります。対照的なグラフになっていますが、卸売のほうは昭和50年をピークにして、令和5年度におきましてはピーク時の約8割以上減少しているということで、地場の卸売の事業者の皆様が再編されているという状況もここに表れているかと見ております。
それから、下のほうが小売の事業者でございます。平成13年から15年にかけて免許の規制緩和を行った結果、平成19年度までは増加傾向にあって、近年は減少傾向というのが、ちょっと分かりづらいところもありますが、そういう傾向が御覧いただけるかと思います。
規制緩和によって、スーパーマーケット、コンビニエンスストアの参入が増えているということ。これらの方々の割合が増加しているという一方で、一般酒販店の割合が減少しているというような構造の変化が御覧いただけるかと思います。
この一方で、酒類の流通段階で不当廉売につながるような値引き、リベートの動きというのが指摘されてきたというのが最近の状況だったと思います。
16ページを御覧いただきますと、国税収入の内訳ということでございます。
約76兆3,000億円の国税収入のうち酒税の収入が約1兆2,000億円で、国税収入全体の約1.6%を占めているということで、右側の円グラフを御覧いただきますと、ビールと発泡酒で約52%という非常に大きな割合が御覧いただけると思います。
17ページが、時系列で御参考として御覧いただければと考えております。
ビールについては、かつての4分の3程度が減少しており、平成7年頃がピークになっていたということも御覧いただけるかと思います。
19ページが、冒頭の長官挨拶にもありましたが、伝統的酒造りが、ユネスコ無形文化遺産へ登録ということで、文化庁をはじめ関係省庁の皆様、また何よりも担い手の皆様方の御尽力がこうした形で実を結んだのではないかと感謝とともに御報告を申し上げます。
千載一遇のPRの機会と捉えまして、各地でシンポジウムなどのイベントを行っているという状況でございます。また、大阪・関西万博の機会も活用して、様々な周知、広報に取り組んでまいりたいと思っております。
20ページを御覧いただきますと、私どもの活動を支える予算でありますけれども、令和7年度当初予算案には約21億5,000万円を計上していただいているという状況であります。
これらを活用して、認知度向上・販路拡大、高付加価値化支援に取り組んでいるところであります。
トピックとして、右下のところでありますけれども、原料米の価格の高騰というところで、食用米の相対取引価格の状況が先週発表になりましたが、前年度から比べて1.7倍ぐらいに上がっているという状況で、酒造好適米の安定的な生産をしていただくためには一層のコストというのが必要になるということが想定されるわけであります。
そうした中で、私ども、昨年度経済対策でありましたが、日本酒造組合中央会に造成済みの基金を活用しまして、清酒等のメーカーの運転資金調達に寄与する信用保証を実施するなどの支援に取り組んでいるという状況であります。
話題が変わりまして、21ページを御覧いただきますと、酒類の地理的表示の指定状況というところで地図風に表現してまいりました。
次のページを御覧いただきますと、この酒類の認知度向上を図る上で重要なツールだと思っておりますこのGIですけれども、直近では昨年12月にGI「喜多方」を指定しているというところでありまして、GIの指定に取り組み、そして既存のGIのプロモーションのイベントの開催も行うことによって、一層普及、活用を推進していきたいと考えております。
23ページ以降が、冒頭でお聞きいただきました公正な取引に関する基準についての制定から現在までの流れを年表風にしてまいりました。平成10年からの規制緩和によって酒類の小売事業者の新規参入が加速していったということを先ほどグラフで御覧いただきました。
不当廉売につながるような値引き等も指摘されてきたことから、平成18年に公正な取引のための指針を策定し、これに基づいて酒類業者の皆様に対して指導してきたという状況であります。
その後の平成29年のより実態に即した内容ということで、酒類の公正取引に関する基準を策定したというものでありまして、25ページを御覧いただきますと、その内容を記載させていただいているというものであります。
右枠の基準が指針における合理的な価格の設定を明確化したものでございます。
正当な理由なく、売上原価と販管費の合計額を下回る価格で酒類を継続して販売してはいけないというものが1点。
それから、他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引をしてはならないという、そういう大きく2つの内容になっております。
26ページを御覧いただきますと、こうした基準を、平成29年に施行されました酒税法等の一部改正法に基づいてこの公正な取引の基準を定めているというもので、左側の①にその記載がございます。
これに基づいて、毎年調査を行っておりまして、27ページを御覧いただきますと、令和5事務年度、令和6年6月までの1年間の調査結果を記載しているというものであります。参考として御覧いただければと思います。
以下は参考の資料として、公正な取引に関する基準に基づいて指示をした事例ですとか、去年厚生労働省から御発表になった飲酒に関するガイドラインについての資料もお入れしております。
事務局からの説明は以上とさせていただきます。
分科会長
ありがとうございました。
それでは、議題2の内容につきまして、御質問、御意見等がある方は挙手をお願いいたします。
葉石委員。
葉石委員
いろいろ現場などで聞いていることをお伝えさせていただければと思っております。
飲酒ガイドラインについてなのですけれども、飲酒ガイドラインですが皆さん数字のところばかりを追ってしまいまして、正しい内容を若干理解されていないというところが、様々な方々を取材する中で感じていることです。
そちらがもうちょっと分かりやすく皆さんに正しい内容が、飲んじゃいけないということを言っていないということをもう少し優しく広めていただけたらいいかなというふうに思っております。
また、もう一つございます。様々なイベント、私も参加させていただいたり関わらせていただいたんですけれども、こういったイベントとともに今後ちょっとやっていくといいと思っているのが、健康とお酒というものに関する教育が必要なのではないかと考えております。
若い世代の方々、太るから飲みたくない、体に悪いからお酒は飲みたくない。また、自分たちの親世代を御覧になって、酔っぱらって帰ってくる、そういう姿を見たから飲みたくないというのがあります。その一方で、酒税よりも経済的損失、アルコール関連問題による経済的損失というもののほうが酒税よりも多いというふうに伺っております。
ですので、こういったイベントとともに、継続的にお酒と健康に関する教育をいい形でやっていかれるといいのかなというふうに思いました。
以上です。
酒税課長
葉石委員、どうもありがとうございます。
ガイドラインの少量の飲酒によって健康に対するリスクが上がってしまうという記載が、一部の疾病についてそこに焦点が当たってしまうというところが心配されるところでありました。
今、委員におっしゃっていただいたとおりだと思います。自分に合った飲酒量を決めて、そして健康に配慮した飲酒を促す内容であるということを、こうしたチラシなども使って私どもも周知に努めていきたいと考えております。
また、健康とお酒についての教育が大切であるということもお教えいただきまして、ありがとうございます。私どもも各国税局ですとか国税事務所におきまして地域の大学と連携しながら、そうした飲酒についての啓発活動とか、そうしたことも行っている例などもありまして、こうした活動を引き続きやっていきたいなと思った次第です。
分科会長
中空委員
御説明ありがとうございました。10ページの図表を見ていて、私はすごい貢献しているのにと思いながら見ていたところです。
質問は、13ページにあった内訳、輸出の話で、世界中どこに行ってもウイスキーの値段がとても高かったときがあったと思うんですけれども、ウイスキーの値段が上がると上がっただけ徴税できるという仕組みはないのでしょうか。というのがものすごく感じるところです。
きちんと売れているものからは徴税ができる仕組みというのは作っていく必要があるのではないかと思った、ということでここは御意見をいただければと思います。
20ページで御説明いただいた21億円予算がついています、というのがあったんですけれども、結果KPIとしてはどれくらいの市場になれば、この21.5億円はうまく生きたということが言えるのでしょうか。それについてのお考えを教えていただきたいというのが2つ目です。
3つ目がGIを決めますよというのがあって、決めていただくのはとてもいいのですが、GIになるとどういいのかというのはちょっと教えていただきたいなというのが3つ目です。
最後、4つ目、4つもあるのでちょっとずつで答えていただければいいですが、25ページにあった公正な取引環境なのですけれども、買い手、消費者としては安いほうがうれしいわけです。そうすると安いのは駄目だと国にばかり言われてしまうと、それはそれで自由な競争ができない気がしていて、その中で広告などの情報からあぶり出す、そういう業者がいればというふうに聞こえたのですが、これはどういう仕組みで、例えばそこはすごい廉売していますよという垂れ込みが多いのか、そういうのはどういうふうにやっていくのか。
しかも瞬間的に値下げをしているものであればオッケーというのだったら、もう今週はこれ、今週はこれと次から次へと安売りがあればそこに引っかからないのかという、そういう意味で、これは割と難しいことをやっておられると感じているので、どういうことが基準としてあるのでしょうというのが4つ目です。
以上です。よろしくお願いします。
酒税課長
中空委員、どうもありがとうございます。
1つ目のウイスキーのほうなのですけれども、輸出の酒類については酒税が免税になり、今そういう仕組みがないというところであります。
2つ目のKPIにつきましては、様々なKPIを用いておりまして、例えばそこでどれぐらいのお客様にリーチできたか。といったような基準が1つ挙げられます。これは政策評価の中で政策評価指標をKPIとして用いているというのが1つであります。
3つ目のGIになるとどういうことが良いかというところですが、1つ目が産地との結び付きというのをより主張できるというところがあるかと。もう一つが、例えば産地を偽っているという場合についてそれを排除するようなことが可能になってくる。究極的には、この2つが攻めの部分と守りの部分と両方あるのかなというふうに考えておりました。
4つ目におっしゃっていただいた、公正な取引基準に基づく調査につきましては、広告に基づく調査というのがもちろん1つあります。それから、最近の取組でありますけれども、事業者の皆様に対して、お尋ね文書というのを発出させていただくという取組をしておりまして、いわば自主的にこういう公正な取引基準があるんだということを知っていただき、そして御自分でその公正な取引の基準に基づいた取引になっているかどうかというのを振り返っていただくような、そういう取組も行っております。
それから、事業者の方々からの情報提供というのもあります。
分科会長
どうもありがとうございました。
御意見、御質問なども尽きないところなのですけれども、時間が迫っておりまして、さらなる御意見、御質問などございましたら、メールにて事務局までお問い合わせいただきたいと思います。
次の議題に移らせていただきます。
ビール業界における二酸化炭素排出量削減の取組について、ビール酒造組合から御説明いただくことになっております。
それでは、ビール酒造組合の入室をお願いいたします。
本日はお忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。
それでは、御紹介させていただきます。ビール酒造組合の伊藤審議役でいらっしゃいます。ビール業界における二酸化炭素排出量削減の取組について、伊藤審議役、御説明をお願いいたします。
伊藤審議役(ビール酒造組合)
ビール酒造組合生産審議役の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料、2023年度概要ビール業界におけるCO2排出量削減の取組についてを御覧ください。
この資料においてのビール業界とは、ビール酒造組合に加盟しておりますアサヒ、キリン、サッポロ、サントリー、オリオンの5社を指しております。
これまでビール業界としては経団連の環境自主行動計画に1996年から参画し、省エネ及びCO2削減に取り組んでまいりました。
2013年からは環境自主行動計画に次ぐ、新たな計画である低炭素社会実行計画に、さらに2021年からはカーボンニュートラル行動計画に参画しております。
まず、カーボンニュートラル行動計画目標値について説明いたします。
2021年に日本政府より2050年温室効果ガス実質ゼロ、2030年度温室効果ガスを2013年度比46%削減、さらに50%の高みを目指す、との方向性が出されたことを受けて、2050年カーボンニュートラルに向けた業界ビジョン、2030年目標を御覧のとおり設定いたしました。
読み上げます。
将来像・目指す姿。2050年カーボンニュートラルに向けたビール業界ビジョン。ビール業界としてカーボンニュートラルを達成している。Scope1、2におけるCO2総排出量を実質ネット0とする。
Scope3におけるCO2総排出量の削減を実現している。ただし具体的数値目標は現時点では未定です。
将来像・目指す姿を実現するための道筋やマイルストーン。マイルストーンとしての2030年目標。Scope1、2におけるCO2総排出量の削減目標を30.8万トンとする。これは2013年度比46%減になります。
Scope3におけるCO2総排出量削減の取組に対して、課題に優先順位をつけ削減を推進している。
次に、実績について御説明いたします。
過去2020年までの低炭素社会実行計画においては、2013年度比26%削減の42.3万トンの目標を定めており、それは達成することができました。
2021年からのカーボンニュートラル行動計画においては2013年度比46%削減の30.8万トンとさらなる高みを目指した目標を立て、2023年度の実績としては、38.7万トン、進捗率は70.0%になりました。引き続き、さらなる削減を進めてまいります。
最後に、ビール業界の具体的な削減活動について御説明いたします。
これまで都市ガスへの燃料転換、コジェネレーション、アンモニア冷凍機、高効率小型貫流ボイラーなどの新たな動力設備の導入、各製造工程での省エネルギー活動の推進を行い、CO2排出量削減に大きく貢献してきました。
2023年の革新的技術開発としては、産廃処理していた排出汚泥をエネルギーに効率よく転換する技術として、排水処理における排水汚泥エネルギー転換、嫌気MBRの導入を行いました。
今後も環境に配慮した設備導入、商品開発を進めてまいります。
ビール業界からの報告は以上となります。
分科会長
ありがとうございました。
それでは、議題3の内容につきましては何か御質問がある方は挙手をお願いいたします。
髙梨委員
髙梨と申します。御説明ありがとうございました。
ビール業界としてこういった取組に取り組まれているということは、背景として水を使うので環境問題に関心があるという御説明がありましたけれども、CO2削減ということに取り組まれるからには、ビール業界は何か特にCO2を多く排出しているような背景事情というか、減らすべきだというような気運というものがあったんでしょうか。教えていただければと思います。
伊藤審議役(ビール酒造組合)
ビールは製造工程において、相当熱を使います。仕込みという工程では麦汁をつくるのに相当な熱量をかけて煮沸したりとか、それを今度は発酵するに当たっては冷却してそれを保つとか、ということで相当電力を使うといった産業になります。
また、できた製品のビールをお店に運ぶのにトラックなり、相当そこでもエネルギーを使うといったことでCO2の削減についてはやはりしっかりやっていかなければいけないというのが業界全体の考え方になります。
分科会長
ありがとうございました。
それでは予定の時刻となりましたので、ここで質疑を終了させていただきます。本日の議題は以上となりますが、ほかに何かございますでしょうか。
髙梨委員
すいません、先ほど健康と飲酒というお話が出たんですけれども、年明けにちょっと目を引くニュースがあって、お酒のがんのリスクについて、アメリカのほうでラベルの表示をするよう勧告が出たということでした。
確かにたばこではそういう表示がされていて、たばこのがんのリスクはとてもよく知られていると思いますけれども、お酒とがんはあまり結び付いてないかなという気がして、確かに節度をもって楽しむということが大切だと思うんですけれども、やはり節度を持つにはリスクを知るということも大事かなというふうに思います。
そういったラベルの表示みたいなことは国内では、これまでそういったがんとお酒ということについては検討がされたことはあったんでしょうか。また、今後の見通しなど、お分かりであれば教えていただきたいと思います。
酒税課長
髙梨委員どうもありがとうございます。
国内でもまさに現在議論が行われているところでありまして、アルコール健康障害対策基本法に基づいてアルコール健康障害対策推進基本計画というものが厚生労働省で作られていまして、それに基づいて、今、第2期だったと思うんですが、その中でお酒における表示についても議論を進めていくということが記されていまして、それに基づいて現在、事業者の皆様にて御議論が行われているというところであります。
分科会長
ありがとうございました。
それでは本日の酒類分科会、ここで終了することといたします。なお、本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、酒類分科会会議議事規則第4条にのっとりまして、国税審議会と同様の扱いとさせていただきたいと思います。
これをもちまして第25回酒類分科会を閉会とさせていただきます。
――了――